Q&A

著者 :
  • 幻冬舎
3.35
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  • (77)
  • (25)
本棚登録 : 2006
感想 : 387
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344006232

感想・レビュー・書評

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  • ある大型スーパーで起こった死者69名という大惨事。  
    物語はQ&Aの対話形式で進み、なぜ事件が起こったのか、が、少しずつ解明される(ような気がする)。

    会話を進めるうちに現れだされる、人間の心の奥底に潜む感情。
    思わず自分の胸に手を当ててみずには入られない。

    小さいときに、感情を『無』にしてみたいと思ったことがある。  (一休さんがとんちを捻り出すのは、心が『無』になった時と聞いたことがあるような・・・)
    でも、なかなか『無』になんてたどり着けず、むしろ、思えば思うほど頭の中はいっぱいになってしまう。

    たとえば、誰かに向けられた悪意。
    それは、自分の中のもう一人が「そんなこと思ってはいけない」と咎めても消せない。 
    むしろ、悪意と咎めとのせめぎ合いで、心に深く刻まれてしまう。


    普段、見ないようにしている部分を思い知らされる作品だった。
    怖かった。


    でも、後半からはちょっと失速気味だったのが残念。

  • 前半はおもしろかった。ワイドショーや噂話や都市伝説とかみんな好きでしょう。
    でも最後のまとめ方がちょっとをのむ感じにしてほしかった。ずさんというか、最後まで息

  • タイトルどおりQ&Aで語られていく。人々の話からどんなことが起きていたのかひとつひとつ積み上げて想像していくのが楽しい。でももやもやはやっぱり残ります!

  • 最後まで質問と解答で構成されるて、しかもちゃんと話が展開されている。見事。割と面白いと思う。

  • なんだこれは?(◎-◎;) すげぇ

  • 質問と答えで全てが構成された物語。最後に浮かび上がる答えは怖い。恩田陸は、こういうのもうまいなー。

  • 全編会話形式だったせいか、正直、読むのがしんどかった。ぎゃふー。
    そもそもの謎は最後まで謎のまま。短編としての質の高さは感じるものの、ひとつの物語としては釈然とせず。不完全燃焼。

  • 郊外にある大きなデパートで、中にいる客が非難しようとして逃げ惑い、圧死者を出す大きな事件が起きた。しかし、非難しようとした「理由」となり事件が見えない・・・・。
    タイトルの通り、質問と回答という会話のみで構成されて一本の物語をなす、という試みが見事成功しているところがすごい。
    表紙にあるとおり、まさに、小説の醍醐味を感じる。
    質問者と回答者は章ごとに入れ替わり、次第に事件の全貌が見えてくるが、最後まで真相はわからない。
    あるのはあくまでも回答者の「個人的な考え」のみ。
    うまい!と膝をたたきたくなるような一作。

  • 人間の思い込みとはすごいものだと感じた作品でした。
    ちょっとオチが見当たらない作品だけど、途中経過は面白かった

  • <font color="999999">「私の勝手な妄想ですけどね」<br> それでは、改めて、この事件はどういう事件だったと思いますか。<BR>「分かりません。でも、あの日、何かがいろいろカチリと噛み合わさってしまったんじゃないかと思うことはあります」<BR> 何かというのは何ですか?<BR>「さあ。それは人は偶然と言うのかもしれないし、運命と言うのかもしれないし」</font><BR><BR>コワス〜!心理的にゾクゾクくるものがありますな。特に前半。サイコホラーですか。影が揺れるっつー話もこえーよ。人の目だけ事実がある。しかしその目は機械ではなく人間。憶測や経験に基づく思考だって混じる。事実説明はもはや感情そのものになりうる。すると、その人の持つ潜在意識という輪郭がじわじわ目につくようになってしまう。個人の心奥底、そして社会に潜む闇。原因がはっきりしないだけ不気味。まぁタクシー運転手の政府陰謀説が妥当なのかもしれないけどさ、そのまま原因らしきものを明かさず外掘りを埋めるのみで逃げ切ってもおもしろかったかもね。ラストもイマイチ浮いた印象になってしまったが、そういう事象と影響の間に生じるズレという妙味を、込めたかったのかもしれない。

  • 途中まで夢中で読んだけど、ラストがちょっと期待はずれ。
    設定はすごく興味深かったんだけど・・・

  • 質問と答えだけで展開されて、見えてくる物語の恐怖と独特さ。斬新でした。心理もうまくついていましたし、裏側にあるプロットもしっかり作られているのでしょう。巧みさが光りました。

  • 今まで読んだ本の中で最も怖いと感じた作品。そこらのホラー映画よりも格段に怖い。人間の本質が見える気がする。

  • これで恩田さんの本に興味を持ち出しました。
    ドミノもそうですが、これもブラックユーモアの物語だと思いました。
    でもこれは、人間の心理の面白さと言うか怖さと言うか・・・を暗に示していると思います。
    やっぱり恩田さんはすげぇ・・・

  • この設定は斬新で面白かった。勢いづいて読める作品だよね。

  • 2006.6.12
    最初は事件の真相が気になっていたのにいつの間にか……

  • 「大型スーパーで起きた。死者69名。負傷者116名。原因…不明。。。」この見出しだけで背筋が凍った。”何か”があるより何もない方が怖い。人の精神だけでこんな悲惨な事が起きるなんて…「ちょっと誰かを不安にさせる事ができればしれだけで勝手に死んでくれるんです。暴走する人間そのものが凶器になってしまうんです。人間そのもので人間を殺せる。別に何が落ちてきたわけでも倒れてきたわけでもない。ただ大勢の人間がいる所で一声叫ぶだけで。ナイフも拳銃も新しい兵器も機械も必要ない。人間達だけ。人間が集まるだけ。。。」こんなに怖いことはない。なんの理由も根拠もない。殺そうってゆう誰かの意思も考えもない。原因もなくただ人と人が死んでいく。人間が落ち詰められた時。そこには意思も思いやりもない。ただ、ただ、本能が顔をだす。そして壊れていく…人間は脆いな。。。色々考えてしまう。ゾッとする。考える事もできないぐらい追い詰められた事はないけど。怖くて仕方ない。。

  • タイトルどおり質問と答えだけで進む話。無理なんじゃないかと思うのに話はキチンと進んでいく。夜中読んでいたらホラーじゃないのに怖くなってしまった。奇妙な魅力。

  • 超恐い!!


    物語が常に2人の人間の対話だけで進みます。
    会話だけで事件の内容がわかってくってすごい。

    結局事件自体は謎のまま、なのかな??

    東京でMというとマルイなんでしょうか??
    (名古屋人なのでよくわからない・・・)

    大型商業施設って最近流行でいっぱいあるし、たくさん利用します。


    もしこんなことになったら・・・・。


    都会ってもろいし、人間って恐い。

    でもね、この小説は最高に面白い!!

  • 始めはワクワクしながら読んだけど、最後のほうになると想像だにしなかった方向へと話が進んだのでびっくりした。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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