同姓同名

著者 :
  • 幻冬舎
3.47
  • (51)
  • (175)
  • (207)
  • (35)
  • (8)
本棚登録 : 1513
感想 : 168
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036789

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「大山正紀」が何人も出てきて、どの人の話しなのか?理解するのが難しい時がありました。

    犯罪を犯した「大山正紀」と同姓同名だったので、辛い思いをした大山正紀達のお話しでした。
    SMSの恐ろしさも伝わり、実際に辛い思いをしている人がいるのだと思いました。

    犯人の大山正紀が事件をおこしてしまった原因に同情してしまう部分があったけど、だからと言って犯罪は良くないで、もっと憎める犯人であれば良かったのに。

    終わり方も個人的に好きではなかったので☆2にしました。
    結局、他にも悪い大山正紀がいて、その正紀は本当の自分を殺して、他の大山正紀となって生きていけるのか?誰か真相を暴いて欲しいと思います。

  • 同じ名前だから読んでいて、かなりややこしくイメージしにくかったけど、
    それを軽々超える何度も何度もひっくり返してくる巧妙なストーリーだと思います。

    さらにストーリーの面白さだけでなく、SNS社会の現在へメッセージも込められているのが、すごすぎる。

  • 面白かった!
    エンタメ小説なのだが、社会問題を正面から扱っているので深みもある。
    計算し尽くされた著者の策略にハマって何度も「えっ!そういうことだったの!」となったことも快感ですらあった。

  • パズルを組み立てる達成感のあるストーリーに
    バラバラにされる喪失感を含んだ物語でした。

    びっくりしました。

  • 幼女を無残に殺した殺人犯は16歳の高校生。未成年がゆえ実名は伏せられていたが、ネットで実名「大山正紀」と晒される。世の中の同姓同名の「大山正紀」の生活までもが一変していく。同姓同名だからって友人まで去ってしまうものかと不思議に思った。登場人物がほとんど「大山正紀」なので混がらがらないように慎重に読んだ。ネットでの晒し、ネット警察など狂気を感じるものもありました。最後は納得できた。

  • どの大山?と混乱しながらも、読み応えがあって一気に読み終えた。
    オチが見えたと思いきやひっくり返されて、何度も不意をつかれた。
    匿名性によるSNSがある限り、正義を振りかざしているつもりの攻撃はなくならないのかな…。踊らされずにしっかり自分を持っていたい。

  • 最後の最後まで油断できません。
    「大山正紀」っていう言葉や、人がたくさん出てきて整理するのが大変だったけど、謎解きしているみたいですごく面白かった。
    もし自分がその立場だったら…と考えると怖すぎて想像もしたくないくらい。
    どんでん返し?という訳でもないが、ミステリー好きとしても全く予想ができない展開でハラハラドキドキしました。一気読み必須!

  • 設定としては面白いし、今のネット社会の闇がリアルなんだけど、なんせ分かりにくい。そしてこの本から「大山正紀」って字を削除したら3分の1くらいはページ減るんじゃないかと思うほど名前の連呼が読みづらい。え?結局?誰がどれで要は犯人は?って集中してないと物語を追えない。思い込みも暴走も本当に起きてもおかしくないような話。

  • 総勢何人?の同姓同名者が登場するのか、途中で分からなくなる程斬新な設定に、終盤は人物関係が追いきれなくなってしまった。
    このストーリーの中で、著者が意図したかったことは、社会を挙げて一人を悪とし、正義(に思えること)を声高に発信する現代の風潮に一矢を放つことだったのではないか。SNSでの発信が容易にできる現代の特徴を、この斬新な設定の中で描いた点はとてもおもしろいと思った。
    「許すことを許さない時代です」(p359)というフレーズに頷いた。

  • 力作である。少女を狙った殺人事件。犯人の名前が知られるやすぐに世間の矛先は同姓同名の「彼ら」に向けられる。
    この同姓同名を使った展開が実に上手くてイッキ読みしてしまった。謎が謎を呼び、サスペンスは加速していく。
    もちろん下村は社会派的な視点も忘れていない。SNSに蔓延る「正義の人」、これについてもきっちりと鋭い刃のようなメッセージを飛ばしてくるのだ。我々が生きる現代の病巣を深く抉るミステリの快作である。

全168件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下村敦史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×