- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344425125
感想・レビュー・書評
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2015年本屋大賞5位
PKOでジブチに派遣された自衛隊が民族紛争に巻き込まれる話。しかし、その背景には…
冒頭から最後までスリリングな展開。「ハラハラ、ドキドキする本知らない?」と聞かれたら、まずオススメできる本だと思う。
設定の勝利とでも言うべきか…
日本推理作家協会賞受賞作でもあるようだが、これ推理小説なのかしら?w -
ジブチに派遣されていた陸上自衛隊がソマリアの部族間の抗争に巻き込まれ、孤立無援で絶対的に不利な状況の中、戦いを繰り返しながら拠点への帰還をめざすストーリー。部族間の抗争と言ってもなまやさしいものではなく、皆殺しを狙う世紀末な感じの荒くれ者と自衛隊員たちの戦闘はハードに描写されています。
あまり前置きめいたものはなく、冒頭からいきなり本筋の話が始まって、そこから非常に疾走感のあるストーリーが展開していきます。「一気読み必至の」というのは間違いではないかと。
著者の作品は「機龍警察」に続いて2作目ですが、本線のストーリーに登場人物の過去のエピソードを織り交ぜて展開していく手法は同じで、効果的に感情移入できます。
かつ、自衛隊という存在の難しい立ち位置や、自衛隊内での歪みといった要素を上手く盛り込んでいて、単なる一気読み小説にとどまらない作品となっています。
ちなみに、本著の参考文献でもある「謎の独立国家ソマリランド」は以前読んだことがあり、本著で描かれているエリアも、ソマリアでもジブチに接したソマリランドにあたるようですが、なにぶん地図がないので文章だけではイメージが掴みづらかったです。まぁ地理関係がストーリーの本筋ではないのですが。
しかしソマリアの部族抗争って、ホントにこんな感じになるんでしょうか。本著なりの抗争が激しくなった事情が描かれてはいますが、あまりに残忍すぎるような感も。
こういった小説をちょこちょこ挟みながら読書していきたいです。ちなみに、解説はネタバレなので先に読まない方がベターかと。 -
機龍警察が面白かったので、他の作品もってことで。
SFや時代物と違って現代の紛争を題材にすると重い・・・
まぁチョっと時代や世界を変えればよくある話ってなっちゃうんだと思うけど。 -
自衛官の死を美化しているような記載が多く、あまり共感できなかった。
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本書の舞台ソマリアではないが、2017/02/09 - 南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に当たる陸上自衛隊が現地情勢を伝える日報で「戦闘」があったと報告した問題で、稲田防衛相が「戦闘行為なかった」と隠ぺいした。
この小説は2014年2月号から2014年8月号にかけて雑誌『papyrus』に連載されたものである。3年を経て小説が現実味を帯びてきた。なぜ、戦闘行為を隠ぺいするのかはご承知の通り、憲法9条が禁じる海外での武力行使に直結するからなのだ。このタイミングで本書を読んで更に問題の深刻さを知る。 -
色んな人がどんどん死んでいくが、生きるか死ぬかドキドキの展開でどんどん読み進めちゃう