土漠の花 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 918
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425125

感想・レビュー・書評

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  • 一気読みできる本でした。
    登場する自衛隊員を美化し過ぎな感もありますが、エンターテイメント小説としては面白かったし変な後味の悪さもなかった。
    人の生き死にが描かれる戦闘シーンがある為好き嫌いは分かれるが、そこをクリア出来れば楽しめる本だと思う。

  • 2015年本屋大賞5位
    PKOでジブチに派遣された自衛隊が民族紛争に巻き込まれる話。しかし、その背景には…

    冒頭から最後までスリリングな展開。「ハラハラ、ドキドキする本知らない?」と聞かれたら、まずオススメできる本だと思う。
    設定の勝利とでも言うべきか…
    日本推理作家協会賞受賞作でもあるようだが、これ推理小説なのかしら?w

  • この人の本読むのは恐らく初めて?
    なんか重そうな気がしてちょっと躊躇していたのですが。
    確かに重いのだけど、救いがある本でした。様々な登場人物の生き様が感動的に描かれていてとても良かった。これを機にまた読んでいきたいと思った。そういう作者さんが増えて嬉しいです。

  • ジブチに派遣されていた陸上自衛隊がソマリアの部族間の抗争に巻き込まれ、孤立無援で絶対的に不利な状況の中、戦いを繰り返しながら拠点への帰還をめざすストーリー。部族間の抗争と言ってもなまやさしいものではなく、皆殺しを狙う世紀末な感じの荒くれ者と自衛隊員たちの戦闘はハードに描写されています。
    あまり前置きめいたものはなく、冒頭からいきなり本筋の話が始まって、そこから非常に疾走感のあるストーリーが展開していきます。「一気読み必至の」というのは間違いではないかと。

    著者の作品は「機龍警察」に続いて2作目ですが、本線のストーリーに登場人物の過去のエピソードを織り交ぜて展開していく手法は同じで、効果的に感情移入できます。
    かつ、自衛隊という存在の難しい立ち位置や、自衛隊内での歪みといった要素を上手く盛り込んでいて、単なる一気読み小説にとどまらない作品となっています。
    ちなみに、本著の参考文献でもある「謎の独立国家ソマリランド」は以前読んだことがあり、本著で描かれているエリアも、ソマリアでもジブチに接したソマリランドにあたるようですが、なにぶん地図がないので文章だけではイメージが掴みづらかったです。まぁ地理関係がストーリーの本筋ではないのですが。
    しかしソマリアの部族抗争って、ホントにこんな感じになるんでしょうか。本著なりの抗争が激しくなった事情が描かれてはいますが、あまりに残忍すぎるような感も。

    こういった小説をちょこちょこ挟みながら読書していきたいです。ちなみに、解説はネタバレなので先に読まない方がベターかと。

  • 機龍警察シリーズが非常に気になっているが、読むととことんハマりそうでちょっと手を出しあぐねている月村了衛。なのに、ひょんなことから、こっちから手を出してしまうとは…

    海外派遣されている自衛隊員が、お姫様を助けて7人の侍をやる。

    簡単に要約してしまうとそういうアクション小説だが、スピード感・迫力・人物描写ともに超一流。手に汗握り、ページ繰る手を休ませない上質の冒険小説に仕上がっている。特に迫真の戦闘シーンは素晴らしい。

    奇しくも、与党の圧倒的勝利で終わった衆議院の選挙。直後のタイミングで読了したこの作品に描かれる「自衛隊員の海外における戦闘行為」というのは憲法9条に抵触する。
    だからこそ余計に作品に漂うヒリヒリ感が際立っていたようにも思う。

  • 機龍警察が面白かったので、他の作品もってことで。
    SFや時代物と違って現代の紛争を題材にすると重い・・・
    まぁチョっと時代や世界を変えればよくある話ってなっちゃうんだと思うけど。

  • 自衛官の死を美化しているような記載が多く、あまり共感できなかった。

  •  本書の舞台ソマリアではないが、2017/02/09 - 南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に当たる陸上自衛隊が現地情勢を伝える日報で「戦闘」があったと報告した問題で、稲田防衛相が「戦闘行為なかった」と隠ぺいした。

     この小説は2014年2月号から2014年8月号にかけて雑誌『papyrus』に連載されたものである。3年を経て小説が現実味を帯びてきた。なぜ、戦闘行為を隠ぺいするのかはご承知の通り、憲法9条が禁じる海外での武力行使に直結するからなのだ。このタイミングで本書を読んで更に問題の深刻さを知る。

  • 色んな人がどんどん死んでいくが、生きるか死ぬかドキドキの展開でどんどん読み進めちゃう

  • お姫様を連れて、敵から逃げて、基地に戻った。
    ざっくりいうとただそれだけの話。しかし面白かった。

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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