わたしたちは銀のフォークと薬を手にして (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429666

感想・レビュー・書評

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  • 島本さん本をもっと読もうと思った本

  • 難しい病を抱えた彼とのお付き合い。
    大人の魅力が伝わってきてステキだった。

    お酒や美味しそうなお料理がたくさん出てきて、読んでいる最中にお腹が何度も鳴っちゃいました(笑)

  • 控えめで仕事熱心な知世は、年上の椎名さんとたまに食事に行く仲。
    彼に惹かれていく知世に椎名さんは自身の秘密を打ち明ける。

    誠実すぎるが故に臆病になってしまう椎名さんと、戸惑いながらも彼の全てを受け入れていこうとする知世。
    一人でいれば、煩わしさも葛藤もないけれど、誰かと生きるからこそ得られる幸福感を二人から強く感じた。

    食べること、旅すること、何気ない日常の中で、同じ時間を共有して生を重ねていく尊い日々。
    二人の静かで穏やかな、何より「こうふく」な日々がこれからも続いていきますように。

  • もしかしたら一緒に焼き鳥が食べられるって、一緒に生きていけるくらい大きなことなのかもしれない。

    たくさんのよけいなことを考えて、いくつもの現実をこなさなければならない。私たちは、そういう生き物だ。

    どこへも行ける孤独だってあるだろう。だけど、どこへも行けない孤独だってあるんだ。

    1人だって生きられる。だけど2人が出会ったことで、お互いやまわりまで変えるほどの波がどこまでも広がって打ち寄せていくのだ。

  • 知世ちゃんと、彼女を囲む人たちのお話。一人ひとりの想い、葛藤、価値観、選択、行動が密に描かれており、とりわけ椎名さんと知世ちゃんのやりとりは 大事に慎重に2人の繊細な関係を育んでいく様子が綴られており美しい。誰しも人には見えない悩みや棘を抱えていて、見えないからこそ他人に嫉妬したり求めたりしてしまうんだろうな。章で語り手が変わるので これは誰だっけ、となりながらも、最後はまあるく着地できる温かい小説。(なにより美味しいものの描写が素敵!)

  • 久しぶりの島本理生さん。
    食べ物とお酒がよーく出てきます。
    生しらす丼、食べたい。
    知世ちゃんみたいなタイプは結婚早そうなのに!そうでない理由。
    自由奔放でわがままな妹も妹なりに考えてます。
    女子への応援歌みたいな小説でした。
    椎名さんの病気は、この病気でなくても良かったのでは?と思うけど、やっぱりインパクトは絶大です。

  • 主人公の心情の描写だけでなく、周りの人の心情の描写、葛藤、自分なりの折り合いのつけ方の描写が素晴らしいです。何が大切なのか、何が不満なのか、その不満に対してどう付き合っていくのか、もしくはかわしていくのか、それぞれの登場人物が結論に行きついてそれでも生きていく様が素晴らしいです。また日を置いて必ず読み返したい。

  • 久しぶりに「当たりを引いた!」と思えた小説。

    難病を抱える椎名さんと出会う知世を中心とした物語。
    もし自分が出会った人が不治の病だったら。
    その病をまるごとひっくるめて好きになれるのか。
    女性の強さと、そんな強い心を揺るがす恋を描いた物語。

  •  これはもう、かなり大人な恋愛小説ですね。若いカップルの瑞々しさを描いた純愛ものとは全く違います。でも、これ見よがしの熱愛、ドラマチックさ、高揚感もなく、ハイ、ごちそうさまでした! という印象はありません。ですが、絶対女性ウケすること請け合いの優しい物語だと思います。

     30歳独身OL・知世を中心に、仕事や恋愛・結婚観などの心情がとてもリアルで、感情の揺れが丁寧に表現され、日常の一コマとして落とし込まれています。
     そんな知世が、年上でバツイチだけど親しみやすい椎名さんと食事の逢瀬を重ね、間もなく病気をカミングアウトされ‥。
     病気や彼の過去について、戸惑いながらも食事や旅を通して、椎名さんとの時間を大切に親密にしていきます。

     途中、気の合う友人2人、反りの合わない妹の異性関係の章があり、異性や生き方などの〝人それぞれ感〟が挟められることで、知世の地道で丁寧な生き方が対比・強調され、共感し後押ししたくなる感情が湧き出てきます。
     更には椎名さんの前妻とも希望して話をしながら、自分と2人の在るべき理想像を見付け、形作ってゆく過程の描かれ方が温かく丁寧ですね。

     男女の付き合いやに正解がないのは当然ですし、本書でそれを提示している訳ではありません。でも、人と人とが出会い、2人の関係を形作っていくのは(面倒くさいことも多々あるけれど)やっぱり素晴らしいことだと、改めて感じさせてくれる良質な物語でした。

  • 仕事で出会ったバツイチで年上の椎名さん。
    知世は妹や母親とあまりうまくいってない関係。

    椎名さんみたいな考え方が大人な人でなければこんな風に知世とうまくはいかないのだろうな

    2人がちゃんと話しができていてうまくいきそう でも家族の説得は難しいだろうと思ってしまった

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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