リボルバー (幻冬舎文庫 は 25-7)

著者 :
  • 幻冬舎
3.87
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本棚登録 : 4486
感想 : 206
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344433069

作品紹介・あらすじ

パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。だが持ち主は得体の知れない女性。なぜ彼女の元に? リボルバーの真贋は? 調べを進めるうち、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。傑作アートミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • いったい何処から何処までがフィクションなんでしょう?!笑
    小説家であり、美術史を学んだマハさんならではの作品です
    それはまるで、裏付ける証拠が知られていない空白に、新ネタを付け加えたり、世間的なイメージを変えたりして、自分で想い描いた絵を描き上げたまさにマハさんのアートの様でした

    パリの田舎の畑で、ゴッホと好敵手であったゴーギャンのお洒落でミステリアスで知的で手に汗握る展開
    そして物語全体は、マハさんの二人への愛が詰まった仕上がりとなっていました
    誰にも支持されず、自由に描き、タブローの新しい地平を拓いたゴッホとゴーギャンは、幸せだったのではないだろうかという強く願う気持ちが伝わってきます

    主人公は、オークションハウスに勤める美術史研究者の冴
    オークションハウスにサラが持ち込んだ謎のリボルバーを『ゴッホの謎の死』に絡ませ、ゴーギャンの人生を中心に追いながら、ゴッホとゴーギャンの間にある濃厚な時間を描いています

    マハさんが描いた物語はどんな内容なのでしょう。。。

    因みに『たゆたえども沈まず』はゴッホ中心の話です
    それを読んでから本作品を読んだので、すんなり入って行けました

    • harunorinさん
      ハピアワさん、おはようございます(*´꒳`*)
      マハさんの新作、堪能されたようですね。
      ゴーギャンのお洒落でミステリアスで知的で手に汗握る展...
      ハピアワさん、おはようございます(*´꒳`*)
      マハさんの新作、堪能されたようですね。
      ゴーギャンのお洒落でミステリアスで知的で手に汗握る展開というレビュー、凄く気になります!
      今日も暑いですね。ではまた
      2023/08/22
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      haruさん、こんにちは〜

      はい、解説の言葉を少々拝借させて頂きましたあー笑
      読んでいても本当にそんな感じでしたよ

      今日もムッとするこの...
      haruさん、こんにちは〜

      はい、解説の言葉を少々拝借させて頂きましたあー笑
      読んでいても本当にそんな感じでしたよ

      今日もムッとするこの空気、厳しいです
      涼しい室内で読書しているのが一番ですね(^з^)-☆
      2023/08/22
    • harunorinさん
      ハピアワさん、こんばんは(*´꒳`*)
      お返事ありがとうございます。
      自分の感じたことが的確に言語化されていると、嬉しくなりますよねー おか...
      ハピアワさん、こんばんは(*´꒳`*)
      お返事ありがとうございます。
      自分の感じたことが的確に言語化されていると、嬉しくなりますよねー おかげさまで本作も読みたいリストの優先順位が上がりました!
      予報どおりとはいえ、もはや気候は亜熱帯ではと思ってしまいます。しかも不快指数高めの…
      なるべく快適な環境で読書を楽しみたいですね。ではまた
      2023/08/22
  • パリのオークション会社CDCに、ゴッホの自殺に使われたというリボルバーが持ち込まれ、CDCの社員でゴッホとゴーギャンを専門に研究している冴が、事実関係を調査していくアートミステリー。

    ゴッホとゴーギャンの関係や、それぞれの私生活も描かれるが、次第に史実に基づく部分と、本作品ならではの奇想天外な部分の境目がわからなくなるくらい、話にぐいぐい引き込まれた。
    こんなストーリーを思いつくなんて、原田マハはスゴい!

  • ザ・原田マハと言えるような作品でした。
    画家やそれを取り巻く人々の激しい感情が迸るやり取りをまるで傍で見ていたかのように臨場感たっぷりに描き、原田マハの真実を作り上げていました。
    膨大な知識があるからこそなのだろうなと思います。
    ゴッホとゴーギャンの作品を見にパリに行きたくなりました。

  • それぞれの独白から一気に世界観に入れました。ゴッホとゴーギャンの絵見たくなりました。

  • 原田さんのゴッホへの思いの深さは底知れない。「ゴッホのあしあと」、「たゆたえども沈まず」を先に読んでいた。

    本作品は文庫化されたのを機に購入。すでに原田さんの緻密な資料調査、知りたくなった経緯、そして、原田さんの解釈によるゴッホとその弟、日本の浮世絵、薄いガラスのような過敏な精神状態、アルコール臭、そしてゴーギャンの存在。読む前からすでに頭の中に入っていた(つもり)。

    さて、どのようなストーリーが待ち受けているのか?身構えながら読み始めた。

    もちろん「ゴッホのあしあと」は原田さんご本人の視点で書かれたエッセイであり、気の遠くなるような調査に基づいて、「たゆたえども沈まず」を書かれた背景や様々な解釈、関わりのある土地の現況が描かれている。作品のバックグラウンドや原田さんのモチベーションがわかる。

    そして、「たゆたえども沈まず」の作品自体では主に日本人画商の視点でゴッホの作品が世に出てきた歴史的な背景や浮世絵が与えた影響、ゴッホ自身の一生等が素晴らしい筆致で描かれていた。恐らく私のゴッホに対する印象が形作られたと言える。(すでに私のゴッホは原田さんの作品そのものだろう)

    それら過去の作品の中でも謎に包まれていたゴッホの死。そしてその背景。その核心をゴッホを撃ち抜いたリボルバーを中心に、ゴーギャンとの関係を織り交ぜながらオークショニストの視点で創作しておられる。

    これまでの綿密な調査を存分に生かしている作品だと思った。

    どちらかというと中盤までは歴史的な検証がストーリーの中心だったけれど、特に最後の3章は原田さんならではの創作が光っていたと思う。心が鷲掴みにされてしまった。とても面白かった。

    しかし、読みながら知らない言葉や絵を、ついついググってしまうのは私の至らなさ。

    ほぼ1日で一気読み!

  • 美術に疎く、ゴッホについて知っていることといえば、生前は絵が売れず、死後、歴史に名を残す画家として認められたこと。
    そして、自分の耳を自ら切るという事件や拳銃自殺というエキセントリックなエピソードです。
    もし生きている時に絵が認められていたら、ゴッホは貧困に苦しむことも孤独にさいなまれることもなかったのではないかと、これまでは思っていました。
    でも、その考えは単純すぎました。
    ゴッホにしろ、ゴーギャンにしろ、苦労も苦悩もしているけれど芸術家として新しい表現を純粋に追及し続けたことは幸福だったのかもしれません。
    ゴッホとゴーギャンについてほとんど知らずに読んだので、新鮮な驚きがありました。
    でも、もっと知識があれば更に興味深く面白く読めたのだろうなと思いました。

  • おもしろかったけど、★3.5くらいで!
    ゴッホの死を巡るリボルバーの話。
    美術史についてはまったく知識がないけど、ゴッホの死とゴーギャンを絡めているのはフィクション感が強いのは否めないかなぁ。

    かなり詳細に美術について触れてるから、途中はなかなか読むのが大変だったけど、そういうところはサラッと流して読めばよかった。
    ゴッホの死について冴とともに巡る作品だけど、暗さはあまりなかった。
    イッキ読みがいいと思います!!

  • 原田マハさん初めて読みました。
    とても読みやすくて面白かったです。
    フィクションという事ですが、どこまでが作られた話しで、どこが事実なのかわからないほど信憑性のあるような話しの作りで引き込まれました。
    美術史、芸術、ミステリーと1つの作品に様々な要素が含まれていてとても良く出来ている小説だなと率直に感じました。また原田マハさん読んでみたいと思います。

  • 途中まで全然自分にはまらなくて読了できるか不安だったがゴーギャンの子孫が出てきてゴッホに対する嫉妬などその辺りから面白くなってなんとか最後まで読めました。美術館に行きたいです。

  • 【ザックリ概要】
    パリのオークション会社に勤務しながらゴッホとゴーギャンを研究し続けている主人公、高遠冴。小さな会社でもやりがいを感じながら忙しく働く中、画家を名乗る女性が一丁のリボルバーと共に訪ねてくる。彼女曰く『ゴッホを撃ち抜いたリボルバーだ』と言う。
    本当にゴッホを撃ち抜いたのか?ゴッホはどのように死んだのか?ゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく、アートミステリ。

    【おすすめポイント】
    ①まるで目の前に絵画があるような錯覚を起こしてしまう…作者の絵に対する表現がすごい!
    ②後半、視点が変わりながら真相が明らかになっていくため、ゴーギャンの気持ちに深く共感しながら読み進められる

    【感想】
    帯にあった『誰が引き金を引いたのか?』の一文に心を撃たれ、読み始めた本作品。思っていたよりも淡々と進んでいきましたが、緩急が無いからこそ、文字を通して絵画の世界を楽しむことができたのだと思います。

    芸術家に限らず、世界的な才能の持ち主は短命且つ精神を病みやすいけれど、だからこそ常人ではたどり着けない『彼方』に行けるのだと感じました。

    本作は『あくまでもフィクション』だそうで、ゴッホとゴーギャンが本当にこんな関係性だったら良かったのになぁ…って考えてしまいました…

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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