Re-born はじまりの一歩 (実業之日本社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550183

感想・レビュー・書評

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  • はじまりの一歩とあるように、前向きな雰囲気で終わる作品の多い短編集。

    よろこびの歌
    母がバイオリニストで自分も音楽家になるんだと思っていた娘の話。自分には才能がないと気付いて、何も起こらない高校生活を送っていたのだが、高校3年の合唱コンクールの指揮をすることになって、、、 歌のはじまるところを確かに見た。というのがいいね。

    あの日の二十メートル
    おじいさんに水泳を教える大学生。いくつになっても挑戦するってすごい。2人の心の交流がよい。

    ゴーストライター
    兄へのラブレターを代筆する話。商店の息子として生きていこうとする次男と、両親と何だか合わない長男。兄と弟の本音の合流がよい。

    コワリョーフの鼻
    鼻にまつわる話。

    会ったことがない女
    女が乗りうつる、ちょっとこわい。

    瞬間、金色
    中学時代、ともにいじめられた、親友。
    そんな親友の出産。中学時代や高校時代を振り返りながらのお話し。

    残り全部バケーション
    既読。だけどあんまり覚えてなかった。
    今日で家族解散の家族と、ちょっと悪いお仕事をしてきた男の話。男が友だちになろうよと適当な番号にメールを送ったことから始まる交流。伊坂幸太郎はちょっと悪い仕事をしている人間を書くのがうまい。

  • 残り全部バケーションは久々に読みましたが面白かった。

  • みなさんと同じく、イササカ先生目当てで購入( ´ ▽ ` )ノ。
    他の作家さんは名前さえ知らない人ばかり……かろうじて聞き覚えがあるのはナカジマくんくらい(´ェ`)ン-…。

    でも、正直イササカ先生以上に他の方々の作品のほうが面白かった( ´ ▽ ` )ノ。
    特に最初の三本にはガツンとやられた( ´ ▽ ` )ノ。
    純文学でもミステリーでもファンタジーでもない、ああいうストレートな小説という分野があることすらすっかり忘れ果てていたので、至極新鮮な感動を受けた( ´ ▽ ` )ノ。
    強いて言えば、児童文学の大人版? 人情時代劇の現代版?……NHKラジオの朗読の時間で取り上げられそう(というか、たぶんもうやったんじゃないか?)( ´ ▽ ` )ノ。
    いいな、熱いな、ピュアだな( ´ ▽ ` )ノ。
    走れ少女!
    教えろ青年!
    書け弟!
    みんな応援したくなる( ´ ▽ ` )ノ。

    一方、4本目以降は……(´ェ`)ン-…。
    ナカジマくん、なんだあれ? 半分以上ひとの本からの引用じゃん……(´ェ`)ン-…。
    手先だけで書いたみたい……(´ェ`)ン-…。
    煙に巻かれたというか、バカにされたというか、後味は良くない……(´ェ`)ン-…。

    多重人格の話は、思いつきのアイディアの域を出ず……(´ェ`)ン-…。
    エロが邪魔なんだな(´ェ`)ン-…。
    かなり異常な形のエロゆえ、どうしても素直にストーリーを受け入れられない、のかも?(´ェ`)ン-…。
    特に、同じく老人男性が登場する「二十メートル」と比べると、なあ……(´ェ`)ン-…。

    DQN少女の話はよかった( ´ ▽ ` )ノ。
    ああいうのは苦手なんだけど、生臭いところを巧妙にヘッジしてるから、サラッと読めた( ´ ▽ ` )ノ。
    タイトルの付け方も、うまい( ´ ▽ ` )ノ。

    イササカ先生のは、まあ、いつも通りのやつだね( ´ ▽ ` )ノ。
    最初の三本みたいな好直球と並べられると、どうもこういう変化球は一段格下に見えてしまうけど……(´ェ`)ン-…。


    全体として、「再生」というテーマに忠実なのは半分くらい?ゆえ、ちょっと残念な感(´ェ`)ン-…。
    イササカ先生の作品は特に再生っぽくないけど、あれがなければ本書を手にすることは絶対なかったわけだから、まあいいや( ´ ▽ ` )ノ。


    いろいろ書いたけど、ぜんぶスラスラ読めて、新鮮な発見が多くて、じゅうぶん楽しめた( ´ ▽ ` )ノ。
    作品によって好き嫌いがあるのは、アンソロジーの宿命だから仕方ない( ´ ▽ ` )ノ。
    類書に比べれば「当たり」が多かった( ´ ▽ ` )ノ。

    2016/09/23

  • 文庫になったので購入。
    アンソロジーは、読んだことのない作家に出会えるチャンスである。
    この中で読んだことがなかったのは、福田栄一、瀬尾まいこ、中島京子、平山瑞穂。
    瀬尾さんは雑誌「ダ・ヴィンチ」でエッセイを読んだことがあったかなあ。今ひとつピンとこないと思っていたが、やはりそうであった。短編だから読める、というところはあると思う。
    福田さんの「あの日の二十メートル」は思いの外よかった。
    豊島ミホさんの「瞬間、金色」は痛くて痛くて涙が出た。この人の描く思春期の少年少女たちはどうしてこうも痛々しいのだろう。
    伊坂さんは、大変「伊坂」っぽかった(笑)。おなじみの低体温な感じ。でもこういう展開は嫌いじゃない。

    帯には「だいじょうぶ。もう一度生まれ直す力があなたにもある」と書いてあるが、そういう力強さを感じさせる作品はなかったように思うなあ。そういう世代なんだろうか。

  • よろこびの歌(『コイノカオリ』宮下奈都)
    あの日の二十メートル 福田栄一
    ゴーストライター『「戸村飯店青春100連発』の原型 瀬尾まいこ)
    コワリョーフの鼻 中島京子
    会ったことがない女 平山瑞穂
    瞬間、金色 豊島ミホ
    残り全部バケーション 伊坂幸太郎

    7人の作家によるReborn(再生)を題材にしたアンソロジー。
    おもしろいものも、なかなか入り込めないものもあった。伊坂幸太郎さんと瀬尾まいこさんはやっぱりおもしろい…!残り全部バケーションも戸村飯店も読んだことあったけれど、もう一度読みたくなったのですぐ予約(笑)

    読み終わって、「これって何のアンソロジーだ?」ってなって「Reborn」といえば「Reborn」な気もしたけど、全然意識してなかったからバラバラの短編集って感じだった。

  • あの日の二十メートル
    残り全部バケーション
    面白かった

  • 十年以上前に本屋平積みにされているこの本を手に取った。シンプルな表紙デザインとタイトルに惹かれた。
    今回、図書館でまたタイトルに惹かれて手に取った。内容はすっかり忘れていた。
    十数年前も今回も私自身Rebornしたかったのだ。なんだか成長しておらず、変わっていない自分に苦笑してしまう。
    今回の私は以下の2作がお気に入り。また数年後のRebornを、望む私はどんな感想を持つだろうか?
    ◆豊島ミホ「瞬間、金色」
    ◆伊坂幸太郎「残り全部バケーション」
    20230611

  • ゴーストライターが面白かった

  • 何かを始める主人公たちの短編集。
    中でも宮下奈緒さんのよろこびの歌が好きでした。
    有名な作家さんの書いた作品に沢山触れられる一冊です。

  • よろこびの歌 宮下奈都
    あの日の二十メートル 福田栄一
    ゴーストライター 瀬尾まいこ
    コワリョーフの鼻 中島京子
    会ったことがない女 平山瑞穂
    瞬間、金色 豊島ミホ
    残り全部バケーション 伊坂幸太郎

  • タイトル「Re‐born」の通り、「再生」がテーマの短編集。

    7人の作家さんの短編集なので、色々な作風を楽しめます。

    既読の作家さんは、瀬尾まいこさん、伊坂幸太郎さんのみ。

    どちらも個性が感じられる作品でした。

    瀬尾まいこさんは、『戸村飯店 青春100連発』の原型となっている短編だそうです。

    未読の作家さんでは、福田栄一「あの日の二十メートル」が良かったです。

    志望していた大学からは遙かにランクの落ちる大学に入学したばかりの主人公。

    授業もサークルも思い描いていた大学生活からはかけ離れていて、大学に行く気も起きず、市民プールに通う毎日を過ごしていました。

    市民プールで、80過ぎのおじいさんに水泳を教えることになり、自分自身にも変化が…

    内容がストレートで分かりやすくて良かったです。

  • 伊坂幸太郎好きで手にとりましたが、
    中島京子の鼻にまつわる話が面白かった!
    このハッピーでユーモアのある緻密な妄想ワクワクワールド大好きです。
    こんな話が他にもあれば読みたい!

  • 7人の作家によるアンソロジー
    「あの日の20メートル」大学生活に疲れた青年が一人の老人に水泳を教える話、少し距離をとった2人の交流が少しずつあたたかく明るくなるようでよかった。
    「コワリョーノフの鼻」なんだかんだと周りくどくめんどくさいけどラブラブ夫婦の話でした。
    伊坂幸太郎の「残り全部バケーション」と瀬尾まいこの「戸村飯店」は別に一冊ちゃんと読んでみる予定。

  • 瀬尾まいこさんの話が基本的に大好きなので、今回も安定の良さでした。
    あの日の二十メートルもよかったです。
    (個人的な好みでは登場人物が亡くなるのがいただけないですが...)
    前半作品3つが、どれもよかったです。

  • 伊坂幸太郎/瀬尾まいこ/豊島ミホ/中島京子/平山瑞穂/福田栄一/宮下奈都
    珍しく、全員読んだことある人ばかりのアンソロジー。
    だけでなく、伊坂と瀬尾は後に単行本に納められた奴の方を既に読んでますw
    そういう意味では新味ゼロですが、基本ちょっと前向きな短編ばかりなので、暗くなりそうなのは嫌なんだよね、という時にはよいラインナップ。(豊島さんのはちょっと痛々しい部分があるけど、そこは豊島さんだからしょうがない)
    どかんとスッキリはしないんだけど、自転車の重いペダルを頑張って踏めたら、ヘロヘロだけど倒れず進めた!くらいの小さなスッキリが楽しめます。

    カバーデザイン・本文デザイン / bookwell

  • 様々な作家がちょっと物悲しいトーンで登場人物たちの新たなスタートを切ることになるショートストーリーを書いている。

    特に福田栄一氏の「あの日の二〇メートル」と平山瑞穂氏の「会ったことがない女」が印象深かった。双方ともに年配の登場人物が若い頃に後悔していることを何らかの形で清算しようとしている。こんな話が心に響くのは自分も年とってきたのだろうか。

    特に「あの日の二〇メートル」で水泳を習おうと思った理由:若い頃に水難事故で兄を亡くし、その事故をやく一〇メートル先で見ながら助けられなかった事、そのため往復二〇メートルを泳げるようになりたかったこと、同じようなことが今一度目の前で起きた時に同じ過ちを繰り返したくない事が心に響いた。

  • 図書館で。アンソロジーってあまり合わないなぁ。
    読んでいてどれがどのお話だったか結構こんがらがってしまいました。残り全部バケーションは長編で読んだなぁ。ナントカ飯店ってのは美味しそうなので今度読んでみようかな。

  • 文庫本で再読。
    読んだのが遥か昔で、だいぶ忘れていた。

    瀬尾さん伊坂さんはいつ読んでもやっぱりいいけど、今回は福田さんのが心に沁みた。

    「私はこれまで、後に悔いを残さないような生き方を心がけてきました」
    こう言える大人でありたい。

  • 160327読了。
    あの日の二十メートルがよかった。

    残り全部バケーションも面白かったが、やや不完全燃焼。

  • 福田栄一さん「あの日の二十メートル」が一番よかった。7編それぞれに味がある。Re-bornの物語たち。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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