- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784422100517
作品紹介・あらすじ
社会人として身につけるべき人間関係の原則を具体的に明示して、あらゆる自己啓発本の原点となった不朽の名著。
感想・レビュー・書評
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人を動かす。人間関係に関する世界的なロングセラー作品だ。国内430万部、全世界1500万部超というから凄いもんだ。
東条健一訳の新刊の方を先に読んだが、面白かったので別の訳でも読んでみようと手に取ってみた。
題名からは、上から目線で人に命令したり指図するようなイメージがまとうが、内容は全く違う。
むしろ逆。自らの言動、振る舞いを改善していくことで、「人(の心)を動かす」というのがテーマだ。
しかも90年近く前に刊行されていながらも色褪せないていない。
個性や多様性の重要性が声高に叫ばれる現代にこそ読まれるべき名著。心の機微や侘び寂びを重要視する日本人の精神性にもマッチしており、組織のリーダーやマネージャーを担っている人にはぜひおすすめしたい一冊だ。
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目次に書かれている原則を読むと、基本的な言葉が並んでいるが、この基本が難しい。
私の周りにいる、感じの良いママ友・人望がある上司・生徒から好かれていた先生‥、共通してこの基本の原則を自然と行っていた気がする。
いきなり全ての原則を網羅できないが、まず2つを実戦してみようと思う。
①人の名前を覚える。会話の際、名前で呼びかけるよう意識する。
②命令口調を使わない。(私の場合は、子どもに対して意識しよう)
悪い例
・あれしなさい。これしない。
良い例
・こう考えたらどう?
・これでうまく行くかな?
・これでどう思う?
・もし〇〇をしてくれたら、
△△が楽になるけど、どうかな? -
大学生の時に読みました。
人生の岐路に立つ人間として
この本から沢山のことを学びました。
人生で読んでほしい本ナンバー1です。 -
先日、『マンガで読み解く人を動かす』を読了し、原著もしばらく読んでいなかったので、久しぶりに再読しました。
今までに何度も読んでいますが、いつも気づかされることがあります。忘れてしまっていることや、今だから心に響くこと。理解はしているつもりだけど、できていないこと。
中でも心に響いたのは、シュワッブの言葉で、『他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られることほど、向上心を害するものはない。』というところ。家庭でも職場でも、忘れないようにしたいと思います。
また、有名なエピソードですが、『父は忘れる』。いつ読んでも感動、そして反省。息子にとって、いつもいい父でありたい、そう思います。 -
名著中の名著。
若かりし頃にも読んだが、最近読み返して新たな発見あり。
手元に置いて読み返したい本の一つである。
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世界的名著と言われる作品ですが、タイトルの「人を動かす」というよりも、人生を豊かにするための他者とのコミュニケーションの心得と捉えると良いと思います。あくまでもコントロールできる自分の振る舞いにフォーカスを当てています。
とてもわかりやすく新卒から管理監督職など仕事をしている人にも、また家族や友人との関係などプライベートなつきあいにも役立つ示唆に富んだ本だと思います。オススメ! -
ブクログでみかけて。
こういった指南書にはよく紹介されているいまでは一般的な手法も多いけど、実例やそれによってもたらされた成功の書き方がうまく「よしやってみよう」という気持ちにしてくれる。
アメリカと日本の文化や対人の違いはあれど、知っておいて損はないしモチベーションアップにも繋がる。 -
もやもやのラベリング
書いてあることは至って当たり前。まあそれが難しいのだけれど笑。つまり、これといって目新しい視点が加わるわけではないということ。しかし、この一冊は自分が人間関係を構築していく上での大きな指南書となりそうだと強く感じているのである。
すべて理解できる、納得する。一方で、それらを実践出来るかといわれたら返答に困るだろう。当たり前が難しい。
読了後に残る漠然とした感情は自分を通して写した本の色のようなものだと考えていて、それが評価の基準となることは多い。この本のそれは、「脳内の異常なすっきり感」である。これは、考察するに、もやもやのラベリングができたからではないかと考えている。もやもやとは、人を傷つけ傷つけられた経験、過ちを指摘しては指摘された経験、思い出せばいくらでもあるが、つまり消化不良の経験である。それらは大半がネガなイメージとしてだけ残り、その時どうすればよかったかなどは忘れることにしていただろう。まあ忘れたようで簡単に忘れられるものじゃねえんですわ。どっかで引っかかってるんですわ。でも必死に忘れようとしてるんですわな。結局どこかへ葬り去ったはずの記憶は消化不良のまま心の内奥に潜在している。それがもやもや。
で、そんな経験それぞれがぴたっと当てはまるような解決方法がこの本にはほとんど載っている。直接的にはそうでなくとも、最終的にこの本の内容におおよそ落ち着く。つまり、消化不良だった経験がページを繰るごとにその紙にピタッと張り付いて綺麗に整理されるイメージ。読み終えると身体は軽くなって本は重くなる。
いい本読んだなあという気持ち。苦い経験も少し良いイメージに変わりつつあるかもしれない。 -
Fri, 25 Dec 2009
戦前に書かれた本だというのに,
今読んでもまったく色あせない.
というか,「人間」というのは本質でいつまでの変わらないし,
それを突き動かす欲動の原理というのは普遍的なものなのだということがよく分かった.
D.カーネギー は 今でさえ「ビジネス書」というよく分からないカテゴリで扱われるようになった「人生論」「自己啓発」本のはしり というか 古典.
現在では,コヴィーの「7つの習慣」が一つの金字塔ではあるが,
カーネギーの本を読むと,その源流がわかるようで,
コヴィーが そこまでオリジナルでも無い事が分かる.
ある意味で,
「原則を言って,多くの具体事例でその原則をサポートする.という運び方」
「科学的事実を偏重せず,人間の本性を大切にする」
というあたりが,非常に共通している.
人を動かす 以外にも何冊かあるんだが,とりあえずコレを読んでみた.
コヴィーもそうなのだが,カーネギーもそうで,
西洋的個人主義ではなく日本的関係主義的なところがにじみでる.
「議論を避ける」
「人のあやまりを指摘しない」
など,議論をよしとするアメリカの風土とは,まるで相容れないものかもしれない.逆に,日本的なのかもしれん・
本書でも人間関係論のホーソン実験などにも触れられており,
みな仕事のパフォーマンスが決して金銭報酬などではなく,
にこやかな人間関係の上に成り立つことを認めている.
科学技術の立場にあれば,「議論」をすることは 必須だが,
「議論」が 人をやりこめる ことに終始してしまっては,やはり
非生産的だ.
意味の世界の生き物としての人間として,社会人として,ビジネスマンとして,意義深い本だ