人生を〈半分〉降りる: 哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫 な 27-4)
- 筑摩書房 (2008年1月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480424129
感想・レビュー・書評
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シンプルに考えて、リラックスして生きていけることを、究極に考えられる良書。
人は歳を重ねるごとに、半分降りることを、自覚していけたら、優しくなれるかも詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の1日の3分の2を自分のために持っていない者は奴隷。
死について考え、これまでの人生についてとことん考える -
人生を「半分」降りる為には……
本著は人生を「半分」降りる為のハウツー本ではなく、あくまでも"50歳"の中島義道の脳内を「半隠遁」をベースにオムニバス形式に念写したかのような内容であった。
本文の形式は、章ごとに複数のキーセンテンスが存在し、それについてのエッセイとしてずんずん進んでゆく。その時には"「半分」降りる"に一切の関係がないように思えるような内容でも、章を読み進めると点と点が繋がるように共通項が見えてくる。このような形式にある種のカタルシスを見出すことができた。
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すべき事ではなくて、しなくていいことから考えるのは単純だけど忙しい毎日の中でポコっと空いた時間の使い方としては大きく抜けていたような気がする。正直自分がいない状態を考えた時に社会活動として回りづらくなることがあっても、回らなくなることは絶対にない。だからやっぱりやらなくても良いことの精度を日々上げていきながら、気がついたら隠居してる、というか、え、隠居してたの?くらいの状況にこれからの人生持っていきたいと思う。
もう一段上の話をしている哲学書ってないのかなぁ。心の支えにしたい。 -
エレファントカシマシの遁生の歌詞の意味、この本を読んだ後にやっと理解できつつあるかもしれない。
今までの自分にない考えや気づきがあったページの角を折りながら読んだけど、半分以上折ってた。1ページの上下で折ってるページもある。
もはや折る意味が分からなくなるくらい、まるまる一冊今までの自分にない考え方だらけ。いますぐ半隠遁できる年齢ではないのかなと思う一方で、少しずつこつこつ小隠遁を重ねていきたい(そんなことが可能かは頭で考えても分からないのでまず実践していきます)。 -
今現在、人生を半分降りた生活をしています。
この本を読んでいなければ、人生を半分降りる事なく
惰性の日々を送り続けていたと想います。 -
カントを専門とする哲学者が隠遁の思想を語ったもの。全編を貫くニヒリズム。セネカ、スピノザ、カントから陶淵明、兼好法師まで縦横無尽の引用が光ります。著者のヘンクツぶりも含めてこれぞ知識人!といった趣。
リア充的なるものに堂々と背を向けた、哲学的生き方ガイド。
○泰西古代の哲人は「隠れて行きよ」と訓えました。東洋では隠者を位置づけて「小隠は山林に隠れ、中隠は市井に隠れ、大隠は朝廷に隠る」とか申します。
○べつに大学や会社に辞表をたたきつける必要はなく、月給だけもらってなるべく好き勝手なことをする、そのためには細かな計算をして、「必要がない」と思ったことからはさっさと手を引く。そして、できるだけ人づきあいを制限して孤立して、「自分が今生きておりもうすぐ死ぬこと」を考える。たえずこのことを考える。
○人生においてせいぜい二番目に重要なことにすべての時間を捧げて、いちばん重要なことをおろそかにする。にもかかわらず、自分は充実した豊かな人生を送っていると思い込みがちになるだけに、ますます危険であるといえましょう。
◆感想
隠遁モノでは家宝級。やることを減らし、読む本を減らし、付き合う人を減らし、「なにもしない」ことが隠遁の完成形であるように思います。積極的怠惰。 -
人生の指南書になりそう。後に保存用に単行本でも購入。
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ひとつの見識だとは思うが、私は同調できなかった。