本好き女子のお悩み相談室 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.53
  • (6)
  • (13)
  • (18)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 260
感想 : 33
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434937

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お悩みに対して 本を処方するという
    切り口が まさに自分がやりたいことなので
    面白かった

    本を読まない人に対して
    この対処は難しいのかな、、?

  • テーマ:悩み

  • 6月に「本屋で待つ」のウィー東城店で買い求めた本の最後の一冊。著者・南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)さんのサイン入りです。初めて聞くお名前で怪しげですが、店員さんからは「コレ大変面白いですよ」とお墨付きです♪

    限られた場所で、限られた対象に、本をお勧めする、という昨今流行りの本ですが、場所と対象がとっても面白くて、選んだ本たちが、その場の思いつきじゃなくてしっかり考え調べた上で提案しているということで、とっても誠実な本でした。

    南陀楼さんはあの「一箱古本市」を始めたパイオニアでした。この十数年は全国で一箱古本市をプロデュースしてきたよう。勘違いしていたのですが、この古本市の魅力は本を発掘することだけじゃないんです。店主はみんなその本を読んできた人ですから、その本についてとってもよく知っています。また、絶対本好きの人たちです。店主、スタッフ、お客さんみんな本好きで、だからとっても話が合うようなんです。そこに行けば、本好きどうしが交流出来る。それが1番の魅力だと、南陀楼さんは書いていませんが、私はそう読み解きました。

    特に最近は女性の姿が目立つようになりました。本のセレクトやディスプレイも、本の勧め方も、女性の方が上手なんだそうです。しかもみんな若い。この女性たちの読書経験を聞けば、「本好き女子の読書史」が描けるのではないか。そう思い立って2年間、35組39人、10代から40代の本好き女子の話を聞いてきました。悩みを聞いて本を3冊お勧めするのは、その上でのささやかな「お返し」だそうです。

    仮名が多いです。有名人はいません。今どきの若い本好き女子って、こんなんかぁ、と実感できました。本人たちの多くは、ちょっと人見知りだったりして「私ちょっと変わってる」と思っているかもしれませんが、そんなことないよ、みんな魅力的です。

    以下、ちょっとメモ。
    ・一人暮らしをしたいけど、仲のいい両親との関係も壊したくない。実家を出る方法は?(28歳)
    辻村深月「ゼロ・ハチ・ゼロ・ナナ」
    長嶋有「サイドカーに犬」
    有吉玉青「身代わり 母・有吉佐和子との日々」
    →この3冊は正解な気がする。

    ・いま住んでいる田舎の家は土地は広いんですが、ふえてゆく草と毎日闘っています。そういうことも含め、この先、歳をとったらどうなってゆくのか。田舎暮らしに不安があります(46歳)。←ほとんど私の悩みです。
    熊谷達也「ゆうとりあ」
    はた万次郎「北海道田舎移住日記」(「アブラコの朝」集英社文庫)←読みたい!
    井上ひさし「吉里吉里人」
    →田舎であろうが都会だろうが、理想と現実とのギャップはありますよ、とのこと。

    ・千葉の縄文大好き女性・25歳。両親のクリスマスプレゼントはいつも本。最も記憶に古い本は「ブレーメンの音楽隊」。何故か最終ページをハサミで切ったそう。理由は記憶なし(←想像が膨む)。中高で母の蔵書宮部みゆきは全作読了。法科卒業。公務員になって加曽利貝塚にハマる(つい最近)←最近かよ!
    お年寄りとの会話で、昔話や説教が苦痛。付き合い方を教えて。
    →ながさわたかひろ「に・褒められたくて 版画家・ながさわたかひろの挑戦」好きな有名人のところに突然行って「あなたを描かせてください!」と頼んで、そこから関係を作ってゆくという本、らしい。←うーむ、ま、ありかも。
    山田風太郎、森まゆみ「風々院風々風々居士  山田風太郎に聞く」(ちくま文庫)関川夏英の時は不機嫌だった山田がご機嫌に話したらしい。←たいていの老人は若い女が好き
    湊かなえ「ユートピア」←世代が近くてもギャップは起こり得る。

    ・中国広州市から古本市スタッフにメールで応募してきた変わり種。19歳。小学校の時母からは「論語」暗記を強制されて、その反発から漫画やアニメへ。それで日本語をペラペラまで覚えて、日本の美術大学へ。それで相談は「能力を世間に証明する必要あるのか。自分なりにゆっくり頑張ったらダメなの?」←彼女の読書史を聞く限りでは充分才女という気もしますが、立身出世を望まない彼女の気持ちもわかります。さて著者の回答は?
    水木しげる「ねぼけ人生」←まぁそうだよね
    宮本常一「家郷の訓」←斜め上の回答
    「中谷宇吉郎 雪を作る話」(平凡社)←明答。

    ・古本屋の娘さん(13歳)は、10年の付き合い。幼いと思っていたらいつのまにか大人びて‥‥。で、彼女は自分で雑誌を作ってみたりなかなか行動的。周囲からは「落ち着きがない」と言われるのが悩み。回答は?
    長嶋有「ぼくは落ち着きがない」←まんま(笑)。でも、いいかも。
    若竹七海「さよならの手口」←確かにいつも不幸に見舞われてるけど、13歳には厳しいお話かも。
    沢村貞子「わたしの三面鏡」←理想的な落ち着きが見れると、私も思う。

    南陀楼さんのサインには、横に一言「本屋の宇宙」ってありました。

    • ひまわりめろんさん
      本好きが集まるという意味ではブクログも一緒ですね
      ありがたや~
      本好きが集まるという意味ではブクログも一緒ですね
      ありがたや~
      2023/09/05
    • kuma0504さん
      と、書いているレビュアーもいます。
      私もそう思います♪
      と、書いているレビュアーもいます。
      私もそう思います♪
      2023/09/05
  • 新しい切り口の作品。
    日本にいる女性の様々なお悩みに本を勧めることで少しでも力になろうとする本。
    同じような悩みを抱えている場合は、おすすめ本を取ってみるのもアリかもしれない。

  • ★3.5
    本好き女子の読書の歴史
    本好き女子のお悩み
    それに対してのおすすめの本
    の構成で、読みやすかったし、面白かった

    本を好きで読む人たちは元々家族も本好きが多いと思った

    この本からブクログの 読みたい 本も増えました!

  • タイトル通り作者が様々な本好き女子の悩みに沿った本を3冊ずつ紹介していく。

    人の顔色を伺いがち、両親とうまくいかない、他人に振り回される、など普遍的なものから、酔った感覚を味わいたい、すぐに冒険したくなる、など少し変わったものまで多種多様な悩みが目白押し。
    自分が浅学ゆえかもしれないが、題名も作者も聞いたことがない本をあらすじ付きでたくさん紹介されていて、興味深かった。
    紹介されていた面白そうな本は、おいおい探して読んでみようと思う。
    この本で特に印象に残ったのは作者が相談者の女子とそれぞれどのように出会ってどんな本が好きなのか、本好きのルーツとなったのはどの本かを丁寧に聞き取りしている所。
    知っている本を読んでいれば仲間だな、と思ったし、知らない本だとどんな所がこの人は惹き付けられたんだろう、と興味が湧いた。

  • 本好き女子の悩みを読んでみると、私が抱えている悩みを同じ様に抱えている女子が沢山出てきた。この本を読んだことで「私だけが持っている悩みではなく、皆同じように悩んでいるのだ」と安心することができた。
    筆者が明確なアドバイスはせず、あくまで"自分の意見"を伝えている所も良かった。
    女子が紹介する幼少期に読んだ本の中に、小さい頃に読んだ本が沢山出てきた所も親近感を持って読み進めることができた。
    筆者の処方する3冊の本はマイナーなものが多いため、本好きには新たな本との出会いにも繋がる一冊になると思う。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50096563

  • 中脇初枝『わたしをみつけて』
    筒井康隆『時をかける少女』『みだれ撃ち涜書ノート 』
    ながさわたかひろ『に・褒められたくて』
    小池龍之介『沈黙入門』

  • 「女性が100人集まれば100通りの悩み」とどこかで聞いたことがあるが、まさにその通り。この本がユニークなのは悩みに言葉ではなく本を処方するところ。本だけでは悩みは劇的に解消できないだろうけど、悩みに応じた本を読むことでちょっと元気だ出たり、勇気や希望を持てる。
    自分も持っている悩みもスバリあったりしてちょっとドキッとした。

全33件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年、島根県出雲市生まれ。ライター・編集者。早稲田大学第一文学部卒業。明治大学大学院修士課程修了。出版、古本、ミニコミ、図書館など、本に関することならなんでも追いかける。2005年から谷中・根津・千駄木で活動している「不忍ブックストリート」の代表。各地で開催される多くのブックイベントにも関わる。「一箱本送り隊」呼びかけ人として、石巻市で本のコミュニティ・スペース「石巻まちの本棚」の運営にも携わる。
著書に『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『町を歩いて本のなかへ』(原書房)、『編む人』(ビレッジプレス)、『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)、『蒐める人』(皓星社)、共著『本のリストの本』(創元社)などがある。

「2021年 『古本マニア採集帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

南陀楼綾繁の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×