蟋蟀

著者 :
  • 筑摩書房
3.24
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本棚登録 : 211
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804136

感想・レビュー・書評

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  • 様々な動物が抽象的に出てくる短編集。
    話自体は面白いが、掴み所のない終わり方で不思議な気分になる。何度も少し前の文章まで戻って読み返して…を繰り返すが結局展開がよく分からず。でも、きっとそれがこの作者の良さだろうと納得して読み終われる。
    表紙のイラストと色合いがかなり好き。

  • え、ここで終わりなの。
    そんな印象を抱かせるような、「これって物語のはじまりじゃないの?」と続きを感じさせて終わってしまう短編集ばかりが詰まった不思議な本。
    収められている短編も、手を握るとその人の過去・現在・未来が見える女の話だったり、蟋蟀の刺青を持つ老婆の話だったり、他人の背景に何か事物が見える女の話だったりと、おとぎ話のような内容が多い。
    語られる内容や雰囲気は好きなんだけど、ここで終わらせなくても!という不完全燃焼さがわだかまった。
    この不完全燃焼がブンガクなのかもしれないけど、抽象性を持たせて難解にするのではなく、気持ちのいい結末が欲しかったなぁ。

  • 川上弘美とかのうその世界ぽい雰囲気の短編集だったな~~。
    オカルトってわけじゃないと思うんだがちょっと不思議、でもヘンにリアルな感触がする日常の恋愛小説…みたいの。
    なので個人的にはすきな雰囲気だったな…。

  • 短い話の中に風変わりで不思議な生活と恋が詰まってます。
    悲しみとほんのりとした可笑しさが混じっていて、独特な空気を醸し出してます。

  • 短編集。何が言いたいかわかるようなわからないような。鮫島夫人という話が一番わかりやすくて好き。

  • おもしろい

  •  いろんな動物が題材になってる短編集。でも、そこは栗田有起なので一筋縄ではいかないのだ!

    ■サラブレッド
     主人公は、手を握った相手の未来が見える女性。
     未来が見えてしまう人の悲哀話にとどまらす、「馬絵さん」にクスっときて、さすが栗田さんだと思った。

    ■あほろーとる
     大学の助教授とその敏腕秘書? のお話。
     ウーパールーパーだったの?

    ■鮫島夫人
     利害が一致(?)した同性愛者の男友達(幼馴染)と偽装結婚(?)して、その後離婚する話。
     「だって私たちはすでに一度別れている。もう一生、二度と、別れることはないのだから。」という、最後の一文にちょっと切なくもほっこりする。

    ■猫語教室
     夫が栄転して地方の営業所へ配属される。そこには社員の妻たちの奇妙なコミュニティがあって……というお話。
     夫のために尽くしているのに報われてない感がつらい。
     アウトデラックスに出てる柿沼さんを想像してしまった。

    ■蛇口
     パパの浮気相手はなんと友達、なお話。
     これといって印象に残っていない……

    ■アリクイ
     幼馴染の女の子が妊娠して、なぜか主人公(男)のお母さんが超ハイテンション(?)なお話。
     妊娠してるから浮気のしようがない……という不思議な期間限定の関係性。

    ■さるのこしかけ
     結婚を真剣に考えていた恋人に、実は二股をかけられていて、しかも本命は自分じゃなかった! 本命の彼女を傷つけてしまったことに深い罪悪感を抱いた主人公は死を決意するが、なるべく人に迷惑をかけない死に方を思案したあげく、「雷に打たれて死ぬ」ことを試みる……というお話。
     「本当のところ、彼女が傷ついたことなど、どうだってよいのだ。」というシリアスな告解を尻目に、「あいの嫁んなりんすか」と横で騒ぐ「天狗みたいな生きもの」がユーモラスで面白かった。

    ■いのしし年
     あまりにも醜く生まれついた兄妹。自殺を図った妹の見た幻。
     妹に再び芽生えた生きる意志を、「コーラちょうだい」という言葉が端的に表現していて、さわやかな余韻が残った。

    ■蟋蟀
     こおろぎ、ですね。難しい字だよなあ。女を妊娠させてしまった不誠実な男が主人公。祖母のタマコの腰には二匹の蟋蟀の刺青。
     女というか、母の強さ、みたいな。
     どうでもいいけどうちのばあちゃんと同じ名前だわ。

    ■ユニコーン
     相手の中に動物やキャラクターや有名人が見える主人公は、デザイン事務所の管理職。男性の中にはいろいろなものが見えるけど、女性の中には必ず動物が見えるらしい。
     最後に自分の中に見えるユニコーン。ラストシーンは静かだけれど、希望に溢れてて、このお話が短編集のトリですごくよかったな、と思う。

  • ハミザべスみたいなものはもう書かないのかな。

  • 始めて読んだ作家さん。

    んー。よくわからない。けど、そこが魅力かと。

    寝る前に、一話づつ読んで寝ました。

  • つかみどころのない不思議なお話だった。

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著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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