この世にひとつの本

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 150
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024673

感想・レビュー・書評

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  • この作家はクセがある。
    文章のリズムが独特。非常に読みづらい。
    読みづらいけど、どうも憎めないところがあります。
    ていうか、むしろ好きかも。
    話の内容うんぬんより、文章を楽しむという感じ。
    話はちょっと強引なんだよね。
    でも、主要キャラクターはきちんと描かれていて生き生きと動いています。

  • 立て続けに発症する白血病とある書家の失踪。
    交差する二つの事件を、会社から若干はみ出している三人の若者が解決に挑みます。
    面白かったです。三郎と建彦の関係が好き。

  • 印刷会社が存亡の機に立たされた。後援する女流書家が姿を消し、さらに、工場の社員に三件もの謎の病死が発生したのだ。社長はただちに息子の三郎に調査を命じる。三郎の調査の手助けをするのは、社長秘書・南知子と、史上最速の窓際族・建彦だった。ヒューマン・ミステリ(「BOOK」データベースより)

    「おさがしの本は」といい「この世にひとつの本」といい、タイトルと設定はものすごーく読書マニアの心をくすぐるのよ。
    でもいっつも中身が伴わない・・・。
    描き方が合わないのかなー。
    今回も、印刷会社の社長があんなにエロい意味があるのか?
    スポーツ新聞のその手のページがお好きなおじさま方が、ちょっと喜んじゃいそうなシーンもあって、「これ出したの、東京創元社・・・だよねぇ?」と、思わず出版社を確認しちゃいましたよ。
    多分もうこの人の本は読まないな。

  • ミステリ。出版業界の話かと思ったら少し違いましたが。通ずるものはあります。たしかにこれは、活字好きが読みたい一冊かも。
    どんどん最新になる印刷術と、その陰で廃れてゆくもの。何が良くて何が悪い、ってのは一概に言えないでしょう。古い技術にはそれなりの思いがこめられるでしょうが、新しい技術も便利。ただし……やっぱり重要なのは、中身なんですよね。書も本も同じなのかも。
    そしてもうひとつの事件。これ……時節柄とても怖いネタでした。

  • 「本」っていうと多量に印刷されたものであると勝手に思っていましたが、この定義は違うんですね。源氏物語の時代には印刷なんてなかったんですよね。て事は紙に文章を記録し綴じた(または巻いた)もののすべてが本ですか。(自称)作家なんて誰でもなれるってことですね。写真画質のプリント技術も進化し写真集も簡単に作れるので写真家も。デジタル印刷に大きく軸を切った印刷会社を舞台にした物語。社長の性癖とストーリー展開に何の関係があるのか良くわからなかったけど、読者の関心を繋ぎ止めるには必要なんでしょうね。

  • 良く出来たヒューマン・ミステリ。深く考えると矛盾した意味を持つタイトル名だ。誰が主人公か最初はよくわからぬ展開だ。大印刷会社を舞台に、スポンサーとして庇護する著名書家の失踪と社内工場での社員連続病死事件が絡み合う。真相を突き止めるべく、社長の息子の三郎と成績優秀なのに仕事が出来ない若手窓際社員・健彦のコンビが解決に当たる。二つの事件の思わぬ結びつきがミソ。

  • 印刷会社の三男・三郎は父から失踪した書家の捜索を命じられる。一方、印刷工場では白血病による死者が連続しており、こちらも調査が開始される。

    一風変わったミステリなのか…。
    さらっと読めて面白くはあるんですが、盛り上がりにかけるといえば欠けるかな?キャラはいいんだけど、もう少し掘り下げて貰ってもよかったかも。
    蘊蓄はおもしろかったですw

  • 著名な書家が失踪。後援する大塔印刷では御曹司三郎に捜索を任せるが、工場でも厄介事が……。のほほんと二つの謎に取り組む三郎だったが……。文字中毒者に捧げるミステリ。


    なんだか、好みの作品ではなかった。

    三郎の人柄や隠された才能に関しては、
    好感が持てるが、
    父である社長や秘書の関係もちょっと気持ち悪いし、
    「この世にひとつの本」のそのすばらしさもピンとこない。

    どこかで【ヤマ場】が訪れるはずだと読み進めたが、
    始終平坦な印象のままでした。

  • 印刷会社社長の御曹司・三郎は父から失踪した書家の捜索を命じられる。一方、会社の印刷工場では謎の病死が連続し……。
    門井作品にお約束の衒学は控えめながらも、主人公をはじめとするボンクラたちの心の動きを丁寧に描く優しい視線は健在。謎そのものより、謎にまつわる人間ドラマが堪能できる端正なミステリ。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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