真実の10メートル手前

著者 :
  • 東京創元社
3.63
  • (112)
  • (375)
  • (321)
  • (45)
  • (5)
本棚登録 : 2254
感想 : 330
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027568

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読んでみると、太刀洗万智の短編集だった訳で、なんか得した気分になったけれど、短編ひとつずつのキレが悪く、「モヤモヤしながら次の話を読む。」という形になってしまった。
    ちょっと残念。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める…。太刀洗はなにを考えているのか?滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執―己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など。優れた技倆を示す粒揃いの六編。

  • フリージャーナリスト太刀洗主人公の短編六編。
    自分は「王とサーカス」を読んで太刀洗という人物に興味をもったので、前日談とするつもりだった話もあり、よりおもしろかった。

    「王とサーカス」のときも思ったけど、ミステリとしてだけでなく、記者としての太刀洗の生き方や覚悟のようなものが随所にわかるこのシリーズは結構好き。

  • はじめのお話があれで終わりと気付いたときは、ん?!と思ったけど、全編面白かった。
    悩みながらも切れ者のや大刀洗さんがとても素敵。
    先に王とサーカスを読んだから、好きなのかも。

  • 王とサーカスより時系列で言えば前の話にあたる。王とサーカスだけでは分からなかった大刀洗さんの記者として、才能といおうか、それがよくわかる。面白かったです。

  • 短編だからこそどんな事件でも太刀洗の視点が際立っているのがわかります。
    「ナイフを失われた思い出の中に」は読んだことあったけど、どの事件にもきちんと記者としての自分の立ち位置を充分わかっててそれでもなお取り組む姿勢が潔いです。
    「名を刻む死」でどんなに強い人かわかるはず。
    「綱渡りの成功例」で諦めない投げ出さない生き方そのものを改めて感じ、これからも見守りたくなりました。

  • 全く 何も誰からもチョコを頂けなかったバレテンタインデイの深夜に読了。
    そういう刹那的な夜にはまさにピッタシの作品でした。皆様も機会あれば是非読んでくだされましm(_ _)m。
    きっと想うところがあると確信します。m(_~_)m(すまぬw)

  • 短編集。
    フリージャーナリストの太刀洗万智が登場。
    報道は、そこでもドラマを伝えるのではなく、事実のみを淡々と伝えてほしいなと思っているのだけれど、太刀洗の記事ならそうなっているような気がする。
    事実さえ伝えてくれれば、その事柄が必要かどうかは受け手が決めればいいんだもの。
    それにしても行動力もあり、先も読めてかっこいい女性だな。憧れます。

  • 『王とサーカス』を読んで、ぜひ読もう!と決めていた作品。太刀洗万智、素敵すぎる。

    短編集ということで、重みこそ前作のようではないのだけど、表題作がかなりツボ。
    息を呑むって、こういうことか。まるで一秒、時間が止まったようで面白かった。

    彼女の、無愛想だけれど誠実であろうとするが故に傷付くことはないんだろうか、とも思う。
    そのギャップが主人公として、ものすごい魅力でもあるのだけど。

    それぞれのタイトルが良かったので、最後に挙げておきたい。

    「真実の10メートル手前」
    「正義漢」
    「恋累心中」
    「名を刻む死」
    「ナイフを失われた思い出の中に」
    「綱渡りの成功例」

    本当のことを追い求める思いと、その代償となるかもしれないものを、彼女はよく見つめている。
    信念と言えば聞こえはいいけれど、美化されない濁りが生じることにも、ためらいがない。
    でも、最後には優しさが残っているように思う。
    だから、このシリーズに寄り添っていられるんだろうなあ。

  • 「名を刻む死」
    京介くんの気持ちが痛いくらいわかる。
    太刀洗さんが紡いだ言葉が、しばらく頭から離れなさそうです。

    太刀洗さんのやっている仕事の重みが、最後の台詞に詰まっていると感じました。
    「ナイフを失われた思い出の中に」を読了すれば、尚更。

全330件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

米澤穂信の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
米澤 穂信
宮部みゆき
辻村 深月
湊 かなえ
伊坂 幸太郎
米澤 穂信
米澤 穂信
米澤 穂信
米澤 穂信
ピエール ルメー...
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×