毒を食らわば (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488183066

感想・レビュー・書評

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  • ピーター卿もの。被告人ハリエット・ヴェインは恋人殺しの容疑をかけられていた。しかし無罪とも有罪とも取れず、裁判はやり直されることになる。その裁判を傍聴していたピーター卿は被告人が無罪と考え捜査を開始する。あれだけ独身を貫き通すみたいな感じだったピーター卿が急に結婚をしたいというのにちょっと違和感を感じたかな、と。内容的には、ピーター卿自ら捜査を行うというのが少なくなり、潜入捜査を誰かがやる式で、前回とは少し異なってました。内容的にはやはり派手さがなく、のんびり読める作品でした。ただ、やはりちょっと退屈だったかな……と。ただ、不思議と読んでいけたのでそれなりに面白かったのかなあ。うーむ、なかなか私的には評価が難しい作品です。

  • ピーター卿が恋をした。なんとお相手は裁判中の殺人事件の容疑者ハリエット。最初の判決が陪審団の不一致で流れ、次の公判は一ヶ月後。一ヶ月で彼女の無実を証明すべく、ピーター卿は立ち上がる。

    私としては珍しく怪しいなあと思った奴が犯人だった。手口の一部もいかにも怪しかったので怪しんではいた。なかなか真相にたどり着かないピーター卿がはがゆい一面も…。今回は恋に目がくらんでいたんでしょう(笑) (2002-01-19)

  • ハリエット初登場。一目ぼれだったのですね。
    今回もピーター卿の部下の女性たちが大活躍。
    バンターはメイドに取り入る本領発揮。もうちょっと活躍して欲しいが、パーカー警部とメアリがゴールインできそうなので良しとしよう。

    今回は、ハリエットの無罪を証明するためにピーター卿が奔走するわけだが、犯人の目星は中頃で判明し、あとはそれを証明するための証拠集めに費やされます。
    邦題の「毒を食らわば」ってタイトルは、なかなかセンスの良いものだと読了後に思いました。

  • ピーター卿が
    惚れた女性のために奮闘する
    ミステリーです。
    またこの女性、圧倒的に
    不利な状況に立たされているのです。

    そう、砒素を買っていたがために
    嫌疑がばっちりかかることに
    なってしまいまして…

    今回は一人のお嬢さんが
    強烈な活躍を見せてくれます。
    多分、この人の工作の成功なしに
    ぜったいに事件の打開はなかったと思います。

    特筆すべきは
    その犯行に使われたものの特性。
    おそらく知らないと言われることでしょう。
    しかしそれを使われてはたまったものじゃありません。

    ピーター卿、
    あまり犯人をおちょくるものじゃ
    ありませんからね。

  • 御前は可愛らしくハリエットにめろめろ、バンターは如才なくメイドに取り入り、パーカー主席警部は一気に男を上げる!クリンプスンさんの手紙が面白すぎる・・・w
    個人的にはパーカーの素朴すぎる恋にやられた・・・やばい・・・このままじゃ萌え死ぬ・・・!!

  •  ピーター卿、ハリエットと出会う。
     でも、なんだか腑に落ちない。ピーター卿はなんでハリエットに惚れたんだ?はじめっからハリエットまっしぐら。うーん、よくわからない。
     犯人は早い段階で分かっちゃうし、推理としては今二つ。
     でも、そんなん関係ないんだ!という解説が面白かったかも。

  • 運良くみつかったからよかったようなものの!というミステリとしては明らかな傷部分が、読んでいて一番楽しいヤマ場だったりして、けなせなくなってしまった。好みということです。

  • セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿シリーズ第5弾。面白かった。
    砒素で元恋人を殺した罪を問われた探偵小説家の公判、ほぼ有罪に傾きつつある情勢のなか、被告の無罪を確信したピーター卿が彼女を救おうと活動を開始する。
    ほかならぬ彼女こそ、このシリーズで、ピーター卿のお相手となるハリエット・ヴェイン嬢、その人登場の巻です。
    面会で愛する人を口説き、限られた日にちで真犯人をつきとめるべく苦悩するピーター卿の姿は、今までの悠揚さもどこへやら、涙ぐましいものがあります。
    クリンプスン嬢とマーチスン嬢といった、ピーター卿の優秀な聞き込み代理人たちの女性陣の活躍が光り、またまた会話のやりとりも大いに楽しめる。
    恋に落ちたピーター卿、文字通り気ままな独身貴族に“変化”の風が吹いてきたシリーズの一冊でもありますね。

  • ピーター卿、恋に落ちる。ハリエット・ヴェイン嬢登場。彼女の無罪を証明するのに奔走するピーター卿。原動力はどう考えても恋心(笑)。邦題「毒を食らわば」は大変上手いタイトルではないかと。(2007/08/31)

  • 前に読んだピーター卿シリーズよりおもしろかったような。やっぱりミステリにロマンスは必要だわ、と。ピーター卿の妹に恋をしているパーカーに、ピーター卿が早くプロポーズしろってせかすところも、ピーター卿がハリエットにプロポーズするところも、最高。 それと、「猫舎」っていう、オールドミス?を集めた事務所?の女性たちが活躍して謎解きを手伝ったのが楽しくてすごく気に入った。その女性たちのひとりが降霊術であたかも霊が降りてきたように細工をして、ほしい情報を得るところがすごくおもしろかったんだけど、どっかで最近読んだようなと思ったらやっぱりコニー・ウィリスの「犬は勘定に入れません」だった。はっきり「毒を食らわば」のまねをして、って書いてあった。 古い時代の作品なのに、女性作家だけあって、出てくる女性たちがみんなすごくいきいきしてるところがいい。仕事を持っている独身女性とか。この「猫舎」の人たちはほかの作品でも出てくるんだろうか。

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著者プロフィール

ドロシー・L・セイヤーズ(Dorothy Leigh Sayers 1893–1957)
イギリスの小説家、劇作家、古典・現代言語学者、ディテクションクラブ第三代会長。オックスフォードに生まれる。オックスフォード大学サマーヴィル・コレッジにて現代言語学を学ぶ。長らく女性への学位授与を認めてこなかった同大学で学位を授与された女性の第一世代に属する。1922年から29年まで広告会社でコピーライターとして働く傍ら、Lord Peter Wimseyシリーズを執筆。アガサ・クリスティらと並び、探偵小説の黄金期を牽引する小説家の一人と目される。宗教劇の劇作家として、またダンテのThe Devine Comedyの訳者としても名を馳せた。

「2022年 『ストロング・ポイズン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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