魔法飛行 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M か 3-2)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488426026

感想・レビュー・書評

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  • 物語の内容ももちろんいいのですが、構成というか本の作られ方がとてもいいなぁと思いました。

    私も物語を書いてみようかな―という気持ちを後押しされて主人公が書いた物語とその物語を読んだ人物からの返信。
    自分の言葉を文字にして相手に届けるって素敵なことだと思います。もし、中・高校生ぐらいのときに読んでいたら才能も知識もまったくない状態でも、何らかの物語を作ろうとしてみた(かもしれない)だろうな。

    印象に残った部分
    “「信じたい人間だけが、信じればいいのさ。ほかのやつのいうことなんて、気にすることはないんだ」その口調に、私ははっとした。彼もまた、何かを信じるために決して小さくはない代償を支払っている一人なのだ、と思った”(P205)

  • 『ななつのこ』の続編。駒子シリーズ第2作。
    駒子と前回の「ななつのこ」作者こと、瀬尾さんとの往復書簡というスタイルは変わらない。
    でも、今回は駒子側の手紙の比重が大きく、駒子からの世界が広がります。

    日常の謎、ミステリーというより青春グラフティに思える。まぁそいうテイストが「日常の謎」と呼ばれるジャンルなのかもしれないけども。
    でもしっかり、一つ一つの章ごとのミステリーはちゃんと解決するし、最後に全体を通じて一つの物語におちつくのはやっぱり素敵。もう安心の領域。

    個人的な見所としては2カ所。
    有栖川有栖氏の解説。
    そして最終章、駒子が瀬尾さんと再会するシーン。駒子萌え萌えです(当時は萌え概念とかあったのかなぁ)。

  •  通称『いりごま』こと入江駒子が主人公の「ななつのこ」の続編。

     前作同様連作集でそれぞれ完結するが、最終章で共通の物語の謎解きをするパターン。

     デビュー間もなくなので、出版社から同じパターンでと言われたのだろうなと想像。

     これから別作品を読んでいくうちに同変わっていくか楽しみ。こういう楽しみ方があるから、話題作からではなく出版順に読みたい。

  • この本を読んで、赤いコートを買ってしまった。

  • 「ななつのこ」続編。今作は駒子が物語を綴っている設定のためか最初は文章に引っかかるところもあったもののやっぱり面白い。前作から続く駒子と瀬尾さんのやりとりに第三者からの不穏な手紙が加わり引きつけられる。

  • 小さな推理が短編で書かれ、一つ一つがリンクしている。

  • 駒子が書く物語が、少しずつ上手になっていくのが面白い。
    解説でも取り上げられている北村薫さんの円紫さんシリーズの《わたし》とはちょっと性格が違っていて(当たり前だけど)、友達や兄弟との会話なんかから快活な様子が感じられる。

    ほのぼのとした短編が続くんだけど、少しずつ謎は残っていて、しかも不気味な手紙が挟まれているもんだからどこか落ち着かない。
    最後の話はハラハラしました。面白かった。

    シリーズ次作もあるそうで、読むのが楽しみです。

  • ハロー、ハロー!

  • 解説に書いてあったように、私も北村薫氏の作品とイメージがダブりました。現代の基準からすればかなり純朴な女子大生が主人公で、友人がしっかりしていて、安楽椅子探偵役に年上の男性が登場するという意味ではかなり共通点が多いと思います。
    独特の空気感が結構好きなんだけど、差出人不明の手紙の真実はあまり好みではなかったかも。

  • 駒子シリーズ2作目。

    駒子の大学生活の中の謎を、手紙を読んだ瀬尾さんが
    解いていく。
    瀬尾さんの洞察力、本当にすごい。

    挿入される、謎の差出人からの手紙の謎にびっくり。
    物語がそこに収れんしていくなんて。
    加納さんのストーリーテリングの才能に脱帽。

    『ななつのこ』の優しさの方が好きではあるのだけれども、ね。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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