魔法飛行 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M か 3-2)
- 東京創元社 (2000年2月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488426026
感想・レビュー・書評
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物語の内容ももちろんいいのですが、構成というか本の作られ方がとてもいいなぁと思いました。
私も物語を書いてみようかな―という気持ちを後押しされて主人公が書いた物語とその物語を読んだ人物からの返信。
自分の言葉を文字にして相手に届けるって素敵なことだと思います。もし、中・高校生ぐらいのときに読んでいたら才能も知識もまったくない状態でも、何らかの物語を作ろうとしてみた(かもしれない)だろうな。
印象に残った部分
“「信じたい人間だけが、信じればいいのさ。ほかのやつのいうことなんて、気にすることはないんだ」その口調に、私ははっとした。彼もまた、何かを信じるために決して小さくはない代償を支払っている一人なのだ、と思った”(P205)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『ななつのこ』の続編。駒子シリーズ第2作。
駒子と前回の「ななつのこ」作者こと、瀬尾さんとの往復書簡というスタイルは変わらない。
でも、今回は駒子側の手紙の比重が大きく、駒子からの世界が広がります。
日常の謎、ミステリーというより青春グラフティに思える。まぁそいうテイストが「日常の謎」と呼ばれるジャンルなのかもしれないけども。
でもしっかり、一つ一つの章ごとのミステリーはちゃんと解決するし、最後に全体を通じて一つの物語におちつくのはやっぱり素敵。もう安心の領域。
個人的な見所としては2カ所。
有栖川有栖氏の解説。
そして最終章、駒子が瀬尾さんと再会するシーン。駒子萌え萌えです(当時は萌え概念とかあったのかなぁ)。 -
通称『いりごま』こと入江駒子が主人公の「ななつのこ」の続編。
前作同様連作集でそれぞれ完結するが、最終章で共通の物語の謎解きをするパターン。
デビュー間もなくなので、出版社から同じパターンでと言われたのだろうなと想像。
これから別作品を読んでいくうちに同変わっていくか楽しみ。こういう楽しみ方があるから、話題作からではなく出版順に読みたい。 -
この本を読んで、赤いコートを買ってしまった。
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「ななつのこ」続編。今作は駒子が物語を綴っている設定のためか最初は文章に引っかかるところもあったもののやっぱり面白い。前作から続く駒子と瀬尾さんのやりとりに第三者からの不穏な手紙が加わり引きつけられる。
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小さな推理が短編で書かれ、一つ一つがリンクしている。
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ハロー、ハロー!
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解説に書いてあったように、私も北村薫氏の作品とイメージがダブりました。現代の基準からすればかなり純朴な女子大生が主人公で、友人がしっかりしていて、安楽椅子探偵役に年上の男性が登場するという意味ではかなり共通点が多いと思います。
独特の空気感が結構好きなんだけど、差出人不明の手紙の真実はあまり好みではなかったかも。 -
駒子シリーズ2作目。
駒子の大学生活の中の謎を、手紙を読んだ瀬尾さんが
解いていく。
瀬尾さんの洞察力、本当にすごい。
挿入される、謎の差出人からの手紙の謎にびっくり。
物語がそこに収れんしていくなんて。
加納さんのストーリーテリングの才能に脱帽。
『ななつのこ』の優しさの方が好きではあるのだけれども、ね。