魔法飛行 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M か 3-2)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488426026

感想・レビュー・書評

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  • 第2弾
    主人公が好きになれないシリーズって、必ず素敵な子が周りにいる。このシリーズのふみさんとか、たまちゃんとか。 駒子が書く物語を読んでいく。感想と、手紙と、途中混乱もするのだけど、最終話でその伏線たちが回収されていく。 ちょっと無理やりで、最後がダッシュみたいだったのが残念。ひき逃げの謎と、お父さんの現状も欲しかった。

  • 「マルク・シャガールの<魔法の飛行>に描かれているように、軽々と飛び越えていけるよ、きっと」このセリフ、駒子さんの年齢の時に出会いたかった。でも、その頃、意味がわかったでしょうか。

    解説にあるように、男性は「魔法を見せて、と望まれていることを忘れてはならない」。女性は、「愛する男性の魔法を信じて欲しい」きっと、その通りだと思う。それが、私たちは、魔法使いになれる自信を過信してしまったり、「魔法」を最後まで演じきれなかったりする。そして、最後に「魔法」を信じ切れなかったり、時計の鐘が「魔法」を解いてしまったりすることに気づく。
    大人になることは、めんどくさいことを抱えることかもしれない。
    きっと、<魔法の飛行>は、悩んだり考えたりしなくても…、若いっていいなぁ。くよくよしてもダメ。思い切って、エイヤッ。

    ミステリというより、駒子さんの成長物語でしょうか。心の動きや感情、恋愛情緒が綴られている、群像劇。危うさや愚かさ、切なさやあどけなさが哀しい。魔法にかかっているだけ…、かもと。

  • 『秋、りん・りん・りん』『クロス・ロード』『魔法飛行』『ハロー、エンデバー』収録。

  • 【あらすじ】
    妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。ややあって届く返信には、物語が投げかける謎に対する明快な答えが! デビュー作『ななつのこ』に続く会心の連作長編ミステリ。

    【感想】

  • 日常ミステリとしてもそうですが、どちらかといえば悲しい話が多いはずなのに、温かい気持ちになれる。
    登場人物たちの周りを思いやる気持ちが伝わってくるからな気がします。

    有栖川さんの解説も良かったです。

  • ≪日常という繰り返し.満足という停滞.そこから逃れ,私はどこへ行こうというのだろう―≫

    いろいろ感想があるけれど,どれも言葉にできずにもどかしい.

    有栖川有栖さんの解説と,加納さん自身のあとがきが,読後のさみしさと気持ちの高ぶりを軽やかにしてくれた.
    魔法を見たいし見せてほしいし空にもあこがれるしの強欲な自分が,ちょっと恥ずかしい.

    思い出す毎に再読しそう.

  • ななつのこ の続編。前作の手紙のやりとりで謎を解いていく流れは踏襲しています。天真爛漫な駒子ちゃんは可愛らしく、読書家なのも相変わらず素敵。でも続篇は難しい。同じ流れで新味を出すのは至難の技としみじみ思いました。でもよかったですよ。

  • 20160128
    あれっ
    ななつのこ、読んだと思ってたのに読んでなかったみたいでしたわ…
    みたいな続編でした。
    でもこれだけでも楽しめます。
    解説もよかった。

    ななつのこ、読まなきゃな。
    うーん、読んでなかったのかー
    おかしいなー

  • 面白かったけど、なんとなく印象に残らない。

  • 失礼ながら、前作の二番煎じかと斜め読みになりそうになるのを堪えながら最終章で、やっぱり信じて読んで良かったと、星5つです。
    全くの余談ですが、巻末に並ぶ本の宣伝が、ジュール・ヴェルヌ、レイ・ブラッドベリ、チェスタトンとクイーンなんです!素敵ですよね?
    本作の主人公は実際のところ、物語の中の人ですが、その彼女を取り巻く現実の人たち(この本が刊行されるまでに関わった人達全て)の愛情を感じます。本好きで良かった。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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