- Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492520819
作品紹介・あらすじ
世界に示した初の日本発「経営理論」。
感想・レビュー・書評
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日本企業や日本の価値観から捉えた暗黙知•形式知の4プロセスとその整理で要件に関して学べました。
単なる経営理論本ではなく、経済•哲学•歴史、あらゆる教養の知識を前提にしていないと理解して読了するのは困難かもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本企業の成功は「組織的知識創造」、つまり組織的に新しい知識を創り出し、内部で広めた上で製品やサービスとして具体化させる能力、にあるとするのが主旨。
中で紹介される形式知と暗黙知の概念、四つの知識変換モデルは非常に有名。主題理論だけではなく、西洋哲学史からの「知」の変遷についても解説されており、勉強になる。
内容がそもそも難解な上に実例の紹介にもたっぷりと紙幅が使われているために長い。読むにはかなり気合いがいるが、20年以上前の本とは思えないほどに鮮やかな理論。読んで良かった一冊。
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野中郁次郎先生の名著。組織における知識の創造プロセスにおけるミドル・マネージャーの役割をとらえ返している。そうしたプロセスについても丁寧に概念化することで内容に厚みが持たされている。定期的に読み返したい。
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野中先生のSECIモデルを学びたく手に取ったが、日本語版へのあとがきの中の以下の一文がもっとも印象的であった。
『たとえどんなにその情報処理能力が優れていても、人間不在の情報システムが吐き出すものは、データや情報とは呼べても知識とは言えない。なぜなら、知識の背後には常に人間の「思い」がなければならないからである。あくまで人間を中心に、情報技術を知識創造の道具として使いこなさなければならない。』 -
第3章の理論篇、第4章の松下電器の実例のみ精読。
全体的なコンセプトやエッセンスは理解できた。
実際、知識創造経営のプロセスは言い古されており、完全なる真新しい突飛な概念は見つけられなかったのが正直なところである。 -
形式知と暗黙知のモデル、また組織で学習するというコンセプトは、時代が変わっても陳腐化しないであろう。必読の良著
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岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00273753
【 電子書籍版 】
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00605238
これからはどんな企業も「知識創造」をしていかなければ生き残れない。『エコノミスト』等世界の一流誌が絶賛した、世界に誇りうる日本人による初の「経営理論」。 (出版社HPより) -
暗黙知の概念は発明。
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改めて20年以上前の本を再読、やはり良書はさすがだと思う。 文句なしの★5つである。
この本は僕が会社に内定した際に会社側から提供された本の中の一つで当時あまりに感動して、そのままずっと保持している本である。学生から社会人になる際に「こんな知的な本を読むのか、知識創造とはすごいプロセスだ」とものすごく感動したことを今でもよく覚えているし、それは再読した本日も改めて思った。
野中郁次郎先生は、「失敗の本質」を書かれた共著者であったり、スクラム開発の考え方の根本を提示された方であったり、本当に自分の人生に大きな影響を与えた方ですが、先日読んだ「直観の経営」にもありましたが哲学の話、失敗の本質の話、そしてあまりにも有名な暗黙知/形式知のSECIモデルの話含めて、やはり改めて今になってもこの本はたくさんの方に読んでいただきたい。
そんな中で、改めて抜粋する部分は、序文にある。1986年の『The New New Product Development Game』に記載された内容をかみ砕いている。
少し長いが、お付き合いいただきたい。
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1986年の『The New New Product Development Game』の論文の中で、日本企業の新製品開発の速さと柔軟性を描き出すために、「ラグビー」のメタファー(比喩)を用いた。開発中の新製品を、一団となって走るチームがパスしながら進めるラグビーのボールに見立てたのである。(中略)
ラグビーのアナロジーを続けよう。「ボール」に注目しながら、我々が何を言いたいのかを説明したい。チームがパスでまわすボールの中には、会社はなんのためにあるのか、どこへ行こうとしているのか、どのような世界に住みたいのか、その世界はどうやって実現するのか、についてのチーム・メンバーの共通理解が入っているのである。きわめて主観的な洞察、直観、勘などもその中に含まれる。つまり、そのボールの中に詰まっているのは、理想、価値、情熱なのである。
次に、ラグビーで「どのように」ボールがパスされるかに注目してみよう。リレー競争の走者へ手渡されるバトンと違って、ラグビーボールはある一定のやり方では動かない。リレーのように順次線形に動くのではない。ラグビーボールの動きは、フィールドでのチーム・メンバーの連携プレーから生まれてくるのである。 それは、過去の成功や失敗の積重ねの上に、その場その場で決められる。 それはチーム・メンバー間の濃密で骨の折れる相互作用(インタラクション)を必要とする。
その相互作用のプロセスが、日本企業の中で知識が組織的に創られるプロセスによく似ているのである。この本で述べるように「組織的知識創造」は体験や試行錯誤であると同時に、アイデアを生み出す思考や他者からの学習なのである。またそれは、アイデアにかかわるだけでなく、アイデアル(理想)にもかかわるのである。
P115
私がメンバーにいつも言っていたのは、我々の仕事はリレー競争のように「おれの仕事はここからで、お前の仕事はそこからだ」というようなものではないということでした。全員が初めから終わりまで走らなければならないのです。ラグビーのように一緒に走り、ボールを右へ左へパスしながら、一団となってゴールに到達しなければならないのです。
P140
『ハーバード・ビジネス・レビュー』掲載の“The New New Product Development Game”で、今日のように変化と競争の激しい社会では、この重複的なラグビーアプローチは、スピードと柔軟性の点で圧倒的な強みを持っていると論じた。
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このラグビーアプローチ、は、すごくしっくりくるのですが、それがなぜ後日スクラムというメタファーになったか、は、結局よくわかりませんでしたが。