この世にたやすい仕事はない

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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本棚登録 : 1992
感想 : 294
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171360

感想・レビュー・書評

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  • タイトルと表紙にそそられて読んでみた。
    救われる感じがした。

    仕事や人生はいつもほとんどが大変で、おいしいことってのはほんと一握りなんだけど、その一握りのおいしさをお裾分けしてくれるかのような小説だった。

    全然ほっこり小説とかではないんだけど。

    むしろホラーっぽい感じさえあった。

    主人公が淡々と築く人間関係や、それぞれの職場で出会う同僚の人間くささに何度も唸らされた。

    専業主婦になって数年たつ私、結構そういうのを欲してるわ、と感じた。

  • 辞めるのもったいない!と思う仕事ばかりで、ありそうでないところが面白そう。
    お煎餅の仕事なんか特に続ければよかったのに〜とすごく思った。
    あの工場ならどんな仕事でもきっと楽しく出来るよ。
    でもタイトルの「たやすい仕事はない」という通り、どの職場もそれぞれ難しいところがある。 
    お煎餅のラストは、私でもそうするかな…
    悪い人ではないんだろうけどね、ということってどこにでもあって、それは現実も同じだな。

  • およそ存在しない仕事についての内容かと思ったが、どれも職業名では「会社員」になるであろうピンポイントな一仕事がテーマだった。
    主人公が器用なので仕事自体は進んでいくのだが、周りの環境や雇い主の都合なんかで短期の仕事を転々とする。パンノキチップス食べてみたい。
    短編集の映像としても見てみたい。

  • 真面目なお仕事小説かと思いきや、どこもかしこもシュールでリアル。仕事って内容よりも人間関係が影響するのかなぁ。何だかんだ疲れたと感じる人は共感せずにいられないはず。

  • 文章がだらだらしているというか、読みづらい部分があるので万人受けはしないかと思います。

    最初の方は特に淡々と話が進むし、あまり面白くないな〜と思ってたんですが、どんどん主人公の感情や仕事の面白さが出てくるようになってきて
    最終的には励まされているような不思議な気持ちになりました。
    ちょうど休職中に読んだのでタイミング的にもぴったりでした。

    仕事と愛憎関係にならないように、というのが印象的でしたね。仕事に思い入れがあるのはいいけど、いきすぎると自分で自分の首を絞めることになるので気をつけなければ、、。

  • 大好きな仕事を辞めて、未業種の仕事に手をつけた身としてはすごく面白く共感できる部分が多かった。

    主人公の女性は毎回違った変わった職についているのに、仕事ができるというか細かいところに気を配る人だなぁと感じていたが最後の章でその人の職業が分かり、だからか!と感じました。

    一つ一つの話が妙にゾクッとする話ばかりで、特に最後の大きな森の小屋での簡単なしごとは、言い回しやセリフが面白くて気に入りました。

  • 読後感の良い本。さまざまな働きやすそうな仕事を求めて転職し、最後にはつらかった元の仕事に戻る決意をする。
    働きやすそうに見える仕事でも、つらいと感じる箇所はある。
    主人公は繊細な性格をしていると感じ、自分も共感できるところは多かった。

    本にそって、自分も転職して働いたような気持ちになれた。

  • 今の世の中仕事をしないと生きていけないけど、どんな仕事も良い事もあれば悪い事もある。向き不向きだってある。それから辞めることは「逃げる」訳ではない。それは一度肩の荷を降ろすことだったり、自分自身を整理する時間だったり、次へ進む為のステップなんだと思えた。

    「それでええんやと思う、と箱田さんは付け加えたらしい。前におった人も、前の前のおった人も、本筋の仕事でなんかあって公園に来た人みたいやったけど、この仕事で、まあ働けんねやな、と思って、そんでまた自分の仕事に戻ってったらええやん、と。」

  • この本大好きです。津村さんの本最近連続で読んできててどれも好きなんだけど、これは笑いの要素が抜きん出でツボ。ふとした瞬間の主人公のツッコミが最高すぎる。このネタ要素が前面で弾けてるのに、読んでる人、特に働く人にとって救いを与えてくれるような言葉がたくさん散りばめられてるんだよなぁ。そのバランスが絶妙なんだ。
    仕事と自分の心の距離感とか、それより近づいたらマズイってわかってるくせに、頑張っちゃう、夢中になっちゃう主人公がとっても愛おしい。まわりの人のことをいつも好意的に捉えるポジティブさも素敵。

    津村さんみたいな人が友達にいたら、楽しそう。

  •  久々に読破した作品
     内容としては以前の仕事に行き詰った主人公がその仕事を離れて他の様々な仕事を経験することで自分と働くことについて見つめなおすという内容、各章は所々でつながっており個人的には2章の話が面白かった。また出てくる仕事というのは実際はあるのかわからないが、どれも耳にしたことのないものだったので楽しめた。
    しかし描き方が曖昧で私は最後のほうまで主人公の性別を勘違いしていた。
    私もこんなことを感じる日が来るのだろうか、その時私はどうするのか考えさせられる一冊。

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著者プロフィール

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞。2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など。他著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

「2023年 『うどん陣営の受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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