この世にたやすい仕事はない

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.67
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本棚登録 : 1981
感想 : 288
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171360

感想・レビュー・書評

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  • 1話目の途中までは少し読み辛い気もしたが、やっぱり好きだあ、津村さんの作品。

    小説なのだが、いつものエッセイにも似ている。
    特に、思わず笑ってしまう主人公が心の中で突っ込むセリフなどは、エッセイを書いている時の津村さんと重なる。
    いつもの津村さんが、数珠繋ぎのようにネット検索して拾ったネタが、ふんだんにこの作品に活かされているのではないか?と楽しい想像をしてしまう。

    3話の中頃に至るまでは、主人公の性を反対に想像して読んでいたので、3話で主人公の性別がわかった時にはちょっとがっかりしたのだが。
    私が見落として勝手に感違いをしていたのだろうか?それともそのように誘導されていて3話で種明かしをされたのだろうか?前に戻って読み直さなかったので真相はわからないが、なんとなく仕組まれていたような気がする。
    私は騙されていたあるいは感違いしていた方の性別の方が良かった。

    とにかく津村さんの作品は「いるよねこういう人」っていう人物がいっぱい出てくる。
    それは、悪意なく他人の仕事を乗っ取りに来た老婦人も、それに気付かぬ気の良い社長も含めて。
    どの人物も、自分の周りに、すぐに「これはまるで誰々さんだ」と浮かぶような人物がいるわけではないのに、それでも、「わかるわかる!」という感じなのだ。

    ところで私はブクログのレビューで、「作者」と言ったり「著者」や「○○氏」と書いたりするのだが、自分なりにはっきりとその使い分けの定義があるわけではない。
    しかしながら、気付けば今、津村さんは私にとって津村さんなのだ。
    これは失礼なことなのかもしれないけれど、私の中ではもの凄い賛辞としてである。

  • あれ?
    そうなっちゃうんですね。

  • エッセイは楽しく読んだことがあったが、芥川賞に対する拒否反応が強かったため小説は初めて。エッセイで好きだなぁと思っていたそこはかとないユーモアを感じる連作短編集。様々な「おしごと」も、タイトルも秀逸。面白く読んだ。

  • タイトルからもう最高だって思って読み始めた。
    14年勤めた会社をやめた主人公、5つの物語に5つの仕事。リアルさと、ファンタジーっぽさのバランスが絶妙で、仕事に対する思いは身につまされるところもあった。主人公のぐるぐる考えすぎちゃうところや、えいやっとエンジン掛けてやるところは好感持てて良かったな。
    津村さんの作品本当好きだー。

  • 津村記久子=お仕事小説得意な作家さん、というイメージ。
    そんな津村さんの最新刊はお仕事ファンタジー小説!
    面白くないわけがないじゃないですか。
    初めのみはりの仕事からつかみバッチリ。作家の自宅にとりつけた隠しカメラの映像を一日分ずっと見つづけて不審なところがないか見張り続ける仕事なのだが、寝てるとき以外は早送りしてはならない。仕事に慣れたら2日分を一気に監視することが可能。目的は当事者も気づいていないマル秘なブツが隠されていることがわかっているのでそれを発見すること。気がおかしくなる仕事を実にコミカルに描いている。
    それと好きだったのはおかき袋の仕事。

    津村さんご本人がこんな仕事あったらなーと思いながら書いたそうです。どんな仕事でも、楽そうに見えてもたやすくはないのだなと。

  • タイトルを見て期待し過ぎた。
    本当に面白くない
    逆によく書けるなというほどに終始面白くなかった

  • ただ今、私自身も求職中なので
    これから出会う仕事と人間関係を
    少し身に染みながら(笑)読んでました!
    ハローワークの方から私も本のように仕事を紹介されたいです(笑)アシュトンカッチャ~のくだりらへん好きです。

  • すごく面白くて1日で読み終わった。この著者の他の本も読んでみたい。

  • 今の時代、こんな仕事内容はないだろう!とツッコミたくなる。転職重ねて最後は始めの仕事に戻る気になれてよかった

  • 不思議な感覚。どんな仕事も不思議な事が起こる主人公の話。

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著者プロフィール

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞。2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など。他著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

「2023年 『うどん陣営の受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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