この世にたやすい仕事はない

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532171360

感想・レビュー・書評

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  • こんなに時間をゆったりと使う仕事もあるんだなぁ。

    読みながら、ふじこさんに相談したり、無性におかきが食べたくなりました。

  • まさにタイトルの通り。
    一見、簡単そうかな?と思えても、実際やってみると何でも難しい面は出てくる。それが仕事、労働というものだと思う。

    それにしてもこの世にこんな仕事があるとは。。本当に、この世の中は自分の知らない色々な仕事があって初めて成り立っているのだなと感じた。
    子どもが高校生大学生とかになったら読ませたいな。

    短期間で色々な仕事を経験し、最終的にはもとの職種に戻ろうとしている主人公にも、なんだか共感が持てた。

    心に残った一節↓
    「でも、何ヶ月も森の中でただ一人で暮らしてみて、自分が食べるためだけに一日中行動し、眠るという生活は、安らかでそんなに悪くはないけれども、物足りなくもあるんだな、と思うようになった」

  • 『そういうものだろ、仕事っていうのは』を読んで、津村さんの作品をもっと読みたくなって、どうせなら仕事つながりの本にしようということで読んでみた。

    登場人物がみんな、こういう人いるなぁ、って思えるからこそ、どんどん読み進めてしまう。
    主人公はどんな仕事に落ち着くんだろうと思わせつつ、最終章でちゃんと回収されている。
    こんな仕事してみたい、この仕事は自分には無理だな、こんな人と働いてみたい、正門さんに仕事紹介してもらいたい、って最後まで楽しみながら読めた。

    また違う作品も読んでみよう。

  • 読んでいてほっとするし、今の仕事も悪くないかなと思える。自分が何を仕事に求めるか、そんなことを少し考えさせられる話だった。

  • ヤマシタトモコ先生の今読んでるというツイートをきっかけに読んだ。
    最初の1,2章は非現実と現実の間にあるような内容で不思議な感じがあったが、3章で主人公が直面したことには感情移入してしまった。
    仕事で周囲の期待に応えられない焦り、会議に呼ばれないなど自分を軽視される怒り、ポジションを奪われる恐怖が淡々と書かれていてそれが逆に生々しく感じた。
    すごく嫌な上司とか、大失敗とかがなくても、こういう些細な出来事の積み重なって、追い詰められて逃げ出してしまうことになるんだろうなと思った。
    主人公はいろいろな職を転々として、最終的に元の仕事をまたしたいという気持ちを取り戻せたのがよかった。
    ずっと同じ職場で熱意を持って働き続けることもよいけれど、ある仕事をしながら別の目的を持つことや、一方で逃げだしても、それもまた一つの道なんだなというある種前向きな気持ちを持てた。

  • 長く務めた仕事に心が折れて、けれど食べていくためには働かねばならない。
    紹介された仕事(短期だたり長期予定だったり)をしながらその都度辞めていく。(けれど最初の仕事と違って心が折れてやめるわけではない)
    謎解き要素がありながらも自分と向き合い再生していく様が描かれている。
    そう、この世にたやすい仕事もないし、みなプライドを持って生きているのだ。
    本筋(元々いた職種)と違う人たちと出会ってその広がりを感じる様は何だか人生って感じがしてそこはかとない希望が持てる。

  • タイトルと装丁から、お仕事小説だろうことは(もしくはルポ)想像していたけれど、それのはるか上を行くどっぷり具合でした。


    ・みはりのしごと
    ・バスのアナウンスの仕事
    ・おかきの袋のしごと
    ・路地を訪ねるしごと
    ・大きな森の小屋での簡単なしごと

    の連作短編5篇。
    「おかきの袋のしごと」のサイケっぷりがヤバかったです。
    敢えて言います、ヤバかった。

    【本文より】
    ・みだりに人を軽く見ることが明るみに出るのもこっぱずかしいもんだと思わせることができたら幸いである。

    ・同僚の性格の良さというのは、あくまでエキストラなものと考え、まずは自分が合わせられる程度の集団を探しましょう。

    ・どの人にも、信じた仕事から逃げ出したくなって、道からずり落ちてしまうことがあるのかもしれない、と今は思う。

  • この人は真面目で仕事ができる人なんだろうな。
    一度も聞いたことがない仕事ばかりで、楽しく読めた。

  • 仕事に迷ったら読むべき本なのかと思ったら、ちょいちょい笑かしてくれる本だった。パンノキチップス食べてみたい

  • 「バスのアナウンスのしごと」「おかきの袋のしごと」が特におもしろかった。自分の仕事に迷うところからこの本を手にしたが、この小説は感情移入するとかではなく、話の中の仕事の不思議さやちょっとした気持ち悪さにはまってしまった。津村さんの考えてくれるお仕事がもっと読みたい。

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著者プロフィール

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞。2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など。他著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

「2023年 『うどん陣営の受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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