- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532264345
作品紹介・あらすじ
日本人と外国人、高齢者と若者、資産を持つ者と持たない者、
家族のいる者といない者、正規社員とフリーランス……
日本社会の分断はコロナ・ショックを契機にこれからどこに向かうのか?
どうすれば私たちはこの危機を、日本社会再生のチャンスに変えることができるのか?
「日経ビジネス電子版」で毎回論争を巻き起こす人気連載を緊急加筆のうえ新書化!
感想・レビュー・書評
-
人や社会とのつながりや相互の思いやりが大事という最後の部分の主張はその通りと思うけれども、でも、それって当たり前のことではないの?と思う。
今の日本の社会課題、本書では、介護・雇用・貧困・格差等は、コロナの状況によって、より明快に炙り出されたけれども、コロナが原因ではなく、コロナ以前からの社会構造の問題であると言う主張も当たり前すぎる。
多くの人が当たり前と考えていること、どこかで既に聞いたことのあるようなことを繰り返しているに過ぎない気がする。薄っぺらさを感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あと10年経過して過去を振り返った時、今年2020年という年は分岐点になったと誰もが思うことでしょう。緊急事態宣言は4月上旬に発令されて1か月ほどで解除されましたが、私が勤務する会社では2月下旬から在宅勤務が始まり、現在(2020.9)も継続しています。
それまで自分で電話会議を設定したことは殆どなく、最初の頃は手惑いましたが、そのような生活も一か月もすれば慣れてきて順応できた自分にも驚いています。
またこの本のタイトルにあるように、平成の世が過ぎて令和の時代になっても「昭和おじさん社会」が続いていたことを改めて感じさせられました。しかしこの時代も終わりを告げようとしています、娘たちの行動を見ていると明らかにしょ和の私とは異なりますので。
以下は気になったポイントです。
・今の社会のしくみは、1970年代高度経済成長期の「社会の形」を前提につくられたもの、長期雇用の正社員・夫婦と子供二人の4人家族・ピラミッド型の人口構成であるそれが1990年代を境にすべて変わったにもかかわらず、昭和のまま(P5)
・雇用の形、家族の形、人口構成の形は、1990年代を境に大きく変わったのに、実態に向き合ってこなかった、これまでだましだましやり過ごされてきた問題がコロナ禍をきっかけに表面化した(P32)
・母語である日本語で思考できないことを英語で話すことはできない、言語と思考とはお互いに結びついていて母語により私たちは目に見えないものを概念として把握し知覚する、精神的な世界は言葉がないと成立しないし、目の前に見えているものでさえそれが何かを理解できない(P61)
・1986年の厚生白書に発表された、社会保障制度の基本原則は、健全な社会とは、個人の自立・自助が基本でそれを、家庭・地域社会が支え、さらに公的部門が支援する三重構造の社会であると明記されている(P76)
・経営者と対等な契約をするには、専門のスキルと完全な成果主義に耐えられる胆力、何があっても絶対に生き残ってやるという野心が求められる、悪い時には最低の生活をするというリスクを覚悟した上での働き方である(P99)
・フランスや欧州等(イタリア、デンマーク、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ)では、非正規雇用には不安定雇用手当があり正社員より1割程度高い賃金が支払われている、EU諸国には原則有期雇用は禁止で、できる場合も制約を明確に決めている場合が多い(P133)
・日本は同一労働同一賃金において「均衡」を重視している、世界の常識は「均等=差別的取り扱いの禁止」である。均衡とは、処遇の違いが合理的な程度及び範囲にとどまれば良い、とするもので、年齢・責任・経験・異動・転勤等の理由をつければ違いがあっても問題はない(P134)
・ペストは近代の陣痛と呼ばれ、14世紀の流行では、中世社会の崩壊をもたらし、資本主義と自由経済の始まりとなった。今度のコロナ禍では、異動の制約と人との接触を禁じられた私たちは「会わなくてもいい社会」をつくり出す動きを急速に始めた(P150)
・コミュニテイの最小単位は「家族」とされているが、「会話」と考える。たとえ血が繋がっていても会話がなければコミュニティではない、反対に血が繋がっていなくとも会話が存在すれば「家族のような:コミュニティになる。会話がつくるコミュニティは、メンバーがお互いの存在に価値を感じ、自分の貢献がメンバーにプラスに波及すると信じられる集団である(P157)
・いつの時代も人を豊かにするのは「無駄な会話」であり「無駄な時間」であり「無駄な空間」である。たわいもない会話をする中で、それまで知りえなかった一面を知り相手との距離が縮まることがある、思いもよらぬアイデアが浮かぶこと、親近感がわくこともある(P162)
2020年9月22日作成 -
戦後の日本が絶頂期を迎えたのは1980年代。株価も土地もうなぎのぼり、メイドインジャパンは優れた製品の代名詞となった。国民の給料は上がり続け、マイホームを持ち、世帯を持ち、老後も年金でエンジョイ。
今じゃ考えられない「昭和」という時代があった。その時代の日本を引っ張ったエリートは引き続き、平成の時代でも陣頭指揮を取り続けた。
しかし、昭和頭の彼らは変化する社会に適切な対応を取れていない。成長し続けることのない現代社会での様々な問題、非正規社員、ワーキングプア、介護、ハラスメントなどに真剣な目を向けることはない。
一例をあげれば、経団連は「終身雇用」が今の時代には合わないと否定した。が、「終身雇用」は定年まで雇用するから、その代わりに低い待遇で労働者に働いてほしいという企業側の都合によるものだ。多数が望んだのではなく、一部のエリートたちの理念である。それを臆面もなく否定する「昭和おじさん」たちを著者は批判する。
そして、令和にコロナショックが発生。この社会を揺るがす大問題にも、昭和おじさんたちの無責任さは発揮されるのか。それとも、社会経済の分岐点となるのか。 -
昭和おじさん社会と言うのが何を指すのだろうか?よく分からない。本書に書かれている多くの問題点は事実なんだけど、その解決に向けて「人とのつながり、社会との関わり、生命の尊さ。それらの大切さに気づくことが、生きる力を高め幸福感をも高める。」というのは楽観的過ぎると思う。
-
タイトルに惹かれて読んだけど、ちょっとイメージと違かったなぁ。
昭和時代を引きずったままだった日本経済の在り方の問題がコロナで浮き彫りになったという話。
緊急事態宣言が終わった途端オンラインや時差出勤をやめたり、印鑑社会から抜け出せなかったり、という昭和おじさんの話かと思ったら違った。
引用が「○○」と専門用語や理論の羅列が多すぎて文章のつながりが悪く、サラッと読みにくい。
-
パラパラと読むことができた。
コロナがパンドラの箱になって
いろんな問題が顕在化したってゆうはなし。
①失業者のうち失業給付を受けてない人の割合は、77%
②非正規雇用者の雇用保険加入率は67.7%
③緊急事態宣言後の正社員のテレワーク実施率は27.9 %
④子供のいる女性の就業率52%のうち正社員は8%
⑤子供をもつ女性が働く目的で圧倒的に多い理由は家計のためが86%
⑥学校が休校となりオンライン授業などが導入されたが公立学校の実施率は5%
これを全問正解できたのは200人中一人だったらしい。
私もわからないことたくさんあった。
知らないって怖いとおもう。 -
昭和のエリートが陣頭指揮 平成にまでその形が引き継がれてしまった
否定しないこと≠肯定 ちゃんと現実を受け止めること
日本的経営 =人間中心、長期視野、専門スタッフが経営スタッフの下の関係
経団連 =同質集団
最低賃金で働く人が2007年からの10年で4倍に (実質最低賃金は20%アップ)
正社員前提の社会
平均所得金額以下の世帯 62%
「働く」ことは「生きている」という実感
「頼れる家族」がいない
コミュニティ=会話
生産性? 人を豊かにするのは 無駄な会話、時間、空間
SOC=Sence Of Coherence 首尾一貫感覚
1.一貫性(自分が大切な人だと感じる)
2.負荷のバランス(必要なリソースにアクセス可能)
3.結果形成(周囲への影響)
他人力 HOPE・・・人を救うのは人 光を見出す存在になれる -
並な感じです。