良い値決め悪い値決め: きちんと儲けるためのプライシング戦略

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.59
  • (13)
  • (21)
  • (22)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 261
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532320171

作品紹介・あらすじ

原価率300%でも儲かるのはなぜ?×売上げを増やすためには、値下げは効果的だ。×価格決定はコストから考える。×「ライバル会社よりちょっと安い」を目指す。×「良いものを、より安く」と考えている。×どうせヒマなら、安値でも稼いだほうがマシ。-こんな古い「値決めの常識」は捨ててしまおう!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アナログは価格が下がりにくいがデジタルはすぐに下がる。

    デジタル、オンライン、グローバル、な環境は価格が下落する。

    コンピューター、英語、会計は幻だった。

    デジタルからアナログへ、オンラインから共感へ、グローバルから居心地の良さ、へ。

    変動費比率が低く(固定費比率が高く)、値下げによって販売数量が大幅に増えること。100円バーガー。

    セット販売=バリューセット
    ジレットモデル
    無料と有料を組み合わせる

    ゴルフ場の朝食無料サービス=遅刻がなくなった
    家族間通話無料=家族間では長話しない

    O2O=オンラインとオフラインの組み合わせ。
    本を書いて講演で儲ける

    半額で売るより、3個買えば1個無料、のほうがお得感が強く、かつ儲かる。

    俺のイタリアン、原価率の高いものを進める=宣伝費と考える

    英語力が不足する、ではなく、完璧な日本語が話せる

    20時まで半額、実態は20時過ぎたら倍になる
    夜だけ200円増し、ではなく昼間は200円引き、と書く。

    BMWの伝説のディーラー林文子。車とともにある人生を売る。頼りになる先輩、というアンカリング。

    サーロインステーキ2000円、サイコロステーキ1400円、だとサイコロステーキが売れる。
    これに、サーロインステーキ150g2000円、サーロインステーキ200g2000円(今だけ)、サイコロステーキ、とするとサーロインステーキが売れる。
    真ん中のものが売れる。わざと高いものを作る。

    あらかじめアンカリングを打ち込む。得をした気分にさせる。

    アンカリング+返報性で交渉する。
    間をとる、のは返報性の現れ。

    行動経済学=ビジネス心理学。
    保有効果=自分の持っているものは価値を感じる
    得するより損をしたくない心理=明らかに損をする選択肢をわざと提示する。それ以外は得をする選択のように見える。

    悩みを引き取る、共感する、問題解決の提案をする

  • 発行から10年弱経過していて、例などが古く感じるところもあったけど、
    デジタルな時代だからこそ、アナログに勝機があるかも、と自身の仕事においても改めて考えてみたいと思った。

  • 参考になる考え方もあったが期待ほどではなかったかな

  • なるほど為にはなった。色々な考え方を知ることができたという意味で。
    でも、書いている人は公認会計士だそうだから、同じような業種としてもっと具体的に、ではどうやってあなたは高い値決めをやっているのですか?ということを詳しく知りたかったのだが、他の業種業界の話がメインで、今一つ自分の仕事には落とし込めなかったのは残念。
    でも、考え方の端緒はもらえたように思うので、明日から実践だ!


  • もんのおぉすんごい良書。多分これから何度も読む。出会えてよかった。
    学びの例を挙げると、プライシングミックスは営業目線でも使える。複数ポートフォリオ持ってる企業が得意な技。Amazonはこれで競合ブッ◯してるやーつ。


    100円バーガーの話
    1994年までずっと210円だったハンバーガーの価格を、半額以下の100円にまで引き下げた値下げ。この値下げでマクドナルドは大幅な増益を達成しました。セール期間中の経常利益は5倍になった模様です。
    →売る個数を増やして固定費を分散する。固定費を回収後、ハンバーガー1個あたりの粗利×個数で利益を得る。
    →変動費以下の値段をつけたら売れば売れるほど赤字。よって、変動費が大きいと値下げしにくい。変動費小さければ値下げ幅が大きくなる。
    →しかし、値下げ後に増大する販売数による利益が、元の利益より大きくならないと値下げの意味はない。

    値下げ戦略成功の条件
    ①変動費の比率が低いこと②値下げによる販売数量の大幅増加

    プライシングミックスの方法
    限界利益率高い製品と限界利益率低い製品を一緒に売る
    高いジュースとポテトと低いハンバーガーをバンドルするハッピーセット。前者で儲ける。

    限界利益率低い製品を一度、付属する限界利益率高い製品を継続的に売る
    カミソリと替え刃。替え刃で儲ける。

    基本無料で有料機能バンドルでも売る
    iCloudの容量プラン。限界利益率高い方がやりやすい。



    営業活用
    安い値段でアンカリング(基準額提示しない。)
    そのために、
    ・高い値段→低い値段提示で、お得感と潜在的な不満持たせない。後から値上がりすると不満持つ。
    ・購買時は比較したい傾向を利用。製品ラインナップ(松竹梅)を一気に出すのではなく、松出して竹出せば比較ができる。(最初から竹買わせたい場合効果的。)
    ・松竹梅を準備。松は竹を買わせるために存在。
    ・返報性の原理。竹を買うことで、損失はお互い様という状況つくり。(買い手は梅ではなく少し高い竹を買い支出大きくする。売り手は松の利益ではなく竹を売ることで利益を小さくして我慢。が、実際は竹狙いであるため問題なし)
    ・所有への愛着認識する。営業するとき過去の所有物を蔑ろにしない。
    ・メリット創出よりデメリット回避が顧客に響く。たとえば、1万円拾うと落とすでは後者の方が記憶や気持ちに残る。後者を和らげる営業する。ヘアトニックより育毛剤。

    ・見せ方
    シューズに3マンは高い。→歩くフィットネスジム、と伝えることでジムを考えると高く感じなくなる。

  • プライシングの本はなかなかなく、心理学寄りか、原価計算の物になるので、バランスのいい本。
    事例は古いが、基本は同じなので役立つと思う。最近だとサブスクリプションやビジネスモデルなどの本が近いと思うので、そこら辺を読んだ人が会計をかじるのにいいかもしれない。

  • 最近、文庫版が出て、気になっていたので、読んでみた。C2Cのプラットフォームが出て久しく、価格のダイナミズムは昔よりも増している気がしている。
    本書は会計事務所の方が書かれているだけあって、管理会計の見地からの値決めの本である。
    MP > FやDOGからCATなど、印象に残りそうなフレーズが多かったが、基本的な価格の構造に関する本という印象。
    個人的にはもう少し経済学の需給バランスみたいな視点も欲しかったなということもあり、星は3つで。

    ◾️目次
    第1章 売上重視が、会社を不幸にする犯人だった!
    第2章 ドッグ(DOG)ビジネスは「無料」に向かう
    第3章 値下げが成功する場合、失敗する場合
    第4章 そろそろ「値決めの哲学」を持とうじゃないか!
    第5章 顧客満足「高」価格をつくる「まぜプラ」
    第6章 顧客に心地良いサプライズをつくる「ここプラ」
    第7章 トップセールスに学ぶ、比べさせて売る「くらプラ」
    第8章 顧客の困りごと、悩み、不満を和らげて2.5倍売る「やわプラ」

  • MP=FやDOG&CATなどかなり参考になった。
    B2Bの話題もあったので個人的にも有用。

  • 値付けは商売の根幹。

  • ・ 企業がつまずくのは、正しい問いに間違った答えを出すからではなく、間違った問いに正しく答えるからである
    ・ DOG(Digital/Online/Global)は、性能・機能などのスペックを競い合う男性的な競争の場
    ・ CAT(Cozy/Analog/Touch)は、楽しさ・心地よさを分かち合う女性的な共感の場
    ・ マクドナルドは190円で失敗したからこそ、その失敗から「中途半端な値下げではダメだ」という教訓を得たのでしょう
    ・ 値下げ戦略の成功条件
    ① 変動費の比率が低いこと(固定費体質であること)
    ② 値下げによって販売数量が大幅に増加すること
    ・ 恋の始まりや値下げに理由は要りませんが、離婚や値上げには理由が必要なのです
    ・ 3つの値決めゾーン
    コスト回収価格:自分が主人公
    ライバル価格:ライバルが主人公
    満足「高」価格:顧客が主人公
    ・ DOG環境は「無料がまじると最高!」名安さを求める世界。CAT環境は「楽しさがまじると最高!」な快適さを求める世界
    ・ 顧客は、価格を比べることで高いか安いかを判断します
    ・ 比べられないゾーンをつくることでアンカリング・インポッシブルな状況をつくることができる
    ・ 相手にとって「不利」なアンカーをはじめに打ち込むのが交渉を成功させる秘訣
    ・ 引き取る・共感する・課題解決のステップでつくるCAT空間
    ・ これを選ぶと損するよ、と明確にわかるようにしておくのが、メンタル・デコイのうまいつくり方なのです。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1963年、三重県生まれ。作家、公認会計士。田中靖浩公認会計士事務所所長。早稲田大学卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て現職。中小企業向け経営コンサルティング、経営・会計セミナー講師、執筆、連載を行う。著書に『会計の世界史』(日本経済新聞出版社)、共著に『お金にふりまわされず生きようぜ!レストランたてなおし大作戦』(岩崎書店)など多数。

「2022年 『会計と経営の七〇〇年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田中靖浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
佐々木 圭一
ジャレド・ダイア...
ベン・パー
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×