「本物の営業マン」の話をしよう (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569796215

感想・レビュー・書評

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  • なんかものすごく営業テクニック的な話なのかなぁと思ったらそうではなかったという点で肩すかし。
    割とありふれた話が多いというのと、たぶん他の著書からの焼き直しが多いのだろうなぁということではちょっと残念だったかなぁ。
    初期の著書を読んでみないとなんとも判断はできませんが、タイトルのパクリ方といい、出版社の陰謀を感じざるを得ません。

  • 大手で働く営業マンをメインターゲットに語る本書。

    営業とは物を売る「販売」ではなく、事業を営むということで
    市場や顧客を知ることのほか、あらゆる能力・人間力が必要となる。

    前半は消費財の営業と生産財のマーケティングで異なるなど、
    実務的な内容となっており、

    後半は、他の佐々木氏の書籍を読んでいる方なら
    おなじみの哲学で(ケントキースさん、土光 敏夫さんや、蝶理の同僚の言葉で引用されている内容等)、被る事も多い。
    (当然嫌な気はしない、著者の考えに一貫性があるということ。)
    営業職以外の人も手にして損はない一冊。

    話は少しそれるが、佐々木氏の書籍全般に言えるが、自身の経験に基づくことからの内容なので(当たり前だが)ターゲットは大手で長く働くサラリーマンが対象となっている。
    そうではない米国式ローリングストーンな方、零細やベンチャーやスタートアップで働く場合は、自分なりのアレンジを加えて解釈するべし。
    もちろん自分がどんな場所にいるにしろ、大きな志や自己研鑽が必要なのは言うまでもない。

  • 本物の営業マンとは?

    →営業とは売ることではなく、市場や顧客を知ること
    顧客ニーズは、人の後追いではなく自分で探して見つける
    顧客ヒアリングにおいて、事実は何かをきちんと把握する
    そのためには人間力を高め、真摯であることが重要

  • 会社の収支に直結する業務の1つに営業があります。

    営業と言うと、セールスマン的なイメージが
    浮かびますが、実は良く考えると奥深いものです。


    本日ご紹介する本は、

    営業を根本から見直すための1冊。

    営業とは「利益を得る目的で、継続的に事業を営むこと」
    そう考えるとかなり広範囲な業務であることが分かります。

    本書では営業の仕事の本質とは何かを解説しています。
    「5年先のニーズを読め」
    「『売る』よりも、『作る』努力が大事」
    「力の半分は社内に向ける」
    「営業マンは会社の司令塔」
    など、参考になる考え方がたくさん掲載されています。


    「次を考える」

    売れるのが当然の商品は誰でも売れます。
    商品が売れている間に、次に売れる商品を見つけ、
    開発し、販売ルートを築いたり、
    世の中に知らしめたりすることが重要です。

    価値があると思えるものを早く見つけ
    競争力のある値段で出せば、顧客は喜んで買います。


    「全員で変化を共有する」

    大事なことは顧客や商品に対する動きの変化をつかむこと。
    そして、その変化を共有すること。

    業界がどうなっているか、
    取引先はどんな問題をかかえているか、
    この状況で打つ手は何かを共有し
    常に考えることが必要です。


    「取引先の状況を常に把握する」

    営業マンは、担当する取引先について、
    「今、何に困っているのか」
    「どんな営業環境になっているのか」を
    いつも知っておく必要があります。

    それを知っておくことで
    少し先に何が必要かがわかり
    事前に手を打つことができます。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    営業=利益を得る目的で、継続的に事業を営むこと
    売れる商品の見つけ方=エンドユーザーが何を考えているかキャッチすること
    ちょっとした変化や、顧客の言葉を書き留めて、電車の中や待っている間に読み直す
    事業再建で最も大事なのは、「事実は何か」。それさえ明確であれば再建策はおのずとできあがる
    数字も大事だが、なぜそのような結果になったのか、その具体的内容の分析とそれを踏まえての対応が重要
    業界がどうなっているか、取引先はどんな問題をかかえているか、この状況で打つ手は何か を常に考える
    営業担当は優れたプロの人間が遂行する仕事、営業担当のレベルがその会社のレベルを決める
    「今後絶対にこういう商品が求められる」と確信が持てれば、次は自分の会社がそこにどのようにかかわっていくかを考える
    営業マンは、担当する取引先について、「今何に困っているのか」「どんな営業環境になっているのか」をいつも知っておかなければならない
    経営していくうえで大事なものは、「仕入れ先」「販売先」「従業員」
    今は無理と思えることでも、「こんなものがあってほしい」と思えるものは実現化を目指し追い求めるべき
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    第1章 あなたは本物の営業マンか
    第2章 事実をつかむことからはじめよう
    第3章 鍛えるべきは社内営業力
    第4章 “人柄のよさ”だけでは戦えない
    第5章 顧客を幸せにして、自らを磨ける仕事
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image02.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/2ad1954e578009d7.png
     

  • それでもなお、愛しなさい
    悪いことは、良いことのためにのみ起こる
    上を見て生きろ、下を見て暮らせ
    自分がこうなりたいと考える以上の人生は送れない
    人は自分の器どおりの人生しか歩めない。左遷されても社長の器の人は、それをバネにいずれ社長になる。左遷されたことを恨み、そこで腐って終わるようなら、それはそれでその人の器なのです。
    人間力を高めること
    どこまでも真摯であれ

  • ビジネス書を読んだのは初めてなのだが、ごりごりの営業理念でも説かれるのかと思いきや、むしろ自分らしくあれという指南書のようだった。「営業とは顧客を幸せをもたらす行為」といい、客の言いなりになったり、その場しのぎの売り方はするなという。顧客などの売り手ばかりでなく、開発者や工場にも出向き、顧客のニーズを還元するのも営業の役割であること。そして開発者や製造者とのパイプを持つことが、いざというときに顧客に説明するときの足掛かりにもなるということ。当たり前かも知れないがなかなかできないことを語っていく。むしろこういうのを営業部長とか会社のトップが読めばいいのになあ、と思う。この著者は息子に障害があったり、奥さまが鬱病になったりして、様々な修羅場も潜っているからか、人に伝えようという力が強く、文章として非常にわかりやすい。営業経験のない私にもいろいろ考えさせてくれる本だった。

  • すばらしい人なのだと思う。会社経営という一段高い場所から仕事をされた事、そのことから学んだ事を書かれていると思う。営業も御自身の経験で書かれているのだと思うが目新しさはない。

  • 2012/5/14

  • 本書は色々なビジネス書や難解なビジネス書を読んだ後、「要は何なの?」と思った時に読むといいのではないかと思います。

    以下、感想。

    本書の一番のポイントは「人として当たり前のことは当たり前にやろう」だと思います。こう言ってしまうと、何やら簡単に聞こえてしまいますが、実はこれが一番難しい。

    仕事でも、勉強でも、スポーツでもそうかと思いますが、何かを始める時には膨大なエネルギーが必要とされます。しかし、そのエネルギーは、新しく始めたことへの期待や興味によって賄われ、新しいことへの挑戦に対し、形容し難い満足感を得られると思います。

    私も新人1年目なので、膨大で未知な情報に圧倒されながらも、その一つひとつに触れることが楽しい、情報が繋がって理解できて嬉しいなどと感じ、明日への期待、未知なる情報への興味を毎日感じています。

    しかし、いつかはこれらの刺激に慣れる時が必ずくると思います。そんな時に、「何でこんなことしてるんだっけ?」という状態にならないためには、物事の本質や本来の目的を意識し直すことが重要だと思います。

    「人として当たり前のことは当たり前にやろう」

    これは営業をするにあたって、「何でだっけ?」状態に陥らないようにするために意識すべき本質なのではないかと感じました。

    このことを忘れずに今日も頑張ろう。

    以上

  • 会社では営業職一筋です。暗黙知は無くとも、整理する意味を込めて自分なりに自分の所属する営業マニュアルを作るとしたら、どのようにまとめるか?
    そのような気持ちを持って読むと参考になる原則がたくさん書かれています。
    ノウハウな箇所は営業の形が違うので(作中の言葉を借りると、著者は生産財ですが自分は消費財)腹に落ちない部分も多少ありました。自分の営業観を創る上で参考書となり得る一冊です。

    以下に学びのポイントを列挙します。

    第一章 あなたは本物の営業マンか
    ◉広義の意味で『営業とは事業を営むことである』
    ⇨事業を営む上で大事なこと
    ・現実を正しく掴む力
    ・それを関係者に伝える力
    ・何を為すべきかの構想力
    ・確実に実行する力
    ◉生産財と消費財ではマーケティング手法が違う
    ◉営業=「顧客の支持と満足を得る全社一丸の組織作り」
    ⇨目的:モノやサービスを売って会社に利益をもたらす事
    ⇨管理職と担当者では求められる営業のやり方が違う。
    ‥‥視野の広さと深さ。管理職では広さ、担当者では深さが求められている
    ・最終判断を下すのは管理職だが、判断材料を提供するのは担当者。
    ▶顧客が何をいくらでどれだけ買いたいかによって企業の活動が決まる。
    営業とはそのことを素早く掴み、利益を上げる活動である。
    ◉営業は「売る」ではなく「知る」が基本
    ⇨常に顧客の視点から、現実を見て事実を知るのが基本
    =ファクトファイディング
    ▶「数字」の読み方に通ずることが重要
    ⇨売上推移、利益管理、業界・市場動向を数字から認識する能力
    ◉営業と販売は違う
    販売=単に商品を売ること
    営業=継続的に事業を営む
    ◉営業の真の役割は客は何を提供したら喜ぶか?の「何」を見つけること
    ⇨商品が売れるたのは、営業の努力以上にそれを作った人の功績が高い。
    売れている間に次の売れる商品の土台を築くのが営業の仕事。
    ・土台とは需要のある商品は何か?販売ルートを開拓する、認知を高める事
    ▶売れる商品を見つけるにはエンドユーザーが考えている事をキャッチする
    ▶上手くいかないときは「今のやり方は間違いか?」と立ち止まること
    ◉礼儀作法という基本的なことを出来る人が「人間力のある人」
    ⇨人との付き合いは時間の長さではなく、その密度で決まる。

    第二章 事実を掴む事からはじめよう
    ◉情報を掴む為に必要な考え方
    ▷「市場に聞く」とは、今起こっていることを理解し、将来を予測する事
    ▶需要の無い商品をいかに売るかより、需要のある商品をいかに作るかが大切
    ◉5年先は見える
    ⇨現実、変化などをメモする。
    ⇨昨年、今年を見比べる
    ⇨消費者に近いところの話を聞く
    ◉会話の中から相手の本音を汲み取る
    ▷優秀な営業マンの腕
    ▷接待は本音を聞き出す手法の一つ
    即効性は求めない。
    いずれ役にたつ話、関係を深めるためのモノ
    ◉情報は疑うことから始める
    ▷情報から仮説を立てて、結論を検証していく。「事実は何か」が重要になってくる。

    第三章 鍛えるべきは社内営業力
    ◉社外の要望を社内で応える形にするのが社内営業力
    ⇨営業は会社の司令塔
    ▶営業力を最大限に発揮するには自社、商品について精通することが必要
    ⇨原価を知るのも一つである。
    ▷営業は商品に関する情報を全て握り、方向を決めなければならない
    ◉力の半分は社内に向ける!
    ⇨働きかける相手を見極める
    ◉営業の成否は準備にかかっている
    ⇨事前のリサーチ
    ⇨社内のバックアップ体制の構築
    ◉営業マンが自分の範疇を超えた案件を抱えこんでいては、顧客は会社そのものといつまでも取引出来ない
    ◉接待すべきは裏方部署
    ◉生産部門と営業部門の共通言語は「利益」
    ⇨営業は生産工程を頭に入れておく
    ⇨共通言語で語る
    (利益で事象を考える)

    第四章 人柄の良さだけでは戦えない
    ◉尊敬される人とは常に相手の立場で物事を考えられる人
    『部下力』‥‥上司を上手く使う能力
    ①上司の注文を聴く
    ②上司の強みを生かす
    ③上司に応じたコミュニケーションの仕方をする
    ④上司を驚かせてはならない
    ▶苦手な上司を避けてコミュニケーションを避けては関係は築けない
    ▷『顧客対応力』で相手との関係を築く点では同じ
    ◉事前にその人に関する情報に接しておけば初対面でも深いコミュニケーションが可能になる
    ⇨時に上司の力を利用することも顧客対応力のひとつ
    ▶優秀な上司ほど自分を成長をさせてくれるモノはない
    ◉それぞれの顧客の個性に応じた対応が相手からの評価につながる
    ◉問題が起きそうな兆候が出た場合、その段階で報告する
    ▷悪い情報ほど早く報告する
    ⇨対応の時間が変わる
    ◉愛されるが信頼・尊敬を受けないのでは意味がない
    ▷顧客が購入するのはその会社の商品・サービスであり、営業の人柄を購入する訳ではない
    ▷肩書きとは別の部分での社内の力、裁量の範囲内での社内の調整力が見られる
    ▷真摯な人柄だけでなく、情報収集力・分析力・構想力・提案力など全人格的な実力が試される
    ▶一見無駄話に思えるものが実は宝物だという可能性があることを頭に入れておく
    ◉営業マンは取引先の知りたい情報を持つ必要がある
    知りたい情報とは?
    ①同業者の動向
    ②ユーザー
    情報が差別化のひとつとなり得る
    ◉重要なのは「聞く力」
    二八(にっぱち)
    二割話して八割聞くことが出来た商談は成功
    ◉対等であることと丁寧な対応をすることは全く別のことである
    ▷自らの要望は明確に伝える
    ▶「売上高と利益で考える」
    相手の主張に負けないための知識をもつための勉強は必須
    ◉交渉力とは粘り勝ちする能力
    ◉リーダーとは周囲の人に元気を与え、仕事への意欲を高めてくれる人
    ▷人を動かすのは志と情熱

    第五章 顧客を幸せにして、自らを磨ける仕事
    ◉営業で必須なことは真摯であること
    ‥‥真摯とは約束を守る、挨拶をするといった当たり前のことをする事
    ▷真摯たることを可能にするのが2種類のコミュニケーション
    ①正しいコミュニケーション
    正しく伝えることを心がける。
    真意をしっかり聞く、確認する
    阿吽の呼吸はビジネスには向かない
    ②良質なコミュニケーション
    相手に配慮する、温情あるコミュニケーション
    ◉何のために働くか?の解をもつ
    ▷人は自分を磨くために働く
    基本はマズローの欲求五段階説
    ①生理的欲求
    ②安全の欲求
    ▶お金を稼ぐことはこの段階
    ③所属と愛の欲求
    ▶相手に受け入れられる、所属している場所がある
    ④承認の欲求
    ▶集団から価値ある存在と認められたい
    ⑤自己実現の欲求
    ▶持てる能力を最大限発揮し、具体化したい
    理想的な愛と尊厳をまとった人になるため、自己を磨く
    ◉逆境の中に意味を作り出せるかは自分次第
    ▷左遷を左遷で終わらせるのは自分次第である
    ◉人間としての理想的な生き方
    『上見て生きせ、下見て暮らせ』
    いつか〜なりたい、〜したいという高い目標を掲げ実現のために努力して生きる▶上見て生きる
    実際の生活は足元をよく見て、給料の範囲内で慎ましく暮らす▶下見て暮らす

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著者プロフィール

秋田市生まれ。株式会社佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表取締役。
69年、東京大学経済学部卒業後、東レ株式会社に入社。家庭では自閉症の長男と肝臓病とうつ病を患う妻を抱えながら会社の仕事でも大きな成果を出し、01年、東レの取締役、03年に東レ経営研究所社長に就任。内閣府の男女共同参画会議議員、大阪大学客員教授などの公職も歴任。「ワーク・ライフ・バランス」のシンボル的存在である。
著書に『ビジネスマンが家族を守るとき』『そうか、君は課長になったのか』『働く君に贈る25の言葉』『リーダーという生き方』『働く女性たちへ』(以上、WAVE出版)、『ビジネスマンに贈る生きる「論語」』(文藝春秋)『それでもなお生きる』(河出書房新社)『実践・7つの習慣』(PHP研究所)『上司の心得』(角川新書)『50歳からの生き方』(海竜社)などがある。
2011年ビジネス書最優秀著者賞を受賞

「2022年 『佐々木常夫手帳 2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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