- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569902548
作品紹介・あらすじ
事件にかかわる鳩、禅寺で暮らす犬、長屋の主のような猫……江戸っ子と動物たちの可愛らしくも切ない関係を描いた傑作アンソロジー。
感想・レビュー・書評
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5人の作家さんの時代小説短編集。
新しい出会いがあり、とても楽しめた。
「困った時の短編集」とは、まさにこの1冊の事。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鳩、猫、犬、狸、兎が登場の短編集。鳩と猫は再読
江戸の話に猫はよく登場。もっと犬にも活躍して欲しいと思っているのだけれど、今回の役柄は「犬に仏性はあるのか」の答えを導く役。長屋の大将サバの役は次郎には無理?それなら「猫に仏性はあるのか」も無理?
テーマがテーマ。次郎と諒斎の会話は犬と子供のやり取りとは思えないもの。でも2人の結びつきは普通に犬と子供のそれ。ぬくもります -
読みたいと思う新しい発見はなかった。
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妖なのか亡者なのか?不思議がいっぱい。
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動物と人間(人間も動物だが)が関わる物語のアンソロジー。帯には「江戸のかわいい」とあるけど、そんな訳ない。宮部みゆきが先頭勝って裏切ってくる(当たり前?)。見えないものが見えてしまうお初が探偵?まがいの働きをするお家乗っ取りに絡む殺人事件。可愛い鳩は鍵の一つ。「鯖猫長屋」話はシリーズで読んでいるので飛ばして、「犬に仏」は犬側からの話。「カチカチ山」は動物の声が聞ける能力持ちの子の話。人と動物との共生。決して愛玩動物では無い、互いにリスペクトし合っての共生。そして「紅蓮白峯」は兎の大妖。家督相続に絡む妬みの話。かわいいは「大集合」してなかった。
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動物と人間の言葉が分かり合える事は良いことなんだけど、犬も好きなことを話されたら、人間は動物に振り回され大変なのでは?
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2022年第1刷、PHP研究所のPHP文芸文庫。5編。『迷い鳩』シリーズの先頭の作品なだけに不可思議な世界観もあり面白い。しかし、タイトル以外はあまり動物とはかかわらない気が、まぁ、象徴的なものではありますが。『色男、来たる』猫が主のように見えることは多いけれど、この作品上では主そのもの。何も言わず行動もほとんど直接的には描写されないのに猫らしく、かつ、主らしいのが面白い。『カチカチ山』途中でネタは分かるだろうけれど、どう解決されるのかを楽しむ作品。でも、解決に動物が直接的にでてくるとは思わなかった
掲載作:『迷い鳩』宮部みゆき、『色男、来たる』田牧大和、『犬に仏』小松エメル、『カチカチ山』櫻部由美子、『紅蓮白峯』西條奈加、解説:細谷正充、出典:宮部みゆき『かまいたち』新潮文庫、田牧大和『鯖猫長屋ふしぎ草紙(二)』PHP文芸文庫、小松エメル 書き下ろし、櫻部由美子 書き下ろし、西條奈加『雨上がり月霞む夜』中公文庫、 -
やっぱりこのシリーズはいい。
お気に入りは、3作目・4作目・5作目。
「犬に仏」
仏門にある少年と少年が幼い頃、拾った犬の物語。二人は、ドリトル先生よろしく言葉を交わすことができる。どこかとぼけているのに、生に繋がってる、暖かいやりとりが心地いい。
「カチカチ山」
異聞・カチカチ山。ただし、聞き耳ずきんと、ちょっとだけごんぎつねが混じってるかな。最後の夜明けの場面から、暖かい昔話の香りがする。
「紅蓮白峰」
あの上田秋成をモチーフにしたお話。この作品は、シリーズの中の一話とか。読んでみたくなりました。 -
動物と人間の交流を描いた時代小説アンソロジー。アンソロジーは良い作家さんと出会うキッカケになるかなと思い、手に取ってみた。
西條奈加さん目的でこのアンソロジーを読むことにしたけど、田牧さんの『色男、来たる』と小松さんの『犬に仏』、そして櫻部さんの『カチカチ山』がとても好みだった。
田牧さんのお話は番外編的な立ち位置なのかな。本編があるのなら是非とも読んでみたい。
そして櫻部さんのお話は最高すぎた。終わり方も素敵。頭巾持ちで他にお話は出てないのかな。
とても気になる作家さんたちに出会えて大満足。