- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575237207
作品紹介・あらすじ
織田信長-。これまでたくさんのエピソードが語られ、評価がされ、読まれてきた戦国武将。その信長に関係する人物を活写することで信長の姿に迫り、信長が彼らにどのような影響を与え、行動の指針になったのかをも描く連作集。
感想・レビュー・書評
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上杉謙信、織田信光、浅井長政、柴田勝家、足利義昭、蒲生氏郷、織田秀信、土田御前、8人それぞれの視点から見た織田信長という男。信長という偉大な男に関わったために変わった人生。
ここで描かれる信長像はこれまで散々描かれていたものと大差なくさして新鮮さはないが、これまであまり描かれることのない蒲生氏郷や織田秀信の視点は面白かった。
特に信長の孫である秀信のその後については恥ずかしながら知らなかったので興味深かった。
あまりに偉大故な祖父故にそこに上り詰めようなどという野心など抱くことなく、己に与えられた分を全うすることだけを考えていた秀信が最後に選んだ道がこんな結末になってしまうとは。
またこれまで悲劇の女性として描かれていたお市の方が、浅井長政の章ではしたたかな織田の女として描かれているのも新鮮だった。
浅井長政もここに描かれているような優柔不断振りであれば夫としては全く魅力的ではないし、政略結婚の枠を超えて夫に最後まで添い遂げたいなど思わなかったに違いない。
こういうお市の方なら、彼女から柴田勝家はどう見えたのか、またお市の方から信長はどう見えたのか、それも読んでみたかったように思う。
更にはその柴田勝家が信長の恐怖政治に追い立てられるように身も心も翻弄され疲れ果てていく様子は面白かった。
刻々と情勢が変わっていく戦国時代、誰に付き誰に従いどの道を選ぶのか。その一瞬の判断が生死も国の人々の運命も変えてしまう怖さは十分に感じられる作品だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上杉謙信、織田秀信、蒲生氏郷のみ読了。上杉謙信の西上政策が、信長の「お前には手が届かぬだろう」という悪意をもって贈られた洛中洛外図屏風に端を発したという解釈。蒲生氏郷が、自他共に認める英雄気質を、最後に隠しきれなくなって屠られたという解釈。織田秀信の、最後の最後まで織田宗家を押しのけて権力の座を手にいれた秀吉に敬愛の念をいだき、世が世なら自分がという思いを排し、周囲の微かな憐憫まじりの視線をものともしなかったが、最後の最後に戦の力量を見せたかった場で一敗地にまみれたこと。信長という、大きな影に、惹かれ、反発し、翻弄された、三者三様。
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織田信長とかかわった人物の視点でおくる、短編集。上杉謙信、織田信光、浅井長政、柴田勝家、足利義昭、蒲生氏郷、織田秀信、土田御前の8人。
信長そのものの出番は少なく、まさに影。その影に翻弄される人々の、内面を描いている話が、よかった。
信長の心中を気にして一喜一憂する柴田勝家、信長に反抗し続ける足利義昭が、面白かった。 -
信長に関わる人達を主人公にした短編集。幼少の頃から信長に取り立てられた蒲生氏郷や、母である土田御前、信長の脅威となり続けた上杉謙信など八名の人物の様相が綴られています。
個人的に特に印象深かったのは柴田勝家の章。信長の家臣として休む間も無く働き続けた彼の感情の揺れ、信長に対する恐怖が上手く表現されていると思います。「信長の影」というタイトルが一番しっくりする作品でした。 -
信長像を信長自身に焦点を合わせず、信長に関わった人から浮かび上がらせる試み。新しい…少くとも、わたしにとっては新しい試みでした。
信長とゆう大き過ぎる存在、カリスマの前に霞んでしまった人たちの諸々。いろんな角度で信長像が知れます。面白かったです。
あっ、ちなみに期待したい濃姫とか斎藤道三はなかったです…(´・з・`)
濃姫は文献が少ないから仕方がないとしても、お義父さんのは読みたかったなあ〜 -
信長の周囲の人からみた信長像。目新しくはなかった。
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上杉謙信、織田信光、浅井長政、柴田勝家、足利義昭、蒲生氏郷、織田秀信、土田御前それぞれの視点から信長を描く。
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残忍なのか慈悲深いのか、
野蛮なのか高貴なのか、
興味は尽きない人物だけど、
同時代人には持ちたくないのは確か。 -
信長好きなので、彼に対する個々の噂話を読む感じで楽しかったですw
本書では、織田信光、柴田勝家、足利義昭 が面白かったです。
特に織田信光の章ラスト、信長が格好いい。
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■ 上杉謙信
■ 織田信光
■ 浅井長政
■ 柴田勝家
■ 足利義昭
■ 蒲生氏郷
■ 織田秀信
■ 土田御前 -
信長と深くかかわりをもつ上杉謙信、織田信光、浅井長政、柴田勝家、足利義昭、蒲生氏郷、織田信秀、土田御前を主人公とした短編集。