あなたのゼイ肉、落とします

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239928

感想・レビュー・書評

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  • 「あなたの人生片付けます」で活躍する片付け請負人の妹の小萬里さんが、ダイエット請負人として活躍する。いずれのケースも読後感がとても爽やか。

    小萬里さんの言う言葉の全てが「痛快」の一言で、私は大好きだ。この作品からは、「自分の好きなように生きなさい」「自分の道は自分で切り拓きなさい」「どのように生きるかは自分で決められるのですよ」というエールが聞こえてくるような気がする。

    4つのエピソードの中で、特に最後の10歳の男の子のケースが心に沁みた。これほど温かみ溢れる関わりができる人がいるだろうか。真のやさしさとはどういう事なのかを考えさせられたが、これほどの人を描ける垣谷さんの人間性も同時に垣間見た気がした。

  • 自分の悩みは余計なゼイ肉だ。心のゼイ肉を落としていくうちにいつの間にか身も痩せていく。身も心も軽くなっていく。やっぱり心がいつまでもスッキリしないと身体もついていかないのだろうな。どの話も清々しく終わってよかった。

  • 読みやすいので、あっというまに完読。 
    ただ、あなたの人生片付けます、のほうがよかったかな。

  • 強烈な題名に惹かれて手に取ってみました。面白い!何がって?4人のケースが書かれているのですが年齢も性別もそれぞれ違っていて“ケース1の園田乃梨子さん、49歳”。高校時代から40代半ばまでずっと48キロをキープしてきたからダイエットとは無関係だと思っていたのに、ここにきて、太りだして、炭水化物を抜いたり、ダイエット本を読んでは、試してみるもののまったく効果なし、むしろ微妙に体重は、増えている。とうとう母親に勧められ、『あなたのゼイ肉、落とします』の著者、大庭小萬里の指導を受けることに。ところが想像していた容姿とはまるっきりかけ離れた掃除のオバサンのような姿の小萬里に会い大丈夫なのかと疑いながらも「ブスとして生き直すとはどういうことか考えてくる」という宿題を出される。母親から「ブスとして生きていくには愛嬌が必要だ」と言われ同僚や部下を観察し始める。常ににこやかに、説明は丁寧に、優しく質問はないかと話しかけることに気を遣っていると…小萬里の本の副題は、心のゼイ肉も落とします。さてさて指導を受けた4人は、どのような結果に!!ケース4の前田悠太 10歳のお話も、とてもよかったです。さりげなく今の社会問題にもふれられていて、ジーンとしました。

  • どのお話もハッピーエンドで 安心して読めます。
    私の所にも身体と心の贅肉落としにきてくれないかなぁ

  • ダイエットの指導はもちろんのこと、太ってしまった原因となる、心のストレスまで解消して前向きに生きていこうとする4人のお話
    それにしても大庭小萬里さんが大庭十萬里さんの妹だったなんて!

  • 2022.1.10

  • 部屋を片付ける話の姉妹本。面白かったんだけど、前作と一緒でどうもうまくいきすぎというか、そんな人は急に前向きになれんの?とか色々考えてしまって斜に構えて読んでしまった。

  • 2021/11/1

  •  本当に、体重の事ばかり考えて生きている人が多すぎると思う。そんな人達を見ているだけでストレスになるので、反発心からノーダイエット、ノー体重測定生活(健康診断のみ計測)を長い間送っていたら、やっぱりマズイと思うところまで来てしまった。ロコモ回避のためにやはり食生活改善による体(内蔵、腸、血液)のリセット、運動習慣はどうあがいても必須ですね。

    ケース1
    以前、日本人はお嬢ちゃん、お坊ちゃんの子供のまま、成熟した大人の男性、大人の女性にならずに、いきなりおじさん、おばさんになるという誰かの文章を読んで深く同意した。まさに乃梨子。コマリの指導で50歳を目前にして女子として生きるのではなく、人間としてどう生きるかということにやっと気づく。これは容姿に恵まれてた人のケースだが、そうでない方のカテゴリーに属してる照美さん系の人の方が大多数だろう。義母は照美に「そうでない方」って口を滑らした事を謝って、人間関係が修復できるのだろうか?そうでない方(照美)の心のゼイ肉を落とす物語も読んでみたい。

    ケース4
    これが一番好きだった。
    p.233
    二、太っている人間はみっともないと思う。
     イエス。少なくともクラス全員がそう思っている。・・・学校の先生だから、さすがに口に出しては言わないけれど、僕はクラスの中でも一段劣った扱いを受けてると思う。・・・漫画でもバラエティー番組でも、デブはデブキャラを引き受けなくてはならないとう暗黙の了解がある。・・・少しでも傷ついたりデリケートな面を見せると、余計に笑われてしまう。デブが意見を言う権利なんかない・・・太っているだけで人間扱いされない・・・。

    ハリウッド映画でも同じような扱い(今はどうかな?)でデブと言えば主役イケメン俳優の、明るく気のいい友人設定が最高峰のポジションだったけど、太ってるからって笑いものにし、見下す文化は本当にイヤだ。

    バラエティー番組、テレビの弊害は大きい。
    ドイツに住んでる友人が日本に帰ってきてテレビを見る時、細いと顔が可愛いとか、テレビので人の容姿のことを話題にしてる場面をよく見るが、ドイツではテレビで容姿を話題にすることはないので、すごく違和感を感じると言っていたのが印象的。

    私は日本が大好きで、日本人は素晴らしい所もたくさんあるので、更に成熟した国家、人を馬鹿にしない文化の国になればいいなと願う。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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