さらさら流る

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575240528

感想・レビュー・書評

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  • ドロドロしてるのは光晴で、さらさらなのは菫だ。

  • 前に付き合っていた人に、「助けたかった」と言われたことがある。私の家庭環境を聞いて。彼の目に、私はどう映っていたんだろう。か弱い、庇護しなければならない存在だったのか。それとも、自分がヒーローになった気分だったのだろうか。私は助けて欲しいなんて思ってない!と怒ったけれど、もしかしたらそんな風に思わせることを知らぬ間に言ってしまっていたのかもしれないな。
    話が逸れたけれど、光晴にとって、眩しい程の存在だった菫。欲しいものを全部持っている彼女が、自分を求める優越感、支配感。
    彼女が好いてくれた自分はもういないのに、それに気づかない男の情けなさを感じると同時に、リベンジポルノという、自分の身に起こったら社会に出ることも出来なくなるであろう出来事を、親友と共に乗り越えていく菫の芯の強さに、尊敬を抱かずにいられない。

  • リベンジポルノ。
    暗渠あんきょ(ふたをかけたりして外から見えない水路)と
    菫、光春の心の内が重なる。
    「さらさら流る」は「春の小川」のオリジナル歌詞から。後に「さらさら行くよ」と改変された。菫と光春は暗渠化された場所に建てられた「春の小川」の歌碑を目にする。

    「Butter」でもそうだったが、今回も思わず作りたくなった料理。「アボガドの冷たいスープ。グリーンピースの炊き込みご飯にバターをひとかけら載せ黒胡椒をひいたもの。ハンバーグに塩茹でしたさやいんげん、粉ふきいも、甘いニンジンのグラッセのワンプレート」早速作りました!

  • 50-4-7

  • 図書館で借りた本。
    主人公の菫は、暖かい家族や友人に守られてぬくぬくと育ってきた。ある日、仕事で調べ物をしていて、偶然自分の裸の写真が拡散されている事を知る。なぜそんな写真が?思い当たるのは、たった一度だけ元カレに撮られた写真だったが、その写真はその場で破棄してもらったはずだった。ネットにさらされた被害者としてダメージを受けながらも力強く立ち直っていく菫に勇気をもらえた。親友のユリの存在も良かった。

  • 誰が悪いかは明白なはずなのに、どうして責めて傷つかなきゃならないのか、こういうことが取り上げられるたびに憤る。主人公の2人が会うことないまま終わって、余計なドラマがないところが良かった。
    2018/3/29読了

  • まさかあの人が、自分には関係ない、と思いがちだが、誰にでも起こりうる身近なトラブルの1つだと感じた。

  • 東京。大学生。社会人。仕事。リベンジポルノ。
    柚木さんは料理がすごく好きなんだろうな。どの本を読んでも料理の描写が細かい。
    人物のセリフが説明調というか流れるよう。

  • 綺麗な表紙のイメージとお話の内容がそぐわないと思う。共感できるところがほぼなかったし何を表現したかったのかもわからない。

  • 同年代で共感できる作家さん。

    ニュースになるようなリベンジポルノではないけれども、私の周囲にいる男性でも、飲んで下ネタ話から一歩踏み外せばやってしまいそうなリアルな感じ。女性の見た目の評価ほんとよくやってる。

    大学デビューして変わったり変わらなかったりというところも共感できた。

    個人的に知っている地名がたくさんでてきて嬉しかった。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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