さらさら流る

著者 :
  • 双葉社
3.25
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本棚登録 : 1408
感想 : 203
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575240528

感想・レビュー・書評

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  • 付き合っていた元彼が写した自分の裸の写真をネットで発見し、そこから生活が一変してしまう女性とその元彼氏。二人がどうで会い、愛し合い、別れ、そしてなぜこんなことになってしまったのかを丁寧な描写で作り上げた作品。それぞれの感情がどんどん溢れ出るような表現力なのだが、ちょっとくどい感じがしないでもない。結局のところ、元彼の保身的な性格は変わらないってことだろうか。

  • そんなに厚い本ではないのに、ちっとも読み進まない……
    「リベンジポルノ」という旬なテーマではあるけれど、登場人物誰にも共感できず、被害者の家族もリアリティに欠けるせいかもしれない。

    だいたい顔を見たこともない男と2人で真夜中に暗渠をたどる散歩を、年頃の娘にそんなにすんなりOKできるか?いい年していつまでもふわふわして、どんな親なんだって思ってしまう。

    一つだけ共感できることは、自分を曲げてお付き合いしてもいい結果は生まれないってこと。

  • かつて恋人に撮られた裸の画像が
    ネットに流出していたことを発見した菫。
    馴れ初めのきっかけとなった暗渠のように
    淀んだ閉ざされた暗闇を覗き込んでるような気分にさせられた。
    ってか仕事仲間が誰も同じ画像に辿り着かなかったのは不思議。

    【図書館・初読・11月6日読了】

  • 「リベンジポルノ」を題材にしたストーリーだが、男女のドロドロした愛憎劇ではなく、装丁とタイトルの美しさを投影したキラキラとした内容に仕上がっている。主人公の菫が透明感のある女性として描かれており、ヌード写真が流出したあとでも暗渠のようにはならず、空の下をさらさらと流れる小川のような姿が印象的だ。かと言って画像流出による被害者の気持ちを楽観的に扱っているわけでなく、主人公の苦悩や葛藤は丁寧に描写されているし、期せずして加害者となった元彼の心情も痛々しく描かれている。今までの柚木作品とは少し違うような気がした。

  • 自分のヌード写真がネットに流出してしまった女性の苦悩を描いた小説。これ、現代ではありがちな事件ですね。撮らせたほうが悪い、と責めるのは何か間違っていると思いますが。こういうことがあるのだということは、認識しておいたほうがいいですね。さらに、悪意がなければ流出させてしまったほうもけっこう可哀想な気が……。
    過去に苦しめられる女性と、甘い過去に囚われ続ける男性。両者の想いの乖離がなんとも悲しく思えました。それでもそれぞれに立ち直り、未来へと進んでいく彼らの姿はみずみずしく感じられました。嫌な話に思えるけれど、読み心地は存外に爽やかです。

  • 柚木さんの本の中では、あまりそそられる感じではなかったけど 最後まで読んでみて共感できるところがあった。

  • 2017/10/29

    自分の裸の写真をネット上に見つけたら...
    先輩社員の「自業自得」という反応が一般的なのかな、居酒屋の店主の「素材のひとつ」という反応も分からなくはない。

    ハー、スッキリ終わったようで心は重い。

  • 画像流出を取り上げたのはちょっと無理無理な感じもする。
    これがなければもっと綺麗な話だけど、じゃあ何が主題なのということにもなるか。
    ありえないけれど自然体ってことかな。

  • タイトルと表紙と作家名に惹かれて読んだけど、「なんだかなぁ」という感じもしなくもない。
    「 柚木麻子の作品は全部読むんだ」という人は読む必要あるけれど、タイトルと表紙と作家名に惹かれて読むんだったらやめといた方がいいと思う。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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