線路上の殺意 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編〉 (双葉文庫)

  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575524086

作品紹介・あらすじ

戦後のミステリ界を牽引した大御所作家4人による鉄道ミステリの傑作選。昭和の国鉄時代の懐かしの車両を舞台に時刻表を巧みに使ったトリックや電車が舞台だからこその謎解きが披露される。今回は数ある名作の中から珠玉の四編を収録。懐かしい車両と今も色あせない巧妙なトリックに酔う一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 通勤電車内で読むには最適。

    四人の作者には申し訳ないが、なんとなく粗製濫造しているイメージがあり、自分はいい読者とは言えない。

    乗り鉄の趣味はないが、読み鉄の鉄分は強めなので4作とも十分に楽しめました。中でも山村さんの「新幹線ジャック」は完璧に騙されました。お見事な切れ味です。このシリーズあと2冊も購入済みなので、旅のお供にしたい。中々旅に出れる機会がないけど・・

  • アンソロジー作品『線路上の殺意 鉄道ミステリ傑作選〈昭和国鉄編〉』を読みました。
    国鉄時代の鉄道ミステリを収録した作品集です。

    -----story-------------
    戦後のミステリ界を牽引した大御所作家4人による鉄道ミステリの傑作選。
    昭和の国鉄時代の懐かしの車両を舞台に時刻表を巧みに使ったトリックや電車が舞台だからこその謎解きが披露される。
    今回は数ある名作の中から珠玉の四編を収録。
    懐かしい車両と今も色あせない巧妙なトリックに酔う一冊。
    -----------------------

    2020年(令和2年)に刊行された、昭和ミステリ界を牽引した大御所4人による鉄道ミステリの傑作選、、、

    以下の4篇が収録されています… 鮎川哲也の『早春に死す』だけは2年前に読んだことがある作品でしたね。

     ■早春に死す(鮎川哲也)
     ■あずさ3号殺人事件(西村京太郎)
     ■特急夕月(夏樹静子)
     ■新幹線ジャック(山村美紗)
     ■編者解説 佳多山大地

    東京駅近くで男の死体が見つかる… やがて容疑者が捕まるが、犯行推定時刻、その男は列車に乗っていた(『早春に死す』)。

    あずさ3号の車内で男が殺された… 京都と長野の間を犯人はどうやって移動したのか!?(『あずさ3号殺人事件』)。

    社長に殺意を抱く秘書の男が時刻表トリックを使い犯行を計画するが…(『特急夕月』)。

    東京行きの新幹線が新大阪駅を出てすぐジャックされた… 犯人たちの要求を現金と逮捕された仲間の釈放だった(『新幹線ジャック』)。

    昭和の傑作鉄道ミステリを選りすぐったアンソロジー。

    いやぁー さすが選び抜かれた昭和鉄道ミステリの4篇… どの作品も面白かった!

    鮎川哲也の鬼貫警部シリーズの一篇である『早春に死す』は、鉄壁のアリバイを作ろうとしたために墓穴を掘るという展開や普通レールと長尺レールでの車両の揺れの違いからアリバイの偽装を鬼貫警部が暴く展開が秀逸! 再読でも愉しめました。

    西村京太郎の十津川警部シリーズの一篇である『あずさ3号殺人事件』は、アリバイ崩し、第二の殺人のタイミング、クイズ番組の景品である旅行の交換等、ストーリーテリングの技が冴える逸品! 十津川警部シリーズは安定の面白さですね。

    夏樹静子の『特急夕月』は、考えに考え抜いた時刻表トリックを弄した殺害計画が想定外の踏切事故の発生で二転三転する滑稽な展開と被害者/加害者のそれぞれの結末の描き方が印象的… 「人を呪わば穴二つ」ですねー

    山村美紗の『新幹線ジャック』は、怯える者の心理を衝いた大胆な犯行と意外な結末が愉しめました… 人質となり恐怖に支配された乗員や乗客の心理描写が巧い!

    たまにはアンソロジー作品も良いですね… 久し振りに長篇の本格ミステリを読みたくなりました。

  • 昭和30~50年代の鉄道ミステリー4編を収録。ノスタルジックで懐かしい気分に浸れるものの、殺人の動機や手法が単純で今となっては陳腐化した印象は拭えない。 
    鉄道間の乗り換えトリックがあったり、普通レールと長尺レールで振動が違うことが事件解明のヒントになっていたりと、鉄道ミステリーならではの要素は味わえた。
    4編の中では特に短い夏樹静子氏の「特許庁夕月」が一番印象に残った。間抜けた殺人計画者の慌てぶりとドツボにはまるラストが面白かった。

  • 鮎川哲也「早春に死す」、西村京太郎「あずさ3号殺人事件」、夏樹静子「特急夕月」、山村美紗「新幹線ジャック」。昭和の鉄道ミステリを代表する珠玉の名作短編を収めたアンソロジー。

    訃報に接し、何年ぶりかで西村京太郎の作品を読んでみた。トラベルミステリーと言われるジャンルを確立した作家らしい作品を選んでみたら、「昭和の国鉄」臭にあふれていた。
    (Ⅽ)

  • 鮎川哲也「早春に死す」
    西村京太郎「あずさ3号殺人事件」
    夏樹静子「特急夕月」
    山村美紗「新幹線ジャック」

  • 鉄道サスペンス、しかも昭和時代の作品のアンソロジー。
    当時の売れっ子推理作家たちによる「鉄道」を舞台にした作品である。現在読むとやはりJRではなく国鉄時代の作品であるという時代の違い、いわゆる古さを感じないわけではない。
    しかし時刻表を駆使して、また鉄道という路線が決まっている交通手段を用いてのサスペンスという分野は、この頃確立したと言えるだろう。
    私はこの中でも女流作家二人の作品が面白いと感じた。

  • 編者のあとがきに書いてあったけど
    昭和のビッグネーム!による
    鉄道ミステリ短編集です。
    通勤読書にちょうどよかった。

    山村美沙の『新幹線ジャック』
    ええ〜、女王、こんなタッチの話も
    書いてたんですねぇ。
    いつもの2時間ドラマな感じのと違い
    とってもトリッキー。

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著者プロフィール

鮎川哲也(あゆかわ・てつや)
本名・中川透。1919(大8)年、東京生まれ。終戦後はGHQ勤務の傍ら、様々な筆名を用いて雑誌へ短編を投稿し、50年には『宝石』100万円懸賞の長篇部門へ投稿した「ペトロフ事件」(中川透名義)が第一席で入選した。56年、講談社が公募していた「書下ろし長篇探偵小説全集」の第13巻「十三番目の椅子」へ応募した「黒いトランク」が入選し、本格的に作家活動を開始する。60年、「憎悪の化石」と「黒い白鳥」で第13回日本探偵作家クラブ賞長編賞を受賞。受賞後も安定したペースで本格推理小説を書き続け人気作家となる。執筆活動と並行して、アンソロジー編纂や新人作家の育成、忘れられた探偵作家の追跡調査など、さまざまな仕事をこなした。クラシックや唱歌にも造詣が深く、音楽関連のエッセイ集も複数冊ある。2001年、旧作発掘や新人育成への多大な貢献を評価され、第1回本格ミステリ大賞特別賞を受賞。2002(平14)年9月24日、83歳で死去。没後、第6回日本ミステリー文学大賞を贈られた。

「2020年 『幻の探偵作家を求めて【完全版】 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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