まずはこれ食べて (双葉文庫 は 33-03)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575526547

感想・レビュー・書評

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  • 読みはじめに思ったことは……胡雪めちゃ嫌い。めんどくさいやつ。初っ端から腹たった。でも読みすすめていくうちに、不器用なだけなんだなとか、情に流されやすいんだなとか……憎めなくなっていった。でも絶対友達にはなれないかな。


    筧さんが作る料理は全部美味しそうで、マネしたくて全部メモった。辛ラーメンのスープでまずは野菜とウインナー入れて食べて、その後麺入れて茹でて玉子、チーズ、韓国のりトッピングして食べるやつ、早速やってみたけど旨すぎた。

    悩める人×美味しい料理を食べて元気になる。立ち直るってのはあるあるなんだけど、それプラス、ミステリー要素も入っていて終盤から意外な展開に。

    でも、そこからの方がハラハラして読み進めずにいられなかった。穏やかそうな人が実はサイコパスだったり……

    全て終わったよっていう安堵した感じで終わったけど、柿枝の復讐とか嫌がらせとかありそうで怖い。

    でも、それも含めて面白い作品だった。

  • 怖そうで怖くない話かと思ってたら、ちょっと怖いラストだった
    読後感は良い

  • 感想
    心身を整える食事。ただ美味しいご飯を作れば良いわけではない。相手を理解して求められるものを提供する。疲れた時は。とりあえず食べる。

  • 結末が残念

  • 「家政婦」という制度を通じて、本来なら出会わない世界の人たちがまるで家族のように食卓を囲むことが可能になる、という不思議を描いた物語なのかなと思いました。

    数十億の売却価格がつくベンチャー企業を、学生気分のままわちゃわちゃやってる会社員たち(まあ彼らにも当人なりの葛藤はあるのだが)と、無戸籍者の若者と十代で家を出た元少女。持つ者と持たざる者。第二章がちょっぴり異質なんだけど、マイカは両グループを横断する者として描かれているのかな。

    田中たちは筧さんに経済援助をすることを偽善、でもそれでいいじゃないと言っていたけど、そうやって世の中の格差が是正されるのも悪くないと思う。それを可能にしたのは間違いなく筧さんの温かい手料理であり、そう考えるとカバーのおいしそうな装画やタイトルにも納得感があるなと。

    筧さんはこんなふうに家族友人と食卓を囲みたかったって思いながら、日々ぐらんま社員たちのごはんを作っていたのかな。みんなで取り分ける大皿料理が多いものね。

    柿枝は、登場人物を持つ者と持たざる者に分けるとしたら前者なんだけど、そこには属そうとしない。筧さんを支配しようとしたけど、持つ者たち(ぐらんま社員たち)のようにコントロールできなかったのは、筧さんが持たざる者のグループに属していたからかな。柿枝が今まで出会うことのなかった部類の人間だから、コンプレックスを刺激したり求めるものを与えたりして掌握することができなかったのかなと。

    エンタメ要素にあふれているけど、社会階層にまで思いが及ぶ作品でした。

  • 友人同士で起業した「ぐらんま」に派遣された家政婦筧さん。それぞれ悩みを抱える社員達とそれを癒す筧さんの料理と彼女の包容力。どの料理も本当に美味しそう!姿は無いけれど「ぐらんま」を支配する柿枝。魅力的な人物である一方他人を振り回す暴君・・・、ん?もしや柿枝はサイコパス?この前に読んだ本で解説された人物像に当てはまる。最後に現れた柿枝、この支配から逃れられて良かった。

  • これまでに読んだことの無い不思議な作品でした。 美味しそうな料理の調理過程や召し上がる際の魅力的なレビューの様な文章が続いていながら、一方で複雑な人間関係を表したりと多様な側面で楽しませて頂きました。 明日のサラダのドレッシングは自分で作ってみようかしら。

  • 家政婦の筧さんが作ってくれるご飯を通じて、社員達が自分の気持ちに正直になれたり、誰にも言えなかった過去に向き合えたり、、、ご飯の力ってすごいなあと改めて思いました。じんわり心がほぐれていくようなお話です。が、ラストに向けてだんだん「!??!?」というような展開になっていくので、ページをめくる手がもう止まりませんでした。個人的にはかなり衝撃的な結末でした。

  • 満たされない心を美味しいごはんが満たしてくれる
    家政婦筧さんのご飯の説明が食欲かきたてる

    あたたかなお話だけではなく、
    複雑な人間関係や過去もあったりと
    ハラハラする所もありますが
    縛られることなく、それぞれの未来に自由をと
    前に進む姿が印象的でした◯

  • ラストでそう来るか!と言った展開で、作中も楽しめたが、読後感が清々しい。
    予想しようとすれば出来なくもないけど、繰り返し読む際は、できれば作中のイメージ通り、筧さんの様な穏やかな空気のまま読み進めたい。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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