- Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
- / ISBN・EAN: 9784579304455
感想・レビュー・書評
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雑誌
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さまざまな雑誌の「平均的読者像」を想像で創り出し、その架空人格を紹介することを通じて雑誌の魅力をあぶり出すという、卓抜な企画のイラスト・コラム集。
祖父江慎およびコズフィッシュによるデザインも凝りに凝っているし、一冊の本としてクオリティが高い。
惜しむらくは、取り上げられている雑誌の8割方が女性誌・少女誌・婦人誌であるため、私にはどういう雑誌なのかがよくわからないこと。
当の雑誌のことがわからなければ、著者が文章とイラストに込めた細かいくすぐりも十分理解できないわけで、たぶん私には本書の面白さの半分くらいはわかっていないと思う。
登場する雑誌のうち、私が愛読していたことがあるのは『SPA!』だけ。さすがに、そのページは隅から隅まで笑えた。
それでも、雑誌好きの1人としては十分に楽しめた。女性誌にくわしい読者ならもっと面白く読めるだろう(元になっているのは『装苑』の連載コラム)。
次はオジサン雑誌を中心に取り上げた続編が読みたいところだ。
随所に感じられる著者の観察眼の鋭さ、皮肉の毒としなやかな批評性は、往年のナンシー関を彷彿とさせる。
ただ、ナンシーの消しゴム版画が似顔絵としても高度だったのに比べ、能町みね子は似顔絵はヘタだな。イラストとしてはすごくいいんだけど、有名人の似顔絵を描かせるとまるで似ていない(佐藤浩市の似顔絵を見てデヴィ夫人かと思ったほど)。その点だけが玉にキズ。
まあ、著者としては、ナンシー関と比べられたら迷惑かもしれないが……。 -
数々の雑誌を、独断と偏見と愛をもって各誌の人格を妄想。イラスト半分。面白いページも、だから何やねんというページもあり。
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おもしろい
暇潰しに最高
暇潰しのわりによくできてて芸術性を感じる結晶のようです。 -
分析力と想像力(妄想力)に感服でした。
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雑誌を人に例えて人格を説明している。
雑誌は作り手として当然ターゲットを想定しているはずなので、ターゲット=雑誌の人格に近いと思うのだが、そのターゲットから微妙にずれて、ウケていることも筆者は洞察し、表現している。
私は男なので、女性誌はタイトルしか知らないのだが、この本を読んで、なるほど、こういう人たちが求めてるわけね。と理解ができた。
女性といっても様々な年代、様々なライフスタイル、生活、価値観があり、それぞれが要望する、一歩上の生活と、元生活の疲れを解消する記事、実用的な情報をどのようなバランスで読者を引っ張っていき、あきさせないか、そのような工夫が、不思議とわかる面白い本だった。
イラストにリアルさがあり、確かにこういう人いるよなーと思える。
ただ、この雑誌の性格に描かれているようないろいろな人たちが、スマホでネット記事をみて事足りるようになっていることも現状であり、雑誌はうれなくなっていくだろうなと感じた。
雑誌が生き残るためには、よりニッチな専門的な方向に走るか、紙でしか表現できない美しさ、所有することの価値(それをもっていることがおしゃれ、かっこいい)等に特化していくことが打開策なのだろうか。 -
連載時よりもかなり毒は少なめ。寂しい…
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色々な雑誌の擬人化を見られる本なのですが、見たことのない雑誌に親近感を覚えたり知り合いの如く知ったような気持ちになる一方、かつて購読していた雑誌の人格を見て「あー…そういうとこあったわーあいつも自分もそういうとこあったー」みたいな気持ちに。
おもしろいんです。で、帯や序文にある通りほめ殺しのテイストなんだけど、人物造形がリアルすぎて、その人格が観察されているのを知ったらどう思うんだろうと、なんだか心配になったり恥ずかしくなったり不思議な気持ちにも。 -
雑誌の読者を勝手に妄想するというアイデアが面白い。