昭和史戦後篇 (平凡社ライブラリー)

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  • 平凡社
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  • / ISBN・EAN: 9784582766721

感想・レビュー・書評

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  • 2分冊となっている「昭和史」の後編。戦後編という題名がつけられている。扱われているのは、1945年の終戦の年から1989年まで。1989年は、昭和天皇のご崩御の年であり、昭和が終わり、平成が始まった年である。

    45年に満たない期間であるが、筆者の半藤一利は、これを6つの期間に分けている。
    1)1945年の終戦から1951年の講和条約締結までの連合国の占領時代
    2)1952年から1960年の六十年安保までの政治闘争の時代
    3)1961年から1965年までの経済第一の時代。この間に新幹線が開通し東京オリンピックが開催されている
    4)1966年から1972年までの高度経済成長により日本人が自信回復した時代
    5)1973年から1982年までの価値観の見直しの時代。1973年にベトナム戦争が終結。また、この間に二度のオイルショックを日本経済は経験する
    6)1983年から1989年までの国際化の時代

    区分の仕方についての意見は人によって異なるかもしれないが。この本を読むと、45年の間にも世相が何度も変わっていることが分かる。それでも、敗戦の焼け野原から45年の間に世界第二位のGDPを持つ国になった訳であり、日本と言う国は、経済を第一優先にしながら戦後の国を創ってきたのだということが分かる。

  • 戦前 戦中編に 引き継ぎ読みました。

    教科書のようだけど
    とても読みやすい 語り口で
    この二冊は 常に置いておきたい本ですね。

    今が この時代のこういう出来事が あったから
    こうなってるんだ と ストンと 納得できる事もありました。

  • シリーズ前作同様、講義形式でほんと分かりやすい。やはり戦後も国際情勢に大きく左右されてきたのですね。国際情勢と天皇と安保。そして、ひもじさ。この時代で形ができ今に直結してる訳ですから、この時代、ほんのちょっと前のこと、しっかりと勉強すべきだと改めて思いました。

  • 政治動向を中心に、当時の世相も織り交ぜて、戦後の昭和が鮮やかに語られる。

    戦後占領期において、天皇が日本国民にとって極めて大きな意味を持っていたことが、計11回にも及ぶ天皇・マッカーサー会談や、東京裁判をめぐる動向等からよく分かった。

    また、佐藤栄作内閣頃までは、各首相が、善かれ悪しかれ明確な'大事業'を目標として掲げ、それを達成してきたが、それ以降は官僚システムが主導的役割を果たすようになって今に至っている。
    昔のように優れた人材もいない現状、日本の国づくりは、これまでどうあってきたのか、これからどうあるべきか、改めて根本的に問い直される必要がある。

    教科書では分からない、「生きた歴史」を教えてくれる。
    読み終わってしまうのが勿体無いほどに、歴史の妙味を感じることができた。

  • 半藤一利による日本昭和史の語り下ろしシリーズの戦後篇。

    GHQによる占領政策、新たな日本国憲法制定の裏側、東京裁判の実態、朝鮮戦争特需による経済復興と高度経済成長等、戦後史の流れを一挙に追うことができる。

    こうして通史を眺めたときに感じるのは、戦後の佐藤栄作内閣までは、常にその内閣で成し遂げるべきことを明確にし、その達成と共に身を引くという目的意識の強さである。それは吉田茂であれば講和条約の締結、岸信介であれば安保条約の改正、佐藤栄作であれば沖縄返還(半藤一利はこの沖縄返還が日本戦後史の一つのメルクマールであると指摘している)など、そこにはその目的を何としてでもやり遂げなければ、という強いリーダーシップを感じることができる。

    600ページにも及ぶ大著でありながら、そのわかりやすい語り口により、あっという間に読めてしまう。日本の戦後史の概観を掴むのに最適な一冊。

  • 歴史の本は好きなれど、思い返してみれば昭和の歴史をどれだけ理解しているのか、前からまずいなと感じていた。
    高校時代は日本史よりも世界史に走ったので、授業でも受けたことなかったし(もっともそこまで進まないってのが常識みたいだが)、一度は通史として目を通す必要があるだろうとも考えていた。

    戦前編の焦眉は、何故日本が戦争へと進んでしまったのか、を著者ならではの視点で書いている。
    様々な本や記事に書いてあるのを読むと、昭和天皇は戦争には反対だったというのだが、なぜ開戦を止められなかったのかというのは前から疑問に思っていたこと。
    半藤氏は昭和史のスタートとして重要な事件があったとしている。
    張作霖爆殺事件が起きた後、昭和天皇は責任を取らせて時の総理、田中義一を辞めさせるのだが、その後すぐに田中は亡くなってしまう。(一説では自殺とも)
    これを反省した天皇は、その後「君臨せずとも統治せず」こそが立憲君主制の在り方と信じて貫いていく。
    これが後に続く戦争への道に大きな影響を与えていると言う。
    その後、軍内部での派閥争いなどで良識派が次々と排除されていき、盧溝橋、ノモンハンなど、謀略・偶発混ぜこぜで起きた幾つもの事件が日本の行末を絞り込んでいってしまう流れは読んでいて悲しくなる。

    戦後編は占領政策に始まり、方針の違いが際立つ首相ごとの時代の色には興味をそそられる。
    まずは戦後の復興を再優先に考え、余計な負担が掛からないように安保条約締結に向けて進んだ吉田茂。
    安保・憲法改正にかけた岸信介。
    吉田を引継ぎ、所得倍増計画で日本の戦後復興を確かなものにした池田勇人。
    沖縄返還を最大の目標とした佐藤栄作。

    天皇が果たそうと思って出来なかった沖縄訪問の裏には、自身が米国に提案した沖縄軍事占領があったこと、などは今の辺野古や安保を考えると日本人が必ずや知っていなくてはならないことのはず。

    強く感じたのは、やはり今の日本の歴史教育の拙さ。
    縄文、弥生と言った古代よりも、現代を生きていくのに遥かに重要な昭和の時代の教育がなぜ、しっかりと出来てないのか。
    最近の政治的、社会的問題の殆どが、昭和史の中に源があると言っても過言がないと感じさせてくれる必読書である。

  • 戦前編よりやや偏りが見える気がするけど、まあ十分面白い。戦後、岸信夫路線が日本に対して成した功績とはなんだろう。岸信夫自体はまあ安保改定が功績だとは思うけど、ああいう自主外交・自主憲法路線は…

  • 日本が昭和期において辿ってきた政治、社会、文化等を大まかとはいえ分かりやすく理解できる良著。
    日本昭和史を抑える際の有能な一冊。

  • 「半藤一利」が、昭和史を解説した作品『昭和史〈戦後篇〉 1945-1989』を読みました。

    『昭和史 1926-1945』に続き「半藤一利」作品です。

    -----story-------------
    授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ完結篇。
    焼け跡からの復興、講和条約、高度経済成長、そしてバブル崩壊の予兆を詳細にたどる。
    世界的な金融危機で先の見えない混沌のなか、現代日本のルーツを知り、世界の中の日本の役割、そして明日を考えるために。
    毎日出版文化賞特別賞受賞。
    講演録『昭和天皇・マッカーサー会談秘話』(39ページ)を増補。
    -----------------------

    歴史探偵「半藤一利」が、スタッフを相手に寺子屋的に行った昭和史の講義を編集した作品の完結篇です。 

     ■はじめの章 天皇・マッカーサー会談にはじまる戦後
      ― 敗戦と「一億総懺悔」
     ■第一章 無策の政府に突きつけられる苛烈な占領政策
      ― GHQによる軍国主義の解体
     ■第二章 飢餓で“精神”を喪失した日本人
      ― 政党、ジャーナリズムの復活
     ■第三章 憲法改正問題をめぐって右往左往
      ― 「松本委員会」の模索
     ■第四章 人間宣言、公職追放そして戦争放棄
      ― 共産党人気、平和憲法の萌芽
     ■第五章 「自分は象徴でいい」と第二の聖断
      ― GHQ憲法草案を受け入れる
     ■第六章 「東京裁判」の判決が下りるまで
      ― 冷戦のなか、徹底的に裁かれた現代日本史
     ■第七章 恐るべきGHQの急旋回で…
      ― 改革より復興、ドッジ・ラインの功罪
     ■第八章 朝鮮戦争は“神風”であったか
      ― 吹き荒れるレッド・パージと「特需」の嵐
     ■第九章 新しい独立国日本への船出
      ― 講和条約への模索
     ■第十章 混迷する世相・さまざまな事件
      ― 基地問題、核問題への抵抗
     ■第十一章 いわゆる「五五年体制」ができた日
      ― 吉田ドクトリンから保守合同へ
     ■第十二章 「もはや戦後ではない」
      ― 改憲・再軍備の強硬路線へ
     ■第十三章 六〇年安保闘争のあとにきたもの
      ― ミッチーブーム、そして政治闘争の終幕
     ■第十四章 嵐のごとき高度経済成長
      ― オリンピックと新幹線
     ■第十五章 昭和元禄の“ツケ”
      ― 団塊パワーの噴出と三島事件
     ■まとめの章 日本はこれからどうなるのか
      ― 戦後史の教訓
     ■こぼればなし 昭和天皇・マッカーサー会談秘話
     ■関連年表
     ■あとがき
     ■平凡社ライブラリー版 あとがき
     ■参考文献


    さすが昭和史の語り部ですね… 『昭和史 1926-1945』に続き、学校では、ほとんど習うことのなかった昭和史について、わかりやすく、そして読みやすくまとめてまります、、、

    1945年(昭和20年)に降伏文書に調印してアメリカ(連合国)の占領が始まってから1951年(昭和26年)までの、象徴天皇制の採用や軍事力の放棄、財閥解体、農地解放等がGHQ主導で進められた占領の時代、

    1952年(昭和27年)に講和条約に調印して独立し、1960年(昭和35年)までの、天皇の戦争責任や天皇制の在り方が議論され、平和と民主主義を巡る政治闘争が活発化し、六〇年安保という一大国内闘争を経た時代、

    1961年(昭和36年)から1965年(昭和40年)までの、富を豊かにするという国家目標を実現した経済第一の時代、

    1966年(昭和41年)から1972年(昭和47年)までの、東海道新幹線の開通や東京オリンピック開催、大阪万博開催、沖縄返還等、働いた成果が次々と出て、日本経済がぐんぐん成長した時代、

    1973年(昭和48年)から1982年(昭和57年)までの、二度のオイルショックやベトナム戦争等を経て、高度成長の経済優先から少し脱却し、安定成長を目指した時代、

    1983年(昭和58年)から昭和の終焉1989年(昭和64年)までの、鉄鋼や石油製品から自動車やエレクトロニクスを中心とする産業に切り替え、輸出国家へ転換していく、国際化の時代、そしてバブル崩壊の予兆、

    と、戦後から昭和の終わりまでの時代の流れが頭に入りましたね… 600ページを超える大作ですが、長くは感じませんでしたね。持ち歩くのは重たかったですけど。


    それにしても… 東京裁判のA級戦犯って、途中でGHQの方針が変わってこともあり、後で裁かれる予定だった人は無罪放免となり、その後、日本の政治の中心に復活してたんですねぇ、、、

    うーん、その人たちがいなければ、今の日本の繁栄はなかったかもしれませんが複雑な気持ちにならざるを得ませんね。

    そして、昭和史なんですが、印象に残ったのは、アメリカ第35代大統領「ジョン・F・ケネディ」の言葉、

    「同胞のアメリカ国民諸君、国が何をしてくれるかではなく、
     国のために自分が何をできるかを問うてもらいたい。
     世界の同胞諸君、アメリカが何をしてくれるかではなく、
     人類のため、みんなで何ができるかを問うてもらいたい」

    イイ言葉ですね… 家族や職場にも当てはめることができると思いました。


    最後に「半藤一利」の忠言を備忘に記載しておきます、、、

     1.無私になれるか。マジメさを取り戻せるか。
      日本人皆が私を捨てて、もう一度、新しい国をつくるために努力と知恵を絞ることができるか。
      その覚悟を固められるか。
     2.小さな箱から出る勇気。
      自分たちの組織だけを守るとか、組織の論理や慣習に従うとか、
      小さなところで威張っているのではなく、そこから出ていく勇気があるか。
     3.大局的な展望能力。
      ものごとを世界的に、地球規模で展望する力があるか。
      そのために大いに勉強することが大事。
     4.他人様に頼らないで、知識や情報をもてるか。
     5.「君は功を成せ、われは大事をなす」(吉田松陰)という悠然たる風格をもつことができるか。

    うーん… 考えさせられました、こういう気概を持って生きていきたいですね。

  • 本書は、太平洋戦争集結までの昭和時代を取り扱った「昭和史」の続編であり、終戦からバブル崩壊辺りまでの昭和を概観しつつ、その期間から読み取れる教訓を示唆する名著である。ただし、田中角栄以降の昭和史に記述は比較的浅薄であることに留意すべきである。

    著者はこの激動の時代を生き抜いた人であるため、本書では歴史的事実を単に列挙するに留まらず、当時の自身の心情や体験をリアルに描写しており非常に面白かった。例えば、東條英機の自殺未遂事件では、国民の多く(著者も含め)がなんで頭を撃たなかったんだと思っていたというのは初めて知った。また、53年にスターリンが死去した際、著者は「やっと死んでくれたか」と思ったそうで恐らく多くの人がそう思ったのでしょうね。

    著者が世襲政治家・官僚が多い現行の政治の腐敗や戦後日本を象徴する平和主義的志向の危機を憂慮していることは至る所から感じ取れた。評者自身は今年のロシア軍によるウクライナ侵攻を考慮しても、再軍備とは言わずとも、有事において効率的に対処することができるような体制を確立すべきだと考えているが、戦後の日本を生きた著者が平和を願う思いには考えさせられる所があった。

  • 歴史に疎い自分でも、楽しく読めることができ、戦後の流れを大局的に掴むことができた。
    もちろん、事実や解釈は様々あるのだろうけど、マッカーサーの改革は正しかったと思うし、昭和天皇の功績は忘れてはならないと感じた。

  • みんな読んだ方がいい、60年代安保はガス抜き

  • 戦後当時を知らない世代には、当時の一端を知る事ができる。時が過ぎて、一般化され、教科書に文章化された出来事ではなく、当時を経験した人が少し俯瞰しながら振り返っていて、非常に面白いと感じました。
    再読しようと思っています。

  • 面白いし分かりやすい。

    鎖国の後、開国してから①国を作るのに40年(慶応〜明治)、②国を滅ぼすのに40年(大正〜昭和)、③再び一生懸命作り直して40年(昭和)、そして今はまた滅ぼす方向へ向かっている(平成)。


    まとめ:日露戦争、日清戦争で買って強国だと認められた。

    背景:戦争をした理由は、帝国ロシアがどんどん南に降りてきて勢力を広げてきたことに日本が脅威を覚え、自尊自衛のために起こしたもの。
    小さい島国の日本を守るために海を使わなければならない、そのためには海の向こうの土地を防衛線にしなくてはならない、と言う考えのもとに戦った。

    国を作れたワケ:色々なタイミングが良かった。

    まず、国づくりのタイミングでは、アフリカの方で戦争が起こった。それにより欧米列強がアジアから自分の国に戻らなくてはいけなくなったので植民地にならずに済んだ。
    次に日清、日露戦争で買った後のタイミングでは、ヨーロッパで第一次世界大戦が起きた。それにより他国の関心がアジアから離れていたので強引な要求(対華21箇条の要求)を突きつけても周りから文句を言われなかった。さらに、中国も日本の戦国時代みたいに内戦していたので合意できた。

    ②への伏線:蒋介石が中華民国を作りはじめて国が1つになってきて日本に対する反感が大きくなってきた。中国との間で仮想敵国と見ていたロシアも新しい国づくりを始めた。(この頃昭和がはじまる)

    重要な余談:第一次世界大戦で勝つ直前に加わって戦勝国側になった。第一次世界大戦は7年続いて参戦国は国力資産をなくした。それにより西強調するために国際連盟を作って軍備を制限する同盟を結んだ。(ワシントン海軍軍縮条約)さらにアメリカの巧みな外交作戦によって日英同盟を廃棄した。これが後に不利になる。

  • 昭和史を軽妙に分かりやすく解説してくれます。
    人物や出来事についての著者なりの主観的評価が表立って出てくる部分は少なく、偏りを感じさせない説明で成り立つ作品です。そのような作品は往々にして無味乾燥になりがちですが、この作品は、著者が当時肌で感じた空気感をリアルに面白く説明してくれるので、心地のよい温かみ、人間味があります。

  • 横町の隠居の語り風の戦後昭和史。実際に筆者が生きた時代だからこその躍動感、臨場感が魅力。日本人必読の一冊。

    昭和から平成、令和。昭和ももう歴史になってしまっていることに昭和生まれとして複雑な心境。

    本書は筆者が戦前を描いた「昭和史」に続く続編。筆記ではなく編集者に語った口述をまとめたものらしい。だから講談中の話が楽しめる。向島出身の筆者のべらんめえ調がテーマにはまる。昭和5年生まれで戦後史をリアルタイムで体験したからこその臨場感が何よりの魅力だろう。

    改憲論議など結局日本の将来を考えるには現行体制の総括は必須。その意味で本書は全ての日本人に必読のように思う。戦前よりももっと深く知る価値はある。

    思えば老人のクダ話を聞く機会が昔より明らかに減ってしまった気がする。核家族化、福祉施設の充実などの要因があるからだろうが。
    体験した人が全て正しいとまだは思わないが、リアルタイムの経験には文章だけではかなわないように思う。

    経験の断絶をつなぐ未来の日本を考えるために、本書により継承されるものはとても重要だろう。

  • 「戦後篇」も引き続いて。春節旅行の飛行機の中で読了。
    「戦後」と言っても、昭和64年までずっと語るのではなく、沖縄返還の昭和47年まで。それ以降は今生きている現代史ということで、大雑把に。
    というわけで、ここで語られる戦後の中心はマッカーサーと昭和天皇。そして個性あふれる政治家たち。
    戦後の新しい日本を作ってきた男たちの想いは忘れちゃいけないと思う。

  • 昭和史の概説、戦後編。GHQによる占領政策、憲法改正問題、公職追放、人間宣言、東京裁判、GHQの右旋回、五十五年体制、高度経済成長。自分にとっての同時代史一歩手前までの、講義調の分かりやすい解説。

  • 毎年読み返している。

  • 戦後の有名な首相がどのような施策をとってきたのかが分かりやすく解説されていて、自分が子供のころの状況が良く分かりました。

  • こういうの学校で習わないよな。

  • 先日読んだ<a href=" http://mediamarker.net/u/a-peanuts/" target="_blank">昭和史</a>の続き。
    現代に繋がる、昭和の歴史について書いてある。
    知っている名前も多数出てくる。
    そして、安倍さんの時代の今に繋がる。


    札幌市の図書館で借りた本。

  •  前作に比べますと、些か著者の思想が出ている気は致しますが、しかし、まだ控え目だと思います。
     とにかく私は、歴史を語る上での善悪論とか、あるいは左右両翼(それも特に極端な派閥)の見解というのは苦手で、なるべく事実を語る(その事実の記述にも、取捨選択というのはもちろんつきまとうでしょうけれども)スタンスというのが好きなんですね。
     けれども今度はそうなると、読み物としては、教科書と大差なくなってつまらないということになりかねないので、著者の力量が問われるわけです。
     この点、読み物としても面白いので、ぜひともおすすめできるわけです。
     

  • 平明で客観性のある文章。
    本の厚みはあるものの非常に読みやすい良書。
    国語的な歴史書。

  • 国を興すまでは四十年、滅ぼすのも四十年。そして滅びの四十年を招くのは、「驕慢なる無知であり、底知れぬ無責任」……。太平洋戦争の敗戦もバブル崩壊も、日本人のどうしようもない精神性に根付いた失敗だったと言う。結局、歴史の当事者たちがリタイアすれば、それと共に痛みや懲りる気持ちも社会から消失し、先人と同じ過ちが繰り返されてしまうのか。なんとも虚しい話じゃあないか……。

  • 8月15日から戦前のとあわせて読んで、やっと終わった。読みやすいんだ けど、すぐ立ち戻って過去の確認とかやってたら時間がかかってしまった。これらがみんなまだほんの100年も経たない時間の出来事だということに驚く。歴史ってなんて紙一重で、ドラマチック。ところどころに入る筆者の編集者視点でのエピソードが興味深い。

  • 戦前編と同様、語り口調の文章ですので、どんどん読ませます。

    日本史専攻の友人によると、著者の歴史観はやや異端と言うか、メジャーでは無いようなのですが、それでも、太平洋戦争からの現代に続く大きな流れを理解するのには充分すぎるほどだったと思います。

    教科書や学校の授業ではあまり触れられない戦後史、勉強になりました。

  • 無味乾燥な歴史の教科書で戦後史や現代史を学ぶより、この本一冊をじっくり時間をかけて読むべきだと思う。長すぎず短すぎず、良くまとまっている。

    戦後史や現代史は学校でじっくり教えられる機会が少ない。(学期の最後に学ぶことが多く駆け足になる)そのため、多くの人が戦後史や現代史の基本的なことも知らない。

    戦後日本がどのように船出し、どんな困難を克服して今日に至ったのか、本書を通じて学べると思う。

  • 太平洋戦争で失ったものを日本は昭和後半に取り戻す。しかし、それも泡と消える。日本人が虚構を愛する物語後半。


     1991年に日本の絶頂は終わる。40年周期で言えば、2016年現在は登っている最中である。そしてあと10年くらいで日本は再び没落する。

     この先、日本人はどんな虚構に踊らされ、熱狂するのか。

     安倍さんか?安倍さんなのか??しかし、タイミング的にはどんぴしゃだ。



     昭和の首相と現代の首相の違いを挙げていた。昭和の首相は政治課題の達成のために動き、その達成とともに退陣した。そういう抽象的存在として政治リーダーになっていた。
     今の首相は明確な政治目標がない。なんとなく世の中をよくする。それで首相に長居する。もっとシンプルにわかりやすくなってほしいという明確な答えが見えた。


     半藤氏いわく「民法を変えさせたのは日本に甚大な影響を与えた。」日本の古き良き家制度をぶっ壊したのが民法改定。自由主義にしたから失ったものも多かった。

  • 教科書では教えていない近代の歴史を様々な証言や資料を基に分かりやすく語っている。

著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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