コロナ時代の経済危機: 世界恐慌、リーマン・ショック、歴史に学ぶ危機の乗り越え方 (ポプラ新書 い 4-8)
- ポプラ社 (2020年7月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591167755
作品紹介・あらすじ
コロナショックで、世界恐慌、リーマン・ショック以来の経済危機に!?
歴史に学ぶ、「危機の乗り越え方」とは。
新型コロナウイルス拡大で、社会活動が低下し、消費が落ち込み、先の見えない事態となっている。
私たちの暮らしは、どうなってしまうのか。
1929年の「世界恐慌」、2008年の「リーマン・ショック」など、
歴史的な経済危機に執られた政策や、リーダーたちの振る舞い、その言葉から復興へのヒントを探る。
当時行われた、暮らしを守る経済復興と命を守る社会保障は、今の社会システムの基礎となるものもあった。
世界恐慌が舞台となっているミュージカル「アニー」など、
困難な状況を生き抜く人々を描いた小説や舞台からは、格差や分断を越えて、
運命を切り開く人間の力強さや、互いをいたわる慈しみを知ることができる。
今こそ、「危機の歴史」を知ることで、いたずらに怖がらず、冷静に対処するすべを学びたい。
生きる希望は歴史にあり!
【目次】
はじめに
・給付金一〇万円を使いましたか?
・景気はこれから一段と悪化へ
・医療従事者も追い詰められる
・日本の「未来」がやってきた
・指導者はどう振舞うべきか
・政府の対策は透明性に欠けている
第1章 世界恐慌からコロナショックを考える
第2章 ルーズベルトから学ぶ、危機への対策
第3章 昭和恐慌に日本はどう立ち向かったか
第4章 オイルショック、リーマン・ショックという苦い経験
第5章 危機の時代のリーダーとは――
メルケル首相の言葉の背後に見えるもの
第6章 コロナ時代の「新しい生活様式」を考える
感想・レビュー・書評
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昭和4年、世界恐慌。
昭和6年の今日8月26日、ライオン宰相といわれた
濱口雄幸が亡くなりました。
前年に、右翼団体の男性に撃たれたのです。
その襲撃事件をきっかけに、血盟団事件、5・15事件、2・26事件と、政府や財界の要人が襲撃されるようになりました。
一方、安倍晋三さんは体調を崩されているようですが、
襲撃されることなく、無事最長記録を達成できて、良かったです。
ところで世界十か国について調べた
アメリカのモーニング・コンサルトによると、
コロナ禍前後で支持率が上がった首脳は
オーストラリア、ドイツ、カナダ。
最下位は安倍さんで、その上がブラジルのボルソナロ大統領、下から三番目がトランプ大統領だそう。
そんなに酷かったかしら?
この本ではメルケル首相べた褒めです。
最初にも書いたように、不安な社会状況が長引くと、
どうしても急進的あるいは過激的な人たちも出てくるし、
そういう人たちを支持する人が増えてくる可能性も高まるそうです。
自分はこの本で書かれているバブル崩壊もリーマンショックもあまり感じませんでしたし、コロナについてはここだけの話ですがメリットを感じることもあったりして(本当にごめんなさい)。
こういう本でお勉強し、自分のなすべきことをちゃんとこなしていきたいです。
(自慢じゃないけど、10万円は全額寄付しましたので、許してください。
ちなみに池上さんは10万円にプラスして寄付。負けた)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感染症を軸にした世界史トリビア。刊行を急いだ為か、不用意且つ不必要な発言も散見され、TV対談やネット記事のような安っぽさがあった。ただ感染症に関する一般知識は得られる。ウイルスとは今後も決して縁が切れることはないが、不思議なほど感染症に過剰反応し過ぎた事象が今回のコロナ騒ぎ。真のインパクトは社会生活の変容を促した事にあり、世界史上初の事例として後世に残る事だろう。
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現在発生している新型コロナによる経済危機の原因や各国の対策状況を簡単に解説し、かつ、過去の恐慌に時の政府はどういった対策を取ってきたかを確認するための対談本である。
特に、世界恐慌時のフーバー大統領とルーズベルト大統領の政策比較はわかりやすく、たしかに腹落ちさせられるものであった。
また、過去の恐慌時の分析のみならず、他国であるドイツとの比較論も面白い。出口治明さんの仰る「縦の比較」「横の比較」に通じるものがある。
記述量も多すぎず少なすぎずまとめられており、ネットではなかなかこういった良質なコンテンツは見られない。書籍の大切さということも感じさせる内容となっている。 -
コロナ時代の政治危機の乗り越え方について、池上彰と増田ユリアが語った一冊。
2020年7月出版と今となっては若干古いものの、「歴史に学ぼう」という基本的な姿勢は正しいと感じた。 -
政治と経済のあり方について、大恐慌時代のアメリカの話は政治が市場介入することについての是非の勉強になる。
ブロック経済は、自分はプラスの意味で習い、ブロック経済のおかげでアメリカが復興したみたいに習った気がしたが記憶違いだったかな。
コロナで、支持率を上げた国のトップと、支持率の下がった国のトップの話は笑えた。日本という国について、第三国の視点で見たら、トランプ大統領とそんな変わらないのかなw
巻末にはドイツのメルケル首相の演説が載っているが、
国家の危機に瀕した際に「心」で伝える事大事だよね。 -
雑誌で紹介されていたので、読んでみた。
テレビにもよく出ている、池上彰と増田ユリヤの対談形式で世界恐慌など過去のいろいろな危機をひもとき、コロナ危機の現状について解説している。
出版から1年経っているので、既に状況が変わっているが、びっくりするぐらい変わっていない状況もある。
オリンピックが、緊急事態宣言の中行われるとは誰も想定していなかっただろうし、いまだに旅行にも行けない。
アメリカなどがあれほど死者を出しながらもワクチン接種のスピードが速く、既にほぼコロナ前に戻っているというのを見るとやはり日本もワクチン接種をもっと早く進められればこんな状況にはならなかっただろう。やはり危機的事態に直面したときには、政治家の力が問われるということなのだろう。
個人的にはできることを淡々とやりながら、この時期を乗り切るしかない。 -
特に新しいことはない。危機はチャンスだと思っているから。ピンチはチャンス。
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いつもの事だけど非常に分かり易くて読みやすかった。
『弱者に寄り添うのが民主主義』と言うフレーズが印象的。
根本的に原点を見つめ直すという点では、コロナ禍も悪く無いのかも。