生きた自然を探求する:躍動する生命と宇宙 (小林道憲〈生命の哲学〉コレクション)

著者 :
  • ミネルヴァ書房
2.00
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623077267

作品紹介・あらすじ

今日の生物学や物理学など、大きく変貌する自然科学から材料を得ながら、現代の生命論や宇宙論を哲学的に解釈し、自然を〈生きた自然〉としてとらえる生命論的世界観の提示。再び、ロマン主義的自然観を復権させ、二十一世紀のパラダイムを構築する。宇宙、物質、生命、すべては無限の生産力をもった秩序形成力であり、自己形成力である。

感想・レビュー・書評

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  • 『生命と宇宙 21世紀のパラダイム』(ミネルヴァ書房、1996年)を加筆訂正した本です。

    著者は、機械論にもとづく自然科学的な立場では、生命現象に見いだされる目的や意味、さらには自由といったものをとらえることはできないといい、システム論など現代の生命論の成果を参照しながら、新しい時代におけるロマン主義的な自然観を語っています。さらに、現代の物理学における場の理論などにも言及しながら、生成する生命という発想が従来の機械論的な宇宙像を乗り越えた新たな地平と共鳴するような思想的内容をもっていることが論じられています。

    本書では、イリヤ・プリゴジンの散逸構造論やデイヴィッド・ボームの内臓秩序論などが参照されているのですが、それぞれの内容にくわしく立ち入ることはなく、おおむね機械論に対するロマン主義的な自然観のおおまかなイメージを提出することに終始しています。ただ、そうしたイメージのみが先行して、実証的な側面についても哲学的な意義についても、突っ込んだ議論はなされていないように思えます。

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著者プロフィール

小林道憲(こばやし・みちのり)
1944(昭和19)年 福井県生まれ。
1972(昭和47)年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
現在、福井大学教育地域科学部教授、
麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授。
専攻は哲学・文明論。

主な著書
〈哲学研究〉
『ヘーゲル「精神現象学」の考察』『生命と宇宙』
『複雑系社会の倫理学』『宗教とはなにか』
『宗教をどう生きるか』『複雑系の哲学』
『生命の哲学—〈生きる〉とは何かということ』(人文書館)
〈現代文明論〉
『欲望の体制』『われわれにとって国家とは何か』
『近代主義を超えて』『20世紀を読む』
『二十世紀とは何であったか』
『不安な時代、そして文明の衰退』
『対論・文明のこころを問う』(共著)
〈比較文明論・日本研究〉
『古代探求』『古代日本海文明交流圏』
『文明の交流史観』等がある。

「2008年 『生命(いのち)の哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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