- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784783811213
作品紹介・あらすじ
戦国時代、静岡の地は遠江・駿河・伊豆の三国に分かれ、名だたる武将たちがしのぎを削っていた。要衝には、敵の侵攻に備えて山城、平城、海城などが数多く築かれ、遺構は今もひっそりと各所に名残をとどめている。歴史小説界に新風を吹き込もうと創設された「操觚(そうこ)の会」のメンバー10人が今回、その県内の城にスポットを当てた。いずれも徳川、今川、北条、武田の軍勢が武門の意地と誇りを懸けて激突した舞台。各作家が1つずつ選んで、ユニークな人間模様を紡ぎ出した――。全編書き下ろしの異色アンソロジー。
感想・レビュー・書評
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群雄割拠の戦国時代、静岡は駿河・遠江・伊豆の三国に分かれ、徳川・武田・今川・北条が要衝を築き覇権を争いました。静岡に限ったことではないと思いますが、実は教科書に載らない物語に、面白いものがたくさんあるのです。
戦国時代の静岡といえば、今川義元という織田信長の踏み台にされてしまったで一躍有名。いつだか、職場の山梨出身の後輩が「武田信玄が有名ですが、三英傑には敵わない」と嘆いていたので「今川義元よりはいいのでは」と答えたところ「確かに」と大きくうなづかれた記憶があります。
酷い話だ。地元愛もあったものではない。
そんなパブリックイメージは置いといて、戦国時代の静岡の城10ヶ所10編のアンソロジーです。徳川・武田・今川・北条の最前線となった土地柄、戦場になることが多く、敗戦の物語が多いです。
中では「紅椿」が好きでした。お田鶴の方という曳馬城の女城主。予備知識のない物語は新鮮な喜びがあるし、女丈夫は大好きです。
長編するには情報が足りなくても、アンソロジーのような短編で読むことができるというのは嬉しい。これ、誰が言っていたのだったか。幕末にロシア通訳になったという人物の小説を読んだ時だったか。歴史小説ベストに収録されたどれかだったと思う。贅沢をいえば、各都道府県で同じようなアンソロジーを読みたいものです。北海道は無理か、各都府県でお願いします。 -
タイトルの通り、静岡県にある戦国時代の城のアンソロジー。そうそうたるメンバーが執筆。
どの城にも、歴史あり。高天神城以外行ったことがないので、また足を運んで、当時に思いを馳せたい。
地元のお城にも興味が湧いた。来年、行ってみよう! -
『紅椿』と『井川の血』が面白かった。今川、徳川、武田、豊臣そして織田。色んな視点から静岡の地に起こった戦をなぞれてよかったけど、親兄弟で名前が似すぎてごっちゃになったりしたので登場人物一覧が欲しいっちゃ欲しかった。
薄化粧とか公家大名とか、ああ、信長に負けた…とか言われがちな今川の株がぎゅんと上がりました。とくに氏真ね!そして家康はなんかやっぱりちょっとやだ
最近静岡駅に今川義元像ができたらしいのでがんばってほしいです。