- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784788799011
感想・レビュー・書評
-
気の弱い社会不適合者なら飲み込んでしまうであろう辛酸をぶちまけてしまうところがとても痛快。困ったら軍歌を歌ってふふーんと澄ましているところもなかなかお茶目でいい。それ以外の冷笑的な部分は言わずものがな。よかったです。
-
一昔前も、今も会社でやってることは同じで面白かった。進歩してるのはテクノロジーだけ、人間はどうやって会社への帰属意識を高めるかをいろんな言葉を使って、手を替え品を替えやってるだけ。でもそんなのすぐ見破られちゃうからねー、お互いの尻尾追いかけて、堂々巡りしてるだけなのよ。
なので今勤めてる会社もこんな感じ!とおもいながら呼んでました。暗坂さんの生き方かっこよ!会社に殺されないために自分の時間を確保するって大事だよ。しみじみ。90 -
20180402読了
1999年発行。著者が作家として身を立てる前、昭和から平成にかけて11年のサラリーマン生活をおくった経験を綴った一冊。とにかく会社という集団に所属すること自体が向いていないタイプで、ずいぶんと浮いた存在だったよう。集団行動を求められてカリカリしたり、たまには大爆発を起こしたり。かといって、会社の愚痴オンパレードというわけでもなく、そんな自分を客観的にかつユーモアをもって語る文章なので、不思議とうんざりすることなく読めて、読後感は悪くない。おもしろかった。校正者のしごと模様も描かれるのだが、業界の人たちがけっこう過労死している。●解説(浅羽通明)より P258このレジスタンス戦記は、いらざる<自我>を抱えて会社「世間」の重圧をかわそうと日々呻吟しつつある、全国の倉阪鬼一郎、あまたの謫仙たちへ、たしかな勇気と、有益きわまる戦訓をも授けるだろう。 ※謫仙・・・たくせん。中国の故事。天帝の怒りを被って下界へ流刑され、俗塵にまみれて生きる神仙のこと。いわゆる貴種流離譚。 -
はっきり言ってしまえばこの人と一緒に仕事はしたくないわー、なのである。なんかいちいち切れるし、物を投げるは、ちょいちょい不機嫌だわ、こんな人と一緒ならもう胃が痛くなること間違いなし、てか実際似たような人いるし!
まぁでも実際に一緒に仕事をする可能性はゼロなわけで、となるならこいつちょっと変だわー、ぷっ、とか言いながら楽しめてしまうのである。もはや対岸の火事、シリアの避難民である。
といってもなかなか時々面白い事も言ってたり、筆者の言葉を借りれば「ぽんと膝を打つ」ところも随所にあり、実は感覚が自分に似ているのではないか?と衝撃を受ける。これはまさに同類相哀れむ、同じ穴のキジムナーである。
あと、とりあえずこの本から活版業界についての知識を得る事は無理だった。 -
面白かった。
…という表現しかできない自分の教養の無さが(本書を読んだ上だと余計に)恥ずかしくなるけれど。
読んでいて嫌な感じがしない理由も自分では説明できないが、解説者の解説(これも私には難しいが)を読み、ああそうだよなと思う。
それにしても、知られざる過労死の実態が怖い。 -
作者が校正をやっていた時の話
面白い
4.0点 -
再読本。
怪奇作家倉阪さんの、校正者としての
社会人時代の数年間。
当時大爆笑したけど、再読しても大爆笑。
校正、印刷業界の裏話も満載。
ガイドブックや会社案内で、都合の悪い
ことが校正の段階で削除されるということ。
(会社案内でこの部署は島流し、ということが
削除されたりするそう)
値段間違いの広告は、最低でも1個は売らなくては
ならない。
50万円のヨットが5万円で売られたケースも
あるとか。(この時は、売る側に印刷会社に
請求しろと言えば大丈夫との裏技も伝授)
本書の刊行は1999年。
無意味な朝礼(指さし確認、よしっ!)、残業、
安い給料、こんな会社悲惨!と思っていたけど
現代のブラック企業に比べれば、この会社も
立派ないい会社、にあたるので時代は変わるもの。
不親切な仕事の渡し方をしてきた得意先に
バカと書いたことがきっかけで、皆の前で
社員証を叩き付けて辞めていく最後の散り際(財布の
中のレシートも舞う)に拍手喝采しましょう。
「自信を持て、自信がないから君の仕事には、
粘りも迫力も、そして厚みすらがない」
社内の標語、悪い文章の見本だけど、
なんか印象に残った。 -
幻想小説家の著者が、校正という職に就いていたころの日常を書きつづったエッセイ。
うちの場合、校正も全部編集がやるからなあ。倍疲れるわけか… -
おもしろい……というか、胃に痛いというべきか、悩む本。mixiの校正コミュニティで紹介されていた。内容にとても同感。
つーか……こういう仕事につきたいものですが。
こんばんは。日経印刷が校正詳しく解説されていておもしろいですよ。わたしはこのサイトで活字狂想曲を知りました。
中島らもの「永遠も半ばを過ぎて」の解説もあります。
トルツメトルツメ。
トルツメトルツメ。