文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

制作 : Jared Diamond  楡井 浩一 
  • 草思社
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本棚登録 : 943
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (547ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219404

感想・レビュー・書評

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  • 話題となった著作『銃・病原菌・鉄』で、「人類の歴史をこんな形でとらえることが出来るのか」と、目を開かせてもらった学者、ジャレド・ダイアモンド。
    その後続となる著作が文庫化されていたので、取り組んでみることにしました。
    「文明」について、その興隆と滅亡を分ける要因とはなにか。
    イースター島など、滅亡した文明や、厳しい環境のなかで存続している文明を分析することで、その答えを模索しています。
    もともと、「環境破壊と文明の繁栄」についての研究というのが始まりだったようなので、その面での考察に多くのページが割かれています。
    上下間合わせて1100ページに及ぶ大著。
    論点も多岐に渡るため、簡単にまとめるべきではないとは思いますが、全体を通じて僕が受け取ったのは以下のようなことです。
    ・人間が生きていく上で、衣食住に関わる資源は、間違いなく必要なものである。
    ・かたや、文明が繁栄すると、人口は増える。
    ・人口の増加に対して、資源の調達が追いつかなくなると、その文明は滅びる。
    文明存続に成功した事例として、江戸時代の政策によって高い森林占有率を保っている日本も、挙げられています。
    物流の発達により、世界的に資源のやりとりができるようになった現在の世界では、上記の考え方に加えて、経済的な優位性と安全保障という切り口が加わるのかな、などということも考えました。
    ひとつひとつの事例も興味深く、膨大な知識をもって書かれた著作なのだなあと感じる力作でした。
    この後の著作も発表されているようなので、文庫化を待って読んでみたいと思います。

  • 「〜文明は滅びて、〜文明が栄えました」を、詳細に多角的に推測。
    歴史の副読本に!

    かつ、現代の諸都市にもフォーカスをあてるので、ちょっと怖くもなる。

    ゲンダイブンメイは滅びました。。。って言われたくないなぁ。

  • ルワンダ虐殺についての視点は大いに参考になった。
    第四部はその部分だけでも一冊にする価値のある文章だと思う。

    前作「銃・病原菌・鉄」を読んだ時、期待ほどでは・・・と思ったが、
    今作は想像以上の面白さだった。

  • 上下巻を読み終えて…。
    唸るほどに面白い。

    2005年に書かれたものだが、古さは感じない。
    現状を言い当てられているようだ。
    『ある社会(文明)は、何故崩壊したのか』、滅びのメカニズムを分析して、そこに普遍性を見いだし、将来進むべき道を模索していく。

    特に、下巻の第3部、第4部は興味深い。
    【第3部 現代の社会】
    第10章(アフリカ ルワンダ)
    第11章(ドミニカ、ハイチ)
    第12章(中国)
    ※最近ニュースで取り上げられている大気汚染についても書かれている。
    第13章(オーストラリア)
    【第4部 将来に向けて】
    第14~16章は、本書を際立たせている。

    『先進国の住民が現在享受しているライフスタイルを、あらゆる人が切望した場合、世界にどのような影響が及ぶのか?』

    我々がとるべき行動とは何かを問いかけてくれた。

  • 歴史上、文明崩壊の危機は多々訪れているし、崩壊した文明も少なくない、ということを再認識。(特にこの本で触れられてはいないけど、日本の大和政権以前や中世戦乱期も崩壊の危機だったのか)
    その文明の歴史自体が続いて当然、と思って過去を眺めていたことに気がついた。現在の立場からの知識で見ていてはいけないな。
    また環境面や経済的な問題にも目を配る必要性も感じさせられた。

    価値観の転換、という部分がとても興味深い。
    価値観をどうするか(守り続けるか捨てるか)でその社会の将来が決まる。
    その選択の理由もまた探れるのではないのか。選択の主体は個人ではないから、全く自由に選べるわけではないはず。

    少なくとも先進国では、教育は広まっているし、現在は過去の社会よりも正しい選択が行われる可能性は高いのではないかな。

  • 読んだと書きましたが、文庫には追加された章があるようです。

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    「江戸時代の日本では、乱伐により荒廃した森林環境が徳川幕府の長期視点に立つ育林政策によって再生し、持続可能な森林管理が実現された。問題解決に成功した社会と失敗した社会の違いはどこにあるか。現代中国やオーストラリアの惨状を分析しつつ、崩壊の危機を乗り越える道の可能性を探る。歴史において個別の社会で発生した勃興・隆盛・崩壊のパターンは、グローバル化した現代ではまさに全地球規模での危機へと拡大しつつある。資源問題、環境問題、人口問題に政治闘争や経済格差の問題も含んで、崩壊への因子はより複雑化している。だが著者は悲観的ではない。観念論ではなく過去の教訓から学んだきわめて現実的かつ建設的な処方箋を提示する。新たに新章「アンコールの興亡」を加えて待望の文庫化。 」

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著者プロフィール

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)地理学教授
1937年ボストン生まれ。ハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修めるが、やがてその研究領域は進化生物学、鳥類学、人類生態学へと発展していく。カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学教授を経て、同校地理学教授。アメリカ科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、アメリカ哲学協会会員。アメリカ国家科学賞、タイラー賞、コスモス賞、ピュリツァー賞、マッカーサー・フェロー、ブループラネット賞など受賞多数。

「2019年 『危機と人類(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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