- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794220820
作品紹介・あらすじ
ヘッセの代表作の一つを新訳で贈る。
インドの若者シッダールタの悟りへの道を寓話的に描き、
「人はなぜ生きるのか」に解答を与える傑作小説。
感想・レビュー・書評
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1922年。 ヘルマン・ヘッセ作。
ブッダと同じ名前の男が、悟りを求めてさまようお話。
シンプルで読みやすい文章ながら、哲学的で深みのある物語だった。
人生の受け入れ方が素敵です。 -
何事もそうだが、知ってるのと身を持って分かったのは全然違う。シッダールタはあらゆることを身を持って分かったからのラストなんだろうな。
人間の歴史の中で、皆色々なことと戦いながら、それでいて誰にも評価されることなく死んでいくが、それは悪いことでも寂しいことでもなんでもないよな、なんて感じた。 -
著者が一生を費やした思想を数百円で買えるのが小説だ、なんて文をどこかで読んだが(そしてそれが正しいとは必ずしも思わないが)、これはまさにそんな本だ。まだ若く未熟で傲慢な私ではとても知り得ない境地を教えてもらった。
主人公は若い頃、とんでもなく優秀だった。出来ない事は無く、現状に満足できずに家を出た。その後も持ち前の才でもって教義を得、富を得、愛を得た。しかし成功の果てでふと自分の醜さに気づき、今まで見くびっていた人たちの美しさを知った。そうして全てを捨てて隠遁生活を送る主人公だが、そこで偶然息子と出会う。どうしても息子と分かり合えなかった主人公は、自分にも得られないものがあると知り、自分の弱さを知った。ついに息子に出て行かれた時、かつての父の気持ちを知り、自分の罪を知った。同時に、輪廻の中でいかに人が無力であり、万物流転の悟りに達する......
人生とは、何かを身に付けたり達成したりするほどに、それまでの自分の愚かさに気づいていくものなのだろうか。逆に言うと、自分の愚かさに気づけていないという事は、何も得られていないということ...?
人生の各ステージで感じ方が違うことは請け合いで、折にふれ読み返したい本だ。
原文の詩的な文体を再現、とのことだったが私には詩的というよりも単に平易に感じた。他の訳出もあれば読みたいところだ。 -
新訳と言うことで読みやすくなったことを期待して購入。
やっぱり始めは読みづらくて。。。
シッダールタが自分のことを「彼は」や「シッダールタは考える」なんて言うもんでなじめなくて。
同じ言葉が何度か繰り返すことも多い。
訳者あとがきを読むと「詩」なのでリズムを保つため、みたいに書いていてやっと納得。
仏陀とはまた違うシッダールタの魂の旅の物語。
カマラーとの出会い、息子、友人、出会いの中でシッダールタは本質をつかみ取っていく様は一緒に旅をしているようでとても興味深かった。 -
20141108読了。
カースト制度の上位にあるバラモンの子どもでありながら、自ら低い身分を選び、困難苦難のステージを乗り越えて悟り、そしてさらなる苦悩を経験し、また乗り越えて悟る。
人は大きな輪廻の輪に乗っかって生きている。
インドの熱風、匂いを、空気を感じながら読み進めた。 -
2014年98冊目。
仏教の改組ガウタマ・シッダールタと同名の別人物「シッダールタ」が悟りを開くまでの架空の物語。
悟りかけては堕落・苦悩し、苦悩を抜けては新たな悟りに至り、とても波の激しいシッダールタの人生は読者に馴染みやすい気がする。
目標を追うのではなく、広く自分を開いて「見いだす」など、心に残る言葉が多かった。