- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794971845
感想・レビュー・書評
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ほんわかとユニークな視点を提供する著者の、融通無碍な悩み相談ワークショップ。
医者と患者を「演じる」、ホワイトボードで壁を作って他者に「見えないが聞こえる場で」相談する等、軽やかな工夫を散りばめ、一見すると適当な助言の中に、生き苦しい澱みを和らげる趣向が凝らされている。
遊び心の境界を取り去って。
・薬は日課、日々のしおりづくり
・食べたものを出すように、自然とアウトプットする。好きなこと、興味のあること、気軽なことで
・興味、関心の減退はインプット過多でアウトプットの信号と捉える
・アウトプットが続かないときはできたアウトプットの推敲の信号と捉える。他者を入れる
・絶対に実行しないための企画書を書く
・妄想の中で実践する。夢を今すぐ実行する。ただし、環境を一切変えない
・「書けない」のではなく、「それは」書きたくない
・私たちのいちばんの薬は、声
・人生は解決すべき問題ではなく、味わうべき神秘なのだ(キルケゴール)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分で蓋をしている気持ちが、声 にして他の人に話す事で形になる。さっと形にして安心できる人に見せる。できる範囲で続ける。
無理の無い、これらの営みが自分の薬になるのか。気付きをたくさんいただいた本。 -
面白すぎる!ご飯食べてウンチするように、息吸って吐くように、インプットしたらアウトプットしなきゃ、体調悪くなっちゃうでしょ!って、目から鱗…!?とにかく、診断の会話が面白すぎて、笑いながら読みました。読むだけで元気になれます。
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さらさらーと読んだんだけど、好きなことを思い出してアウトプットするように。敏感な人は自閉するように、とのこと。色々悩んだ末にたどり着いたことなんだろうなあ。
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アウトプットしましょうよ、そしたら楽になれるかもよ、という話。
一生反省禁止。反省しない。
自分が気持ちいいと思う環境を作ることから始める。
やりたくないことをしない。適当にやる。
やりたいことをするんじゃなくて、やりたくないことを一切しない。
やりたくないことをしない。その結果ストレスが一切たまらない。
一曲でいいから、何も考えずに作るを試す。みんな考えすぎ。意思や意識とか思考とか使いすぎ。脳と肺酷使しすぎ。 -
めちゃ良い本だった。読む人を選ぶとは思うけど、これを読んで楽になれる人もいると思う。辛いときは「アウトプット期」、声を出すのが大事、上手ででいい、わけがわからないものであっても、声になろうとしているなにか、声になる前の何かを外に出すこと。というのはストンと胸に落ちた。
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いのっちの電話の坂口恭平氏が精神科受診を模したワークショップをする中で人の悩みに対する位置づけや対処方法を提案する。じっさいにワークショップをしているのかは分からないけど,その演劇ワークショップに参加する文脈(医者役である坂口氏と受診する患者役の各人,密室ではなくパーティションで診察室が作られていて,その外に音が丸聞こえの状況で待合室がある)では,自分の悩みを語り,他者の悩みと医者役の対話を聞くことで自分の悩みを相対化していく。
坂口氏のいのっちの電話経験に基づく「人の悩みは大体同じ」というのが大切。多くは感じやすい人や感じやすい時期にいわゆる病というものが発症しているが,病のほとんどは便宜的にカテゴリーに分けられている感がある。感じやすいなら自閉する,入りすぎている状態が多いからアウトプットしていく,これらが共通する薬。 -
[出典]
「現代思想入門」 千葉雅也
P.73 「ひどい抑うつ病になったときには、(中略)こうしたっドゥルーズ+ガタリ的な、自分を多様な形に開いていくという思想は役に立つのではないでしょうか。」 -
「死にたい時は作りたい時、何かが生まれるアウトプットの時」という言葉で、そういえば出産の時って母親は(死にたくはないが)死と隣り合わせというか、死にそうになることも珍しくないよなと思い当たった。
身体がアウトプットしようとする時は普段と精神状態も違うのも無理はないか。
今度から好奇心が無くなったりもうダメだと感じる時こそ、何か手を動かして声を出してみよう。