連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 6-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796680899

感想・レビュー・書評

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  • 猟奇的な殺人に怪奇的な犯行声明から始まる物語。
    途中から2つの物語が並走し、犯人特定に繋がっていく。
    かなりグロテスクな描写や、目を背けたくなる表現もあるが、
    それ以上に攻防をしているシーンが冗長に感じられ、中弛みしてしまう。
    最終の展開に次ぐ展開は素晴らしかった。
    最終展開以外はしっかりと読んでいれば繋がってくる。
    最後の最後まで綺麗に纏まっていてスッキリ。

  • 最後の怒涛の展開は面白かったけど、途中途中の市民の暴走シーンや犯人との攻防の描写が長すぎた。

  • ストーリーの構成はさすがでしっかりできた内容だと思う。残虐さ等は好みが分かれると思うが、群衆や犯人との描写があまりに長いなと感じる。小手川があんなことになっても死なないのが疑問に感じる部分でもあったしそれこれ異常だと思った。最後のどんでん返しは半分は容易に想像でき、半分は無理があるのではと感じた。

  • 恐怖とグロさエグさに気を取られますが、最後はまさかのどんでん返しの連続でした。思い込みは怖いなと実感した1冊。

  • 内容の面白さよりもまず一番感想として残るのが、「読書らしい読書をしたぞ!」という達成感。普段の生活では出てこない熟語が多く「いやこんな難解なセリフ、私生活でもドラマでも使わんやろ」とは思うのですが、そこがまた面白い。語彙とか司る部分の筋トレができたような爽やかな疲労感が楽しめます。
    という訳で読書による達成感を楽しみたい、ちょっとエグい表現が大丈夫な方にオススメです。


    ちなみにストーリー自体はやられた!となる程にはならず。しかしハードボイルド刑事物として楽しめました。

  • 七里作品ではすっかりお馴染みのキャラクター、古手川刑事の視点で物語は進む。
    この表紙とタイトルの不気味さが効いてる。
    奇怪で残虐な連続殺人事件に挑む。
    渡瀬と若手の古手川刑事のコンビは、私にとってはヒポクラテスの誓いが初だったけど、この作品の方が先。なるほど、ヒポクラテスに随所で出てくる古手川くんの過去の話も、これを読んで繋がってきた。
    センセーショナルな事件だけあって、緊張感を絶えず持ちながら読むことが出来る。
    ナツオの子供時代の生活が重たく、辛い気持ちにもなる。
    終盤のどんでん返しも鮮やか。
    物語のアクセントになるクラシック曲は、ベートーベンの「悲愴」。私も前にレッスンで弾いた、大好きな曲です。
    私は、実は七里作品の中で一番好きなキャラクターが古手川くんなのだ。
    犬飼のように、鮮やかな推理力や経験値があるわけでもないし、御子柴のような強烈な個性があるわけでもない。でも、いつも渡瀬に翻弄され、叱責されながらも、ひたむきに事件に取り組む青くささや不器用さに、好感が持てる。古手川くんのこれからの活躍も見守っていきたい。

  • 中々過激な表現が多かったのと、刑事さんが痛ぶられるシーンが長すぎたのがすこし気になりましたが、構成はさすがでした。

    ラスボスや手法は予想通りでしたが、最後ページ数少なくなってから、どう落とし前つけさせるのかと思いハラハラしましたが、そういえばそうだった!なるほど!さすが中山七里!

    いつもながら作者様は法を逃れた者に厳しいですな。

  • 猟奇的殺人事件まさにグロイ描写!面白い!ただ映像化にしたら見れるかな?どんでん返しのストーリー     次回作[カエル男ふたたび]が気になる。

  • 予想が当たった部分もあったけど、たしかに意外性のある結末に驚かされた。
    ただ歪んだ関係がいろいろしんどい。

  • 言葉を選ばず言うならば「連続殺人」といった単語に惹かれるミステリ好きには是非読んでほしい一冊

    ちょっと古くさい感じの刑事コンビが連続殺人事件を相手に挑む話
    推理しながら読んでいくと論理的に一つの結論には簡単に到達できる…が、読者がゴールだと思ったそこは著者からするとただの通過点であり、それを踏台にした驚くべき結末が待っていた。
    しかも、最後の一行足りとも無駄がなく、作品として完成された美しさまであると感じた。
    よくよく読み返すといくつかの伏線があることに気付くことができ、読者に対するフェアさはしっかり保たれている。

    しかし、自分が無知であるが故なのだが、いちいち漢字や熟語が難しくスラスラとは読めない。
    「漸く」や「蹲る」なんかはまだいいが、「擡げる」や「罅」などは出てくると一瞬止まってしまい、読むスピードが落ちた。
    その上、「このシーン、まだ続くの?」と思うような冗長とした場面もあり、テンポが悪く感じた。
    ただし、読みや意味を調べることで学びにはなった。ちなみに先のは「もたげる」と「ひび」と読むよう。ミステリーを読みながら、日本語に詳しくなった気がする(笑)

    読みにくい漢字が多い上テンポも良くなく、読みやすいとは思えなかったため★3としたが、内容自体は★4〜5。
    読んでいる内にいくつか出てくるモヤモヤが最後の章で全てつながっていく構成力は圧巻だし、更には強烈な結末もあり満足。
    読後感は爽やか…というわけではないが、個人的にはすっきりといった感じ。
    オススメです!

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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