- Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797332575
感想・レビュー・書評
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カタルシスがあるといいな
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前半は1巻同様苦難の連続。
主人公たちはみんな苦労する。
ようやく苦労が報われて落ち着いた中盤に恋愛パート。
ほのぼの。
しかし、羊毛市のあたりでフラグが立ちまくる。
やばいやばいと思いながらページをめくる。
羊毛市の朝を迎え、ここまでくれば大丈夫かと
胸をなで下ろしていたら・・・きゃー!
ウィリアムの野郎、そこまでするか!
そして終盤。
2転3転する恋の結末。
読者たるこちらは、ここまで読み進めた経験で、この小説はBADエンドを
用意しかねないとわかっている。
おかげで、必死にジャックを応援し、絶望したり、喜んだり一喜一憂。
まさに作者の思い通りだが、どうしようもない。
そしてラスト・・・。
おいおい、最後はハッピーエンドになるんだろうな!
頼むぞ! -
帯にある文句。
「読めばわかる超弩級の面白さ」というのは決して大げさではなかった。
こんなに起伏が激しい物語は久しぶりだ。
とにかく面白すぎて、読む側が疲れる。
中世イギリスを背景にした歴史物語。
王位継承の趨勢、教会の権勢、建築士の夢、その家族たち……
それぞれの物語単独でハラハラさせられるというのに、全部が絡まり合って心を掴んで放さない。
運命にもがき苦しみ、立ち向かう愛すべき登場人物たち。
そして彼らの前に立ちはだかる大勢の憎たらしい奴らに、つばを吐きかけてやりたい!! -
中世イングランドの、王位を争う戦乱が続いていた時代。国に秩序などなく、正しい裁きは行われず、力のある者が暴力をふるい、弱い者が踏みにじられる。大聖堂を建立しようとする建築職人トムと修道院長フィリップにも、数々の災難がふりかかる。また、没落した貴族の娘アリエナも、仕事が順調にいったかと思うと…。
絡み合う人間のドラマにハラハラドキドキして楽しめる。中巻は一気に読んでしまった。 -
ヨーロッパキリスト教的二項対立、勧善懲悪、
波乱万丈なよく出来た面白い群像劇。
マクロな面白さは文句なしなエンターテインメント。
一部人物を最後まで追いきれていないところは残念。
艱難辛苦の波状攻撃が、よくもまあ次から次へと。
相似パターンの繰り返しにややしんどくなる。 -
「ランニング・ハイ」、辞書には「マラソンやジョギングなどをしていて最初は苦しいが、走っているうちに段々と気分が良くなってくる現象」とある。 上中下千八百頁の大分な分量、翻訳、中世と言う馴染みのない舞台。はっきり言って直ぐに物語世界に入り込める訳ではない。但し、仕事の合間に少しずつ読み進めるうちにこの世界を読むことが日常に転ずる。将にリーディング・ハイ状態。読み終わることを望まない物語。中巻を読んだ時点で二百年後の続編「大聖堂―果てしなき世界」を読みたくなった。勿論、続編が正編を越えることは稀であるが・・・
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【1989年初刊/2005年SB文庫初版/2012-01-25購入】
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2012年1月17日読了。中世イギリスにて大聖堂の建設が進む修道院を中心に人々の人生・生活・夢などを描くシリーズ2作目・中巻。領土を追われキングスブリッジまで逃れたアリエナ・リチャード姉弟は虜囚となった父の前でハムレイ家への復讐を誓い、フィリップ院長の下トム・アルフレッド・ジャックらの働きの下、大聖堂建設は順調に進んでいるかに見えたが・・・。大聖堂に一番執着のない、アリエナがこの巻の主人公だったか。国の領土を統べるのは国王だが、その領土には国王よりもっと偉い「神」に与えられた職務を果たすべく修道院を領地に立て経営する修道士たちがおり、さらに国王に仕え戦争では褒賞目当てに働く騎士・貴族らがおり、それぞれの領地の収入は農民らの働き次第、と中世の権力関係は複雑だ。「法」「正義」も、誰の名の下でそれが行われるかによって内容は変わってしまう、絶対的に正しいもの・概念なんてのは昔も今もないのかもしれないな。
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