作品紹介・あらすじ
大好きなおばあちゃんが、亡くなりました。うさこちゃんの目を通して、おばあちゃんの死と、それを見送る周りの人の様子を、簡潔に、そして静かに描いた作品です。
感想・レビュー・書評
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(2018年9月)
結構前に古本で買っていたもの。
出して来て読み。
7歳児Fも割に神妙な顔で聞いていた。
自分の母(子供たちにとってのおばあちゃん。存命)のことを考えたり。
「おばあちゃん、ありがとう、わたしたち みんなに よくしてくださって。」というおとうさんの言葉。
自分の母もそうだな、いつも私や子供たちによくしてくれてるな。
「だいすきな おばあちゃん」とお墓の前で呼びかけるうさこちゃん。イノセントだなーと思う一方、いかんいかん、私は生きてる間に大すきな相手にちゃんと「大好きなXX」と呼びかけていかねばならん、と思ったり。
(2021年4月)
この4月、ひと月の間に父方の祖父祖母(私にとっての舅姑)が続けて亡くなった。
寝る前に出して読み。
5歳Aは棺の形や土葬など、自分が体験したことと違う葬儀の形式に興味を持ったようである。
10歳Fは久しぶりに絵本を読んでるとそばにやってきて聞きに来た。自分の体験を本を通じて追体験する、登場人物に自分を投影する、という作業をしているのかな。
まだまだ、ずっとこれからも長生きするはず、なんなら永遠に二人とも生き続けるようなイメージを持っていたのだ。だいすきな〇〇、っていう呼びかけや、好意や感謝を示す行為を、もっとできたらよかった。と思った。
(2021年8月)
3歳児Wが出してきたので読み。
ジーンとなるのであった。私、母に手紙でも書こうかなあ。ここ一年半コロナで会えてないしなあ。
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ディック・ブルーナさんが亡くなって、いろいろな人がいろいろな場所でうさこちゃん(ミッフィー)の思い出を語っていたんですけど、その中のひとつに「あまり知られていないけど素晴らしい作品」として紹介されていて、興味を持った『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』。
子ども向けの作品で死を扱うのは本当に難しいな、と思うのですが、本書は何と言うかもう「完璧」でした。
亡くなった身内がオバケになって登場するわけでもなく、死の恐怖を過度に煽るようなものでもなく、ただただ粛々と大好きなおばあちゃんの死に向き合い悲しみ、みんなで受け入れて行くうさこちゃんたち。
「死者を悼む」とはこういう事だ、というのがシンプルに、そして子どもにもわかりやすく(それこそ、おとうさんのお別れの言葉のように)描かれている素晴らしい絵本だと思いました。
子どものためと言うより、自分のためにも傍に置いておきたい一冊です。
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表紙がネタバレ。これ表紙で良いのか…。『うさこちゃんときゃらめる』同様、やはり4歳児からって早い気がする。読んでいて数年前に亡くなった祖父を思い出してなきそうになりました。
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うさこちゃんのおばあちゃんが亡くなる切ない作品・・・。そして、おばあちゃんが亡くなったあとの状況を描いている、すごく現実的な作品だったと思った。現実的な視点って、このシリーズの特徴のひとつだったりするのかも。
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シンプルで、まっすぐで、しずかな絵本。
遅かれ早かれ誰もが直面せざるを得ない喪失を、濁さず誤魔化すことなく向き合う姿勢に心を打たれる。
無駄を極限まで切り落とした絵と文章が、読者のさまざまな感情を想起させる、素晴らしい絵本。心の奥にある森の中で、うさこちゃんと一緒にたたずみたい人は、ぜひ。
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シンプルであることは美しく難しい。
これほどまでにシンプルでありながら、全てが詰まっている。
子どもと死を語るとき、ごまかさず真っ直ぐに向き合うことが何よりたいせつなのではないか。
ブルーナの子どもに対する姿勢に背筋が伸びる。
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悲しいけど、こういう絵本も必要なのかなって思いました。
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大切な人を失うこと、死に直面した子どもに向けて描かれたえほん。
大切なおもいがすべてつまってる。
ブルーナさんが亡くなってまず泣きながら読み返した。
大切な本。一度はほんやでもいいから手に取っていただきたい。
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うさこちゃんのおばあちゃんが亡くなるお話。
(あのショールを編んでくれたおばあちゃんが?!と衝撃。)
大切な人が亡くなると悲しいし、亡くなった人に話しかけることは、宗教が違っても同じ。
土葬か・・と思ったすさんだ大人です。
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私たちが逃れられない課題の1つ、大切な人の「死」。
なんと、うさこちゃんシリーズに!
少ない絵と言葉で淡々と、でも的確に、そしてうさこちゃんの世界観で、私たちに語りかけてきます。
繰り返し読むことで、段々こどもがどう理解していくのか、楽しみです。
著者プロフィール
1927年、オランダ・ユトレヒト生まれ。 絵本作家・グラフィックデザイナーとして世界的に活躍。 現在までに120タイトルを超える絵本を刊行。全世界で約50カ国語に翻訳され、8500万部以上のロングセラーとなる。日本でも代表作の1964年『ちいさなうさこちゃん』(福音館書店刊)出版以来、日本のみでも5000万部以上の絵本を刊行。また絵本創作以外にもユニセフ、赤十字や「WORLD PEACE IS POSSIBLE」など、社会活動の為のポスターやロゴも多く手がけている。
「2015年 『BLACK BEAR Notepad』 で使われていた紹介文から引用しています。」
ディック・ブルーナの作品