ウーマンズ・アイランド

著者 :
  • マガジンハウス
3.12
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本棚登録 : 297
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838716418

感想・レビュー・書評

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  • 同じ人物が出てくるけど主人公の女性が違っていて、違う視点からの話でかなり読みやすかった。
    林真理子さんの登場人物は見た目が華やかなタイプや業界が絡んだ話が多くて、未知の世界を覗いてるみたいなところが好きです。
    あとは適齢期よりちょっと過ぎつつも、まだまだ素敵な結婚するぞと思っている女性の仕事との関係性の考え方の描写がリアルでした。
    めちゃくちゃ面白いってわけではないけど好きなタイプの本でした。

  • 華やかな世界…お台場を舞台に、そこで働く様々な職業の女性たちを描いた作品集。
    林真理子の描くこのテの小説、読みすぎるとお腹いっぱいになってしまうけど、今回は気に入った。一篇一篇が短いので、もっと突っ込んでくれたらとちょっとは思ったけど、短い割には、華やかな職業の光と陰をうまく捉えていた。
    「幸運な人間だけれども、幸せじゃない。」
    登場人物のひとりがつぶやいた言葉。何だか印象に残った。そして、全篇を通して登場する、人気俳優深沢裕人。彼が背負っている陰の理由…これが、私がこの本を読んで面白いと思ったことのひとつだ。私はお台場の光の部分しか知らなかったんだとつくづく思った。
    単発でドラマ化したんだよね…見たかったな、別物だとわかっていても。

  • 私は幸運な人間どけれども、幸せじゃない。この頃、本当にそう思う。

    二十代後半に付き合った男性が、なかなかプロポーズをしてくれない。これを待っているつらさやせつなさは、経験した人じゃないとわからないと思う。

    それに今のこの幸せは、私の手でつかんだんだもの。

    やがて私は精神にも異常をきたすようになる。みんな私の悪口を言っているのではないか、すべてのミスは私のせいではないかと、あれこれ考えのたうちまわった。

    私は毎日力いっぱい働いて、夜ぐっすりと眠る。夢をかなえるために、毎日ちゃんと努力している。お客さんにコーヒーを売るのは楽しいし、ミルクがうまく泡立ってくれた日はとても嬉しくなる。
    この街で働く女たちは、みんなエリートばっかりだけど、みんな幸せそうじゃない。彼女たちにコーヒーを売る私だけが幸せなんじゃないかしら。

    アメリカでは昨日より明日が良くなるようにとみんな必死だ。女だってちゃんとその戦列に加わり、血みどろになりながらも、自分のキャリアを高めようとする。自分お生活とキャリアが上がると判断するのならば、職を変えることなど当たり前だ。けれども日本の場合は違う。

    あまりにも向上心がありすぎる女というのは、毎日を楽しく暮らすことが出来ない。

  • マリコさんがご自身のYouTubeチャンネルで古い著作も紹介しておられるので、私も色々手に取って再読してみようと。

    二十年前の本なので、やっぱりいま読むと共感できる部分はなく。広告代理店勤務も化粧品会社勤務もイメージ通りな部分が多くて新鮮味もなく…。
    当時の東京に憧れる女の子たちの胸には響いたのかもしれないなぁ。今はマリコさんも、今はもう東京のお金持ちの生活に憧れてる女の子なんていないでしょと指摘してるくらいだし、私も地方で地に足着いた生活してる人間に惹かれる。
    それでもやはり林真理子作品なので、読み進めるうちに面白くはなるんだけど。洗練された大都会に故郷を奪われた男の話という観点から見ると興味も出るものの、オシャレな東京に焦がれない人間には「ふーん」で終わってしまう感が。

  • 多くの女性が描かれていますが、共感できる女性は全然おらず、東京の海岸沿いにはこんな世界もあるのかなぁ?とあまりリアリティを感じることはできなかったのですが(まぁ少し前の時代ってのもあると思いますが。)。
    傍から見たら華やかな世界も、満たされない思いを抱えながら欲深く生きてる生々しさが感じられるショートストーリーでした。

  • 調子よく次々と女性を引っ掛けていく男もいるんだろうな。
    やはり、何か満たされていなくてそれを女性というもので穴埋めしているように感じてしまう。そんな穴埋めに使われたとしたら「失礼しちゃうわ」だけど。
    あぁ、そこそこ有名人なら「失礼しちゃうわ」以上の満足感、優越感があるのだろうか。
    いやいや、それでも嫌だわ。

  • 一人のスターの噂がスキャンダラスに語られる街。そこには、最先端の都市で生きる女たちの恋と野望が渦巻いていた…。テレビ局、広告代理店、コスメ会社、出版社…新しい街で颯爽と生きる11人の本音と思惑がリアルに交錯する連作短編集

  • 2014.2

  • 229.2008.1.28

  • 図書館にて借りました。

    読んでいるとき六本木ヒルズをふと思い出した。
    あんな凄い場所に住んだり、働いたり、どんな気分だろ?
    良く都会と地方は違うと云われるけど、会社も様々。

    場所は何処でも10人いれば、10人の幸せがきっとある。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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