ブギーポップは笑わない (電撃文庫 か 7-1)

著者 :
  • KADOKAWA(アスキー・メディアワ)
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本棚登録 : 3089
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840208048

感想・レビュー・書評

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  • 今更ながらのブギーポップです。いや実は遥か昔に一度読んでいるのです。しかしその時は面白さがよくわからなかったのです。
    何故わからなかったのか。それは今まで読んできた小説と違っていたからかも知れません。物語の核となる人物や事件を直接書かず、その外堀から埋めていくように進んでいく手法に戸惑ったのかも知れません。
    遥か昔の自分がどう思ったのか思い出せませんが、今の自分にとっては面白かったのです。こういうことはよくあることです。

    語り手が変わりながら、事件についての全貌が少しずつ見えてくる。この見せ方に特徴というかクセがあるのですね。
    第1話には謂わばプロローグとエピローグが書かれているのです。事件の始まりと終わりだけ。しかも事件そのものについては、ほとんど記されない。だから語り手と同じく事件に関しては何もわからない。でもブギーポップという人物については、興味を惹かれる。

    第2話では事件の核となる人物が出てくるが、結局ここでも語り手は何もわからないし、何も知らない。噂だけ憶測だけが重ねられていく。だから読者も何もわからない。
    そのようにして少しずつ少しずつ事件の核心に近付いていくのです。事件が何かわかる前に、後日談まで先に見せられたりもしながら。

    そしてクライマックスに一気に事件の全貌が明らかになる。
    おお、これはミステリの手法ではないか、と気付いたのです。物語をバラバラに解体し、向きをバラバラに回転させ、順番も入れ替えて提示する。全部のパーツが揃った時に、はじめて全貌が解明する。

    遥か昔にはこれがわからなかったのか。
    つくづく読書はタイミングが左右するものだと思い知らされました。
    しかしまあ、今のタイミングで改めて読んでみて成功でした。今後も以前読んだけどピンと来なかった作品(それどころか途中でやめたものとか)を読み返してみましょう。

  • 「……俺たち普通のヤツには、そんなわかり方はできないんだよ」ーーーー


    再読。アニメでも見て懐かしく読んだ。
    冒頭のブギーポップと先輩の出会いの場面が、タイムリーに響いた。そんな分かり方ができる世の中になればいいんだけれども…。普通と異常が入り混じるストーリーは、あとがきにあるように夢と現のようだと思う。この話の中では、キーマンはいても、完璧な人はいない。『みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいはかんぜに開き直って目標に突き進んだり、まだ自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。』本当にそんな話だった。

  • ほほお、こういう話ですか。語彙不足で表現できないのだけど、面白かった、とは言える。

  • 君には夢があるかい? 残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女たちは、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、まだ自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。−−え? ぼくかい? ぼくの名は“ブギーポップ”−−。第4回ゲーム小説大賞<大賞>受賞。上遠野浩平が書き下ろす、一つの奇怪な事件と、五つの奇妙な物語。

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    上記の説明や口絵の各キャラクターに添えられていたコピー的な言葉の使い方はカッコイイ。

  • 褒められすぎ、周りが底辺だからちょっとまともなもの書いただけ、時代に恵まれた凡作、無味無臭面白くない

  • もっとブッとんだ物語かと思っていたけど、そうでなかった事にチョット驚く。ラストは綺麗にまとまっているし。
    ライトノベルと云うジャンルでは記念碑的作品だと思っていたので、尚更かな。
    やっぱり、読者の年代を選ぶのだろうか。

  • テンションの浮き沈みが激しい本、という印象。
    おもしろい時はスカーっとおもしろいのだけど、鬱々としちゃう展開も。

    「オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス」 まで読了済み。

    「沈黙ピラミッド」まで読了済み。

  • 雑さはちょっと気になるがキャラクターがとても魅力的でひきこまれた。続きがあるようなので機会があれば読んでみたい。

  • ブギーポップシリーズ一作目。
    ライトノベルをなめんな!

  • グロテスクなはずなんだどけど、さわやかな読み心地だった。

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著者プロフィール

第4回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞。『ブギーポップは笑わない』ほかシリーズ著作多数。

「2019年 『ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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