動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

著者 :
  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240124

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりこの人の文章はエッセイっぽくて読みやすいんだな、と思っていたら、書き下ろしじゃなくて「ソトコト」の連載だったとは。
    今さらながらに知った。
    道理で"サスティナブル"という単語も頻発するわけだ。

    あくまでも著者の主観によるところも大きいが、分子生物学に片足突っ込んだ理論を分かりやすく噛み砕いて、誰にでも伝わる平易な文に仕上げる能力は素晴らしいと思う。
    「生物と無生物のあいだ」と重複する内容もそこそこあるが、基本的な感覚を掴む上では格好の書籍だろう。

  • あんまりだったかな。全体的に「ホンマでっか!?TV」みたいな内容(言い過ぎかも)。

    カッコいいタイトルの割に、よく知られたことをツラツラ綴ってただけな感じ。

    動的平衡っぽいのは最終章で、ほとんどの細胞がその組成を入れ替えながら更新され続けている、と述べた後の「生命現象は、構造ではなく、流れがもたらす効果なのである」と言ってたとこぐらいかな。

  • もう牛を食べても安心かを読んだ直ぐあとだったので、書かれていることが重複しすぎていて胸焼けした。あんまりどの本でも同じこと書いて恥ずかしくないもんなのかな? もっと小綺麗にはまとまっていますが。
    コラーゲン配合の食品を食べても肌はよくならない、コラーゲンだっていったんアミノ酸レベルまで分解しないと吸収されないし、コラーゲンを構築しているアミノ酸はありきたりであらゆる食品タンパク質から補給されるし、コラーゲン自体はむしろ効率よく消化されないタンパク質だと言うのは目から鱗。無知は怖いな。もうだまされないぞ。
    あとドカ食いではなくちびちび食いでダイエットしようと思いました。

  • メモ:『私とは何か』の分人の考えに似た部分があるらしい。

  • 生物と無生物の間と比べて新しい発見があまりない。著者の主観的な考え方も多くて、科学的考察が少ない気がする

  • 科学の話なんだけど、
    哲学に直結していて、
    本当に深くて面白い。

    難しい箇所もあるんだけど、
    面白いので、
    読み飛ばすのがもったいなくて
    何度も何度も読んでは、
    納得度を深めています。

    壮大な生命の流れを知ると、
    小さな自分の悩みなんて
    大したことじゃないな
    って思えてきますね。

    人間の行うことは
    思えばみんな「自転車操業」。
    それは時に虚しさを伴うけれど、
    それこそが生きるってことなんだ
    と思えば、悩みもなくなる。

    命の営みに、参加できて
    良かった!

  • 圧倒的生命のダイナミズム!
    根っからの文系で、科学的なことはよく分からないけれど、福岡さんの本は文学みたいに読めるから好きです。

  • 生命とは動的な平衡状態にあるシステムである。我々生物は一時も止まることなく、「流れて」いる。機械のように一部分を取り替えれば病気が治ったりするような単純な存在でなく、全体で平衡状態を保っているのが生物だ。食べ物、ダイエット、生命は時計仕掛けかなど身近な観点からも生命とは何かと言うことに迫る。

  • 「生物と無生物のあいだ」がとても面白かったので、福岡伸一氏の本は以前に何冊か読んだことがある。
    ここしばらく遠ざかっていたのだが、氏のライフワークとも言える「動的平衡」をタイトルとしたこの本は以前から積読してあり、読むチャンスを伺っていた。

    元々生物分野は苦手であり、高校時代にしかたなく生物Ⅰを取った後は選択肢からもずっと外していたのだけれど、氏の本を読むとワクワクしてくる。

    第一章 脳にかけられた「バイアス」
    ・脳が錯覚を起こすメカニズム周辺のお話
    第二章 汝とは「汝の食べた物」である
    ・食事と生物を動的平衡の観点から結びつけて説明
    第三章 ダイエットの科学
    ・ダイエットの基本を生物学的視点から理論的に語る
    第四章 その食品を食べますか?
    ・狂牛病、遺伝子組み換え作物に関連する生物学の考え方
    第五章 生命は時計じかけか?
    ・ES細胞とノックアウトマウス、この新しく進歩している分野についての考え方
    第六章 ヒトと病原体の戦い
    ・細菌、ウイルス、そしてブリオンの歴史概観
    第七章 ミトコンドリア・ミステリー
    ・パラサイト・イブから始まるミトコンドリア逸話
    第八章 生命は分子の「淀み」
    ・動的平衡は生命を維持し続けるために必要不可欠な分子の淀みの状態である

    とどの章も本当は極めて難しい生物学的な事象を取り上げているのだが、どれも簡単にすーっと理解できる。
    氏の文才のなせる技なのだろう。
    動的平衡2も早速、ポチってしまった。

  • 「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」まさに目から鱗。

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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