小惑星美術館 (貘の図書館)

著者 :
  • エフ企画
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894190221

感想・レビュー・書評

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  • 十代で出会って欲しい本です。大人になっちゃうと擦れて心に響かないと困るから。昔、ラジオドラマでやっていたのを偶然聴いて、ずっと原作を読みたいと思っていました。読むのは遅くなっちゃったけど、早いうちに知ってて良かったです。ユーリは遠足に行く途中で事故にあいます。迷い込んだ世界は逆さまの世界。れんがの月と呼ばれる場所。そして、地球とそっくりの星、ガイア。彼はれんがの月とガイアにまつわる秘密を解くことになります。今、自分に何ができるのか。地球をガイアにしないために……。

  • 世界観が好きです。

  • 久しぶりに再読。同じ頃にはまった長野まゆみの本はほとんど処分してしまったけれど(売れっ子ゆえ再入手しやすいから)寮美千子は文庫化もしないし捨てられずいまだに愛蔵。パロル舎の本を読むようになったのはこの人がきっかけだったなあ。

    最初に読んだ頃はたぶんギリギリ十代だったからもっと心に響いた気がする。大人になって読むとさすがにいろいろアラも見えてしまうけれど、基本的には児童文学だし、SFとしても、賢治風の童話としてもそれなりのクオリティ。人間をラジオになぞらえるあたりはとても好き。そしてラジオスターレストランに続く。

  • スピリチュアルSFとでも言いたいような。良かったです。

  • 奈良などを舞台とした作品です。

  • 永遠の輪の中で何にも疑問をもたずに生きていくことは、はたして幸せなことなのか。ある出来事がきっかけで気を失ってしまった主人公が次に目覚めたのは、それまでの世界と似て非なる世界だった……。ガイアに絡んだ謎については想像がつきやすかったものの、主人公たちとともにした旅の情景がすばらしく、読んでいて胸が高鳴った。人間のもつ夢や知識欲は抑えすぎてもいけないし、かといって際限なく解き放てばまた同じ未来を繰り返す危険もある。それでも、これからを生きる若い魂の輝きはまぶしく、うらやましさに目がくらみそうになった。

  • 嫌悪感がすごい。メッセージ性も高い。

  • 遠足の朝、銀河盤に衝突したユーリは、地面が空までめくれあがった不思議な世界にいました。
    そっくりだけどちがう世界にとまどうユーリは、無理やりこの世界の『遠足』に連れて行かれます。
    12歳の子供だけがいける『小惑星美術館』。
    ユーリはその謎を解き、もとの世界に戻る方法を探そうとするのです。

    銀河盤、スペースコロニー、宇宙船…とても魅力的な響きばかりです。
    小惑星美術館の描写がすてきで、想像力を刺激されますし、引力と遠心力の話もとても心に残っています。
    引力はひとつになろうとする力。そんな世界にいるってすてきです。

  • あんまり得意なやつじゃなかったなぁ。SFファンタジー。ちょっと銀河鉄道の夜を思い出した。

  • この話の中に、有害なものを全て取り払って作られる食べ物が出てくる。たぶん、虫ひとつつかないから、色も鮮やかで葉の形も綺麗なんだろうと思う。人の手で(コンピューターで)徹底的に管理されて作られるものを、主人公は気持ち悪いから食べたくないという。私も気持ち悪いと思いました。
    そういうものを食べ続けたら、いったい人間はどうなってしまうのだろうと、ちょっと恐ろしくなりました。多分、抵抗力というものが弱くなるから、ひとたび病原菌が入り込んだら、たちまち広がったいくのだろうな、と。
    地球は人の手によって病み、それを止めることができないでいる現実を、考えさせられました。

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著者プロフィール

東京生まれ。
2005年、泉鏡花文学賞受賞を機に、翌年奈良に転居。
2007年より、奈良少年刑務所で「物語の教室」を担当。その成果を『空が青いから白をえらんだのです』(新潮文庫)と、続編『世界はもっと美しくなる 奈良少年刑務所詩集』(ロクリン社)として上梓。
『あふれでたのはやさしさだった 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』(小社刊)ほか著書多数。

「2021年 『なっちゃんの花園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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