努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本

著者 :
  • フォレスト出版
3.52
  • (45)
  • (103)
  • (105)
  • (29)
  • (7)
本棚登録 : 1305
感想 : 149
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894516229

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 努力も努力の仕方によって差が出る。
    自分も中学受験で国語の復習をひたすらやったが伸びなかった。もっと早くから、この本を手に取っておけばよかった。

  • 努力は報われる、と思う人はダメ。努力ではなく楽しんで出来る事が大成する。
    見返りを期待して楽しくもないのに努力するのはダメ。

    努力は報われる、は半分は本当。負荷がかからないと機能は錆びつく。

    エジソン「99%の汗と1%のひらめき」は、99%努力しても、1%のひらめきがなければダメ、という意味。

    思春期のダイエットは脳の成長を妨げる。20歳位まで脳は成長する。

    フランスのバカロレアはナポレオンが始めた。哲学の試験。
    人は自由な思考によって自由な存在になる。そのためには哲学を深く学ぶことで自由な思考ができる。

    ヒトは我慢の量が決まっている。無理なことをすると自然に脳が反対のことを許してしまう。

    本来、遊ぶ、ことは高尚なこと。努力ばかりではなく、余裕をもつ。

    意志力が強い人は、人間は本来意志力が弱いことをしっていて、それを避ける工夫をするヒト、のこと。

  • 日本人は努力中毒になりがちだとし、ただがむしゃらに頑張る努力を「狭義の努力」とし、①目的の設定、②戦略の立案、③実行の3段階のプロセスを経た努力を「広義の努力」としています。

    後半では読書の効用を説き、「実際に合うことは難しかったり、歴史上の人物だったりして会うことができないような人の思考も、自分の中に、その人物の思考回路をつくることができるのです。」としています。

    読書をコツコツと続けてきて良かったと思いました。

  • 客観的に事実を科学的に述べてくれます。耳が痛い事ばかり言われますが、それはそれで現実で、その現実を自分でどれだけ把握した上で、自分を喜ばせながら努力を努力と思わず、楽しみながら意思力を発揮できるか。

    定期的に読み直してマインドセットしたいですね。

  • 努力することの意味合いを論理的に解説してくれた1冊。努力の幻想論を「いい意味」で否定してくれています。

    本当に大事なのは、努力することではなくて、目標を決めそこに向けての日々のタスクをどのように進めていくかの戦略性。戦略無くして勝つことはできない。その状況を「努力不足」などと揶揄するのは愚の骨頂ということなのかもしれません。

    そういう意味では、人は時として敢えて何もしないという選択を取るべきシーンもあるのではないかと。本当に自分が欲しているものは何か。それを得る為の戦略を立てることはできるか。なりふり構わずがんばるってのはもうやめだ、よく考えた上でこれだと決めたことに努力していきたいです。

    大変参考になりました。

  • 頑張っているのに報われないと思っている人におすすめ。

    【概要】
    ●「努力すれば報われる」が本当ではないこと
    ●真の努力とは、目的設定~戦略~実行のプロセスを踏むこと
    ●なぜ努力が報われないか(日本の特徴、日本人の特性)
    ●意志力の強さが利益をもたらすことの証明「マシュマロ実験」
    ●「できるだけ努力をしないで生きよう」という考え方
     真の努力とは、「努力をしない努力」のこと
     自分よりも能力のある人を見つけて、その能力を認める力を持つ。
     そして、その人を使う。そのためには「ジョハリの窓」モデルを活用
    ●人間は死の間際になるとたいてい同じ内容の後悔を口にする。
     「あんなに一生懸命働かなくてもよかった」なのだそう。

    【感想】
    ●「努力を努力と思ってる人は大体間違い」という明石家さんまの考え方に同感
    ●自分のしたことを「努力した」と自分で言うのは間違っていると思う。
     「努力した」と思っていた結果が裏目に出た場合、頑張ったことに後悔してしまう。
    だから、好きなことをやっている、で終わっておいて、見返りも求めない。
    これが「努力しない」ということの理解、と捉えた。
    ●人生どのように生きるのが賢いかということを考えた場合、本書の考え方は理解できる。きれい事だけでは損をする世の中である。したたかに生きることが大切だと思う。

  • 実は少子化問題について警鐘を鳴らしていて
    本当は何が問題なのか、
    日本はここがズレてる等という点を伝えている

    脳科学的に日本人の勤勉さを分析していて
    「努力」について冷静に考えさせられるし
    もっと柔軟な捉え方があることに気づく

  • 自分の才能を見つけることが大切

  • 挑発的なタイトルはアイキャッチであって、著者は「すべての努力が不要だ」と主張しているわけではない。“努力にも正しい努力と間違った努力がある。無駄な間違った努力はやめましょう”と言っているだけなのだ。

    間違った努力とは、「戦略も何もなく、ただがむしゃらにがんばる努力」であり、正しい努力とは「①目的の設定、②戦略の立案、③実行の3段階のプロセスを経た努力」のこと。著者は前者を「狭義の努力」、後者を「広義の努力」と呼ぶ。

    さらに、「狭義の努力」とは、「肉体・精神・時間への盲目的な負担に主眼を置くもの」であり、「行動のベクトルはまったく目的に近づいていないのに、本人は『がんばっている』『目的に近づいている』と思い込んで」しまいがちだと言う。
     
    人間は“こんなに努力している自分”に酔って「努力中毒」に陥りやすく、それが人を間違った努力に走らせる大きな要因である、との主張は新鮮だ。

    《努力している自分――。
     これはとても中毒性の高いものです。努力しているさなかにあって、努力すること自体が目的になってしまっている人は、やはり「努力している自分」に喜びを感じているのです。
     それを示す実験があります。
     ダイエットをして、「今日はほとんど食べなくてよかった」とか、「身体に良いものを食べた」と認知している人は、倫理的に悪いことをする傾向があるというのです》

    「努力中毒」になり、自分を痛めつける無駄な努力自体が目的化してしまう。だからこそ努力が報われない――世に蔓延するそのような間違った努力のありようを、著者はさまざまな角度から否定していく。
     
    一般的な自己啓発書の主張は、「努力は必ず報われる」という「努力教」であり、読者を間違った努力に向かわせやすい。その意味で、本書は自己啓発書イデオロギーの対極にある内容だ。と同時に、「努力教」を否定した新しいタイプの自己啓発書ともいえる。

    中野さんの2年前の著作『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』も、やはり「新しいタイプの自己啓発書」と呼びたい内容であった。

    してみると、彼女は“脳科学の知見を援用した、科学的に正しい自己啓発書”を目指しているのではないか。
     本書においても、メモしておきたいような脳科学の知見が、随所に登場する。たとえば――。

    《虐待を受けると前頭前野の発達が妨げられ、薄いままになってしまうことがあります。子供のころは愛情をたっぷり与えてあげないといけないというのは、愛情が脳にとっての栄養のようなものだからです。
     科学的な実験から得られた知見を、まわりくどくないようにとても簡略化してお伝えしようとすると、なぜか古くから多くの人に語られてきた道徳観や倫理観などと合致していくというのは、とても興味深い現象だと思います》

    《ストレスというのは、ありすぎても足がすくんでしまって、課題を遂行しようというモチベーションが削がれてしまうのですが、なさすぎてもやる気は起きません。これは「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」といって、実験動物で見つかった現象ですが、人間にもあてはまります。
     適切なストレスがかかることが、人の力を最大に引き出します》

    私がいちばん目からウロコだったのは、「セロトニントランスポーター」(神経細胞間でやりとりされるセロトニンの量を調節するタンパク質)の量にも民族的差異があり、「日本人は、世界で最もセロトニントランスポーターが少ない」との指摘。

    セロトニントランスポーターが少ないと、脳内のセロトニンが少なくなって不安にかられやすくなる。ゆえに、「『真面目にやっているのに報われない……』と、世界で一番感じやすいのが日本人なのです」と、著者は言うのだ。ううむ……。

  • タイトル、本書での「狭義の努力」の、不要論。

    至極現実的な内容で、各所に書かれている通りである。

    昭和ドグマ、非合理的な努力という名の苦行は止めよう等など。

    努力とその見返りへの過剰な期待、傲慢性。

    努力して成功よりも今の幸せを・・・

    自分も含めての悪い意味での一般大衆向けの本。
    ちょっと世の中のバランスがおかしくなってるんでは?の問題提起。
    余裕の無さ、思いやりの無さ、愛の無さ。

    個人的には他の本や既知などでほぼ知っているネタで、
    それ以外の初耳なネタなどがタメになった。


    ついその出版社の広告メールにつられ、kindleで1クリック購入してしまったが、
    1100円はちょっとお高い・・・他のもっと内容の濃い良著に投資できた・・・数百円だったら良かったが。(特典動画には孫子を読めと(笑))
    まあ読んでも良い本であった。

全149件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野信子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
佐々木 圭一
リンダ グラット...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×