ホテルカクタス

著者 :
  • ビリケン出版
3.40
  • (74)
  • (80)
  • (320)
  • (17)
  • (6)
本棚登録 : 837
感想 : 133
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784939029141

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ホテルカクタスは、街はずれの古びたアパート。
    そこに住む数字の2ときゅうりと帽子のお話。
    そして、そこの中庭に住む黒猫のお話。

    読み終わった感想は、アメージングだった。
    「ヨーロッパの古びたアパートの螺旋階段」のような螺旋階段が、この世界観の中での想像力をすごく助長する。

    数字の2は、やっぱりその通りの数字の2だし、
    きゅうりは、きゅうり。
    そして、帽子は、やっぱり帽子だった。

    彼らのことをわかりすぎるほどわかるから、
    読んでいて、ちょっぴり切ないし、ちょっぴり笑える。
    ゆったりと時間が流れるこのお話、好きだな・・・・・・・アメージング

  • そのアパートには、数字の2や帽子、きゅうりが住んでいた。
    アパートの名前はホテル・カクタス。

    神経質な2、ハードボイルドな帽子、筋肉系男子なきゅうり。3人の友情の物語。

    不思議な設定だけど簡単に入り込める。すぐに読み終わる。
    個人的には2が好きだった。保守的な生活スタイルに共感する。

    いつだって友情は素晴らしいし、別れはさみしい。
    大人のための童話。

  • (2001.05.19読了)( 2001.05.18購入)
    (「BOOK」データベースより)
    街はずれにある古びた石造りのアパート「ホテル カクタス」。その三階の一角には帽子が、二階の一角にはきゅうりが、一階の一角には数字の2が住んでいました。三人はあるきっかけで友達になり、可笑しくてすこし哀しい日々が、穏やかに過ぎて行きました…。メルヘンのスタイルで「日常」を描き、生きることの本質をみつめた、不思議でせつない物語。画家・佐々木敦子との傑作コラボレーション。

    ☆江國香織さんの本(既読)
    「絵本を抱えて部屋のすみへ」江國香織著、白泉社、1997.06.30
    「いくつもの週末」江國香織著、世界文化社、1997.10.20
    「ぼくの小鳥ちゃん」江國香織著、あかね書房、1997.11.20
    「すいかの匂い」江國香織著、新潮社、1998.01.30
    「神様のボート」江國香織著、新潮社、1999.07.15
    「冷静と情熱のあいだ Rosso」江國香織著、角川書店、1999.09.30
    「薔薇の木枇杷の木檸檬の木」江國香織著、集英社、2000.04.30
    「ウエハースの椅子」江國香織著、角川春樹事務所、2001.02.08

  • 帽子と、きゅうりと、数字の2!江國さんの、この発想が好きです。
    安易な擬人化をせず、真っ当を歯牙にもかけない、このふわふわとした曖昧な現実感と感覚。
    同じ世界に生きていて、どうしてこんな優しくて突飛で危険で愛らしい世界が見えるのか、その豊かさと自分らしさが羨ましいくらい。

  • 「冗談じゃありません。僕はお酒が飲みたいわけじゃなく、眠りたいんですよ」

  • これは恵泉に入って初めて図書館で借りた本。

    まず設定が良い。帽子とキュウリと数字の「2」。うん、何とも言えない。


    不思議すぎるんだけど、しっかしあるんだよね伝わってくることが。
    最後に個性派3にん(?)とのお別れがとても寂しくなる。

    五月病の時とかにいいんじゃないかしら。

  • 数字の2がどこにネクタイを締めるか、きゅうりの首はどこだとか、細かく気になると止まらなくなります。
    でもストーリーは妙に納得できます。いつもの江国作品のように。

  • 面白かった。
    登場人物が人間ではないけれど、すぐに話にのめり込めた。

  • 大人のための童話。
    石造りのアパート、ホテル・カクタスに住むきゅうり、数字の2、帽子。仲がいい3人の日常のお話。
    きゅうりはスポーツマン、溌剌。2は真面目で素直。帽子は一番の古株で落ち着いている。
    小説の登場人物を実際の人(主に芸能人)に重ねて読むくせがあるんだけれど、きゅうりはサバンナの八木さん、2は阿部サダヲさん、帽子はリリー・フランキーさん、というイメージ。

  • 初読み。
    帽子ときゅうりと数字の2の日常

全133件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

江國香織の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×