ホテルカクタス

著者 :
  • ビリケン出版
3.40
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本棚登録 : 837
感想 : 133
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  • Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784939029141

感想・レビュー・書評

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  • なんだか不思議な絵と、たくさんの短く区切られた章からなる一冊。
    ある街の東のはずれにあるアパートと、そこに住む3人の仲良しのお話です。
    アパートなのに、名前は「ホテル・カクタス」。


    友達に教えて、彼女たちにもぜひ読んでほしいと思うけれど、
    やっぱり自分だけのものにしておきたいような本です。

    たとえば恋人というのは素敵な人だから、みんなに「ねえ、こんなに素敵な人がいるよ。」と知らせたい。
    でもわたしが知らせたせいで、いつの間にか自分以外の誰かと恋人が仲良くなってしまったら、
    わたしは困ってしまう。

    同じことで友達が、自分がこの本を好きだと思う気持ち以上に、この本を好きになってしまったら。
    わたしは、ちょっと悔しい。


    「いいなあ、このお話。」
    「いいなあ、こんな友情。」
    「いいなあ、ホテル・カクタス。」

    きっと、こんな感想を抱く方が多いと思います。

    いいなあ、と思う気持ちは「きゅうり」のようにまっすぐで、「数字の2」では割り切れない。でも「帽子」のようにどこかに行ってしまうことはないから、どうぞ安心して読んでください。

    実は登場するキャラクターは人間ではなく、モノなのですが、そのモノたちも適当に選ばれたわけではなくて、物語の中できちんと意味を持っています。
    わたしは「ああ、江國さんは、これを伝えたくて、このモノをキャラクターに選んだのか。」と、いちいちうなずいてしまいました。

    恋愛小説や、家族小説など、人間関係の描写を読むのが好きな方は、特にお気に入りの一冊になると思います。

  • 大好きだった。
    みんなに読んでもらいたい。


    江國香織にとって「数字の2」っていうのは気が利いてるイメージなんだよね。いつも。

  • ホテルカクタスという古びたアパート。
    3階には帽子、2階にはきゅうり、1階には数字の2が住んでいる。
    この3人がアパートで出会ってからの交流を描いた物語。
    最初は帽子って…?きゅうりって…?と変な感じだったけど、
    最後はほっこりして、ちょっと切ない気持ちになる大人の童話。

  • 現実的だけど不思議な話。

    温かくなる。

  • 久しぶりに読み返した。そしたら記憶よりずっと面白かった。ただの不思議な話で終わらない、リアルでちょっとへんてこで可愛らしくて、そして最後にちゃんとせつないお話。いとおしい。

  • とても美しい装丁と挿絵の本です。話の内容は思いきり現実離れしていますが。

  • 「ホテル・カクタス」という名の古いアパートに住んでいる「数字の2」、「きゅうり」、「帽子」の3人のお話。この「2」や「きゅうり」はあだ名などではなくて、それぞれ本当にモノで、「2」はいつも体が曲がっていたり、「割り切れないもの」が嫌い、といった個性をもっています。それぞれが少しずつ互いの個性を認め合ってゆく様子に心あたたまります。
    3人の、ちょっとちぐはぐでとぼけた会話も素敵です。優しさや悲しさ、無常感、様々なことを感じられます。挿絵もきれいなのでオススメです!

    (宮崎大学 学部生)

  • 2001年5月1日購入。
    2004年8月22日読了。

  • 絵本のような話

    3階 帽子
    2階 きゅうり
    1階 2

  • 可愛い話だ 1時間で読み終えちゃったけども

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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