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- / ISBN・EAN: 4988135532435
感想・レビュー・書評
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スペイン語
あらすじ
生活に何の不自由もないはずのアレックスは暴力とセックスとドラッグにおぼれていてベートーベンをこよなく愛している。押し込み強盗殺人を繰り返していたところを仲間に陥れられて捕まり、ついに刑務所へ。刑務所で模範囚を演じながらも暴力の快楽に取りつかれたままのアレックスは、早く出たさに国家の新しい人間更生プロジェクトの実験台に名乗り出る。大好きなベートーベンを聞かされながら、暴力を見ると体が拒絶反応を起こすよう、洗脳されていく。完全な拒否反応を身に付けたアレックスはついに出所を迎えるが、家に居場所はなく、町に出ればかつての暴力の被害者たちがその傷跡を、悪徳を鏡のように見せつけるが、中でも妻を殺された老人はアレックスがベートーベンに拒否反応を起こすことを知ると、彼を窓のある部屋に押し込めて音楽を聞かせ、飛び降りにまで追い込んだ。非人格的な洗脳によって更生させられたことを知った世論は、一命をとりとめたアレックスを一転して被害者として扱う。アレックスにはセックスや暴力を是とする再教育がおこなわれ、また世論を味方につけたい大臣は、アレックスの社会的な優遇を保証して、マスコミへの応対の軟化を取り付けさせた。白く輝くフラッシュの中、笑顔で大臣と抱き合って解決をアピールするアレックスの目に映ったのは、壮絶なセックスの快楽。結局、彼はもとの場所に戻ってきたのである。
序盤のインパクトが強いが、かといって前半が中心と言うより中盤、後半にも山があると思う。最初から最後までどっぷりつかってしまう。
一面の赤にまずびっくりしたが、次のマルコム・マクドゥエルのアップと目が合った瞬間、本格的に心臓麻痺を起すところだった。画面向こうの人間に見つめられて目が離せなくなったというのはたぶん初めてである。いたたまれなくなる。映画を観終わって思い返すと、私は彼に何を見られたのか。ただ相手をじっと見るという行為があまりに少ないからこんな気持ちになるのか、あんなに敵意というより、探る目線で睨まれたことがないから、びっくりするのか。
ベートーベンと暴力の組み合わせが意外に合う。スペイン語だったので、シンフォニアの何番かがわかんなかった…。ベートーベンを
こんな風に使うのだけは許せない、と叫ぶアレックス。何に使うのが許せなかったのか。快楽の象徴であった音楽が、まったくのよきものとして使われるのが嫌だったのか。そう考えると、警察署長の「最近の流行は、悪きものをよきものに変えることだ」というのと重なる。悪いものを悪いと、むき出しの人間の汚さすら良いものをかぶせて隠そうとする、それへの批判か?
いやー、面白かったなあ。もう一回見たい。でも一人で見て良かった。人と見ると、なんかいたたまれなくなる映画だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヴァイオレンスとセックスとアート。格好良いとは言わない、悪は悪であり彼が根源(表すもの)であることは明白であるから。
主人公・アレックス役のマルコム・マクダウェルさんは格好良い、其処は認めるけれど(笑)彼であるからアレックスが悪としてハンサムとして確立している。
コメンタリーも見た。コメンタリーも見るべき。楽しい。裏話満載。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『第九』の使われ方が絶妙で、コメンタリーに於ける解説でも「キューブリックは音楽の使い方を理解している」という旨の話があった。とてもうなずける。そして中盤アレックスが叫ぶ「ルートヴィヒに罪はないのに!」も同じ。そう、音楽に罪はない。
古いと感じさせず、エロティックでヴァイオレンスで俗悪で。この映画が言いたいこと、それは、……人は変わらないということだ。誤魔化すことはできても。圧倒的な感情は暴力で、ちからあるものが弱者を踏みしめていくのである。 -
社会背景がわからないと、わからない。
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6月に読売新聞で紹介されていて、面白そうだったのでレンタルした。
超暴力(アルトラ)とルドウィヒ(ベートーベンのこと)を好む少年アレックスは、仲間(グルービーと呼ばれる)とともに街へ出て暴行と殺戮の限りをくり返していた。
ところが、あるとき仲間の裏切りで警察に捕らえられ、心理療法を受けたことで彼は模範市民として更生する。
社会復帰したアレックスだが、両親に拒否され、かつての仲間たちに拷問され、さらには被害者から報復を受ける中で、また元の暴力少年に戻ってしまう。
このテーマというかプロットはなかなかすばらしいなあと思った(「オレンジ」って何のことなんやろう?)。
でも、セットと小道具が悪趣味で僕にはちょっとついていけない…。
「雨に唄えば」を口ずさみ、軽快なタップ・ダンスを踊りながら小説家夫婦をめった打ちにするシーンは目を開けていられないほど酷かった(しかし、あのシーンはもしかしたら映画史の中の名シーンの1つかもしれない)。
ラストの“I was cured, all right!(完ぺきに治ったね)”の「治った」というのはおそらく逆の意味なのだろう(あのシーンもちょっと意味不明だったな)。
かなり社会批判を巻き起こしたり物議を醸したりしたんじゃないかなあ。
そういう意味では見る価値ありの映画なのかもしれない。
スタンリー・キューブリック監督の他の作品も機会があれば見てみよう(面白そうなのは「フルメタル・ジャケット」「シャイニング」「2001年宇宙の旅」)。 -
これも高校時代に名画座で何度かみた。
陰部にモザイクはいってるんとないんがあったな(笑) -
映像と音楽は好きだけど、
内容は自分には合わなかったかな。
最初は仲間内でも飛び抜けて残忍なアレックスに
辟易したけど、
治療を受けて外に出てきたアレックスに
かつて暴力を振るわれたおじいさんやその仲間が
アレックスをリンチしたり、かつての仲間が警官に
なってアレックスを暴力したり
結局誰でも残忍で暴力的な一面を持っている
のを見せつけられた気がした。
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ある反逆児が人権を奪われたのち正義を捨てなくした人権を取り戻す物語。
考えさせられるのは人権を尊重するなら正義が成り立たない特性の人間に対してどう対応するかということ。
前半のグロテスクさからこの犯罪を許すか彼の人権を尊重するかという葛藤。
でもやっぱり自分の奥さんを目の前で強姦した男は許せないよ。 -
いい なんか分かんないけど
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とにかく疲れた!スプラッター映画なんかより余程嫌な気分にさせられる おしゃれだよと聞いて密かに期待してた近未来的なモチーフにも特に惹かれませんでした。肌に合わなかったんだと思います。でも早送りセックスのシーンは面白くて好き