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- / ISBN・EAN: 4988013274846
感想・レビュー・書評
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イギリスだけが無事なのは分かったけど、そもそもなんで世界が崩壊したのかよく分からなかった。
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2006年、イギリス・アメリカ映画。
プログレが好きだった僕には忘れられない作品になるでしょう。
どこかで聞いたイントロだなー、と思っていたらクリムゾン・キングの宮殿、そして近未来的な建造物、ゲルニカの立体図、そして、なぜか屋上にはピンク・フロイドのアニマルズ・コンサートで使われた豚の気球がプカプカしている。
あんまりヒットしなかった映画みたいだけど、映像が何となく風変わり、というか印象に残る。特に映像の色、どのカットも意図的にフィルターをかけられていて、どことなくセビア色に染まったみたいな世界が延々と続く。全編が失望に覆われているという色彩。
それもそのはず、この映画のなかでは、18年間、一人も子供がうまれなかったという設定になっている。西暦2027年のイギリスを舞台に、紛争・少子化・宗教対立・テロ・人種問題などを一人の男の視点から描く。
その男、何となくルー大柴に似た役者さんの名はクライブ・オーエン。ずいぶん昔の映画だけど、シン・レッドラインで見たかな?とか思ったけど、全然勘違い。どこか見たのはボーン・アイデンティテイーの不気味な殺し屋役だった。
エンディングがエッ、という終わり方で個人差があるかもしれないけど、ハード・ボイルドっぽくて個人的には好評。「子供が生まれない」というありえない設定にも、次第に慣れてきてラスト近くでは感動すらしてしまう。最後まで退屈せずに見れますよ。 -
アルフォンソ・キュアロンが描く、近未来ディストピアの紛れもないマスターピース。イギリスを舞台に人類から生殖能力が失われてしまった未来の世界を舞台に、久しぶりに再開した元(?)妻から託された使命を果たそうと奮闘する男の姿を描く。
公開当時映画館で観て以来もう何度か観ているはずだけど、何度観てもほんとに素晴らしい。隅から隅までハイクオリティで、まったく隙がない。特に「子どもが一切生まれなくなった世界」という、言葉としてはわかっても、具体的にイメージするのは結構難しいであろう世界を、完璧なリアリティで構築しているところがすごい。未来のコーヒーショップは恐ろしところです!
とにかく長回しのすごさが有名な作品で、ラスト近くの8分間(たぶん)ワンカットで描くシーンは映画史上に残る名シーンじゃないかと思うが、それ以外にも冒頭のコーヒーショップのシーンなど、ところどころで非常に効果的にこのテクニックを使っている。
ワンカットに見えても実際にはいくつかのカットをつなげたりしているそうだが、なかでも車で山の中を走るシーンは狭い車の中をあちらこちらにカメラが行き来したかと思うと、最後には車外にカメラが飛び出て手持ちに変わるという変幻自在っぷりがほんとにすごい(このあとのキュアロンは『パリ、ジュテーム』でも、長回しでパリの街角を歩く父娘の会話だけのワンカットの短編映画を作っていておもしろい)。
俳優の演技もいいしホメるところばかりなんだけれども、子どもも存在がいかに尊いものなのか、この映画を観ると痛いほどに感じられる。ラスト、セオがキーにあることを教えるシーンの切ないことと言ったらない。救いでもあるんだけれども、失われたものが戻ってくるわけでもなく。
タイトルがイマイチ茫洋とした感じなのと、いまだにブルーレイが出ないのが残念でならない。この映像は絶対にブルーレイで観るべき。出たら買うのになー。 -
暗い世界です。
日曜の朝に見てはいけないと思う。
かといって、夜に見ると、暗いし、結末にモヤモヤするので、それもイヤ。
ストーリーはあまり好きではないが、撮影技術がすごいなと思います。
以下、Wikipediaからの引用です。
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「長回し」
この映画で臨場感を呼ぶ最大の要素である「長回し」は画期的な撮影方法に支えられている。以下の4シーンはいずれも1カットの長大な長回しに見えるよう編集されている。詳細は後述。カッコ内は1カットの長さ。
映画冒頭の爆破テロシーン(約51秒)
乗用車襲撃シーン(約4分07秒)
出産シーン(約3分19秒)
終盤の戦闘シーン(約6分16秒)
メイキング映像や「CG WORLD」誌2007年1月号などによれば、これらのシーンは単純にブルー(グリーン)スクリーン前で撮影したものではなく、セットやロケーションで、ステディカムや特殊カメラを使って撮った長時間ショットをベースにしている。
必要に応じ、複数のテイクをコンピュータ処理によって一つのショットにつなぎ合わせてあるが、テイク間の映像の差異を埋め合わせてつなぐ技術(PlaneIt=プレーン・イットと呼ばれるツールを使用)は完成度が高く、つなぎ目がどこかは判別が困難である。
冒頭のテロシーンは2つのカットをつないだもので、また蜂起後の戦闘シーンでビルの階段を昇るセオは、同じ階段や廊下で撮影したショットをCGでバリエーションをつけたうえ、複数つなぎ合わせて3階まで昇ったように見せているが、実際は1階建てである。
また、乗用車の天井(撮影時は、ドギーカム社の「スパローヘッド」と呼ばれるカメラ雲台とそれを前後左右に駆動するシステムのスペースを確保するために屋根は取り除かれていた)や、爆発・弾着のエフェクト、レンズに付着する血糊、口で受け渡しするピンポン玉、赤ん坊のクローズアップなど、CGで作られたイメージもショット内にふんだんに合成されている。
(2011年11月11日16時47分)
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確かに、すごい臨場感がありました。
迫力は満点。
脳みその、現実世界への復帰が大変なのも納得(笑) -
後半の戦場シーンのカメラワークは圧巻! MGS4もこれぐらいエグくしてほしかった。
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カメラワークがとても面白い。長回しのシーンの緊張感とリアリティーが凄い。
SF的なストーリーだけど、説明はほぼなく、寓話のような感じがした。
震災、原発事故のあとだからか、ひどく心に突き刺さってきた。
生殖能力を失った人類、という設定だけれど、これは先の希望を持てなくなりつつある私たちの成れの果てのような気がする。
世界の崩壊が人類を絶望させたのではなく、人類がすでに絶望してしまったから世界が崩壊したのではないか?
設定とドキュメンタリー風の映像の下にとても熱いメッセージがある。
クライヴ・オーウェン素敵だった!
最後にゲップを教えるシーンは泣いてしまった。寒々とした景色の中のとても美しく温もりのあるシーン。 -
恐るべし長回し!製作の緊張感が凄すぎ。
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不思議な映画やったなー。薄口でもあり濃口でもあるみたいな。まぁ、要は赤ちゃんは可愛いってことやな。I Agree.